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■ひきだしバレエ(ダンス)覚書>ピナ・バウシュとヴッパタール舞踊団


 
先日見たアルモドバル監督の『トーク・トゥ・ハー』の始めでピナ・バウシュの踊りを見ることができましたが、この日の公演では御本人は踊らなかったようです。
上演されたのは、ピナ・バウシュが30年前から今までに創作した作品のなかから、特別に構成されたプログラムです。1時間ほどの上演時間があっという間でした。(作品名、スタッフ等は、下の表をご覧ください。)

まるで舞台が交差点のようで、人と人とが触合い去って行き、また別の人と出会い触合うといった感じでした。ふれあいを大切にしている印象が強いですね。
たとえば、大きな飯台に男性が二人並んで腰掛けていて、一人が真っ逆さまに飯台から落ちなんとするのをもう一人がハッシと足首をつかんで元の姿勢にもどしたり。そのお返しに、倒れた男性の腰に椅子をあてがってやったり。
また、一人の女性が強烈なため息を吐くのを、数人の男性が支えたり。←『トーク・トゥ・ハー』のおしまいで踊られた作品。

それから、ダンサーの個性を大切にしている印象も持ちました。
バレエ団に異なる人種が混じり合っているのは珍しいことではありませんが、頭三つ分の身長差がある男女がいっしょに踊っているのにはビックリ。
背の高い男性の手に背の低い女性が乗って・・・というのは、手乗り文鳥を連想させられましたが、この二人のダンサーの身長差から発想して、二人に当てて振付られたのかもしれませんねえ。
ダンサーは、それぞれ個性があるし、得意なパフォーマンスもあるでしょう。その個性や得意な踊りを見越して振付をしているんじゃないかという気がしました。

そのほか、座ったまま上半身だけで踊っているのに躍動感があるのにビックリ(感涙)。ブレイクダンス風あり、手話あり、台詞あり、お茶をこぼして舞台を水浸しにするドッキリあり、そして、ユーモアあり。これが踊りなら踊りの概念が変わるわな、認識をあらためんといかんな〜なんて思ったりして(笑)。そういえば、日本の舞踏も踊りでしたっけ。
まとめると、岡本太郎じゃないけれど「どんなモノにも顔があっていいじゃないか」という感じで、人の個性と関係性を大切にし、寛容で温もりのある舞台だったと思います。

それから、これは一番書きたいこと。いたんですよ〜。きれいな踊りのダンサーが二人。
一人は背の高い人で、ぶつかって倒れても、その倒れ方が美しい〜!と思っていたら、踊りも美しかった〜。
もう一人は、手話の人(ルッツ・フェルスター)!その手の動きが美しい〜!!!再び登場したときもやはり手話風の踊りで、その場からほとんど動かないのですが、手の動きに吸い込まれました。しばし異次元空間へ行っていたような気がします。
しかし、振付家の目というのは、すごいですね。手話の動きに美を発見するなんてね。だけど、それを体現してくれるダンサーがいるというのもすごい。ありがたいことです。

あ、そうそう。ピナ・バウシュは、日本各地を廻って、人々や伝統や文化にふれた体験を舞踊作品にまとめるつもりだそうで、高知にもそのために来たのだそうです。作品は、来年ドイツと日本で発表されたのち、世界巡演されるそうです。ピナ・バウシュがどんな美を発見したのか、ぜひ、見たいものですね。

2003/11


 
■ピナ・バウシュ特別構成プログラム 「スモール・コレクション・イン高知」
ピナ・バウシュとヴッパタール舞踊団ダンサーによる舞踊作品集
2003年11月22日(土)2:00pm 高知県立美術館ホール
作品名 「カーネーション」「フェンスタープッツァー」「パレルモ・パレルモ」「オンリー・ユー」「過去と現在と未来の子どもたちのために」「緑の大地」「アグア」「炎のマズルカ」「悲劇」これらの作品から抜粋した特別プログラム
ゲスト・ダンサー ルッツ・フェルスター(フォルクヴァンク芸術大学舞踊学部長)
制作、演出、振付 ピナ・バウシュ
衣裳デザイン マリオン・スィートー
音楽協力 マティアス・ブルカート、アンドレアス・アイゼンシュナイダー
アシスタントディレクター ロベルト・シュトゥルム
バレエ・マスター エド・コートランド
照明 アンドレアス・リンケス
小道具 ヤン・ツィトー


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