ヒアアフター

面白かった。こういう、ゆるゆるな感じは好きだ。
サンフランシスコ、パリ、ロンドンと楽しませてもらった。
霊能者ジョージ(マット・デイモン)、臨死体験者マリー(セシル・ドゥ・フランス)、双子の兄を亡くした少年マーカス(ジョージ・マクラレン/フランキー・マクラレン)の三人が、どこでつながるのか最後までわからなかった。
マリーのパートがちょっと弱かったかな。ちょっとしか可哀想じゃなかったもの。(もちろん、マーカスとジェイソンの兄弟には泣かされた。お茶屋のお約束(笑)。)
ジョージの兄(ジェイ・モーア)がなかなかいいキャラ。霊能力を活かして金儲けしようという実利主義。弟の苦しみは想像の外。だけど、自分はフリークだという弟に「お前はお前じゃないか」と言える、本当に普通の人。普通の人の強さって(敏感じゃないところ)いいと思う。
[追記]
hereafterは、字幕で来世と訳されていたけれど、今後という意味もあるらしい。主要登場人物三人(つまり生きている人間にとって)の今後が大切で、その今後になくてはならないものが、「霊界」という概念なのだと思う。
映画の中で最も切実に霊界を必要としていたのは、もちろんマーカスだ。その切実さに泣かされる。(ジェイソンと共に母を庇う姿にも泣けた。)ジョージは霊界を必要とする人々、関心のある人々に苦しめられ、これもまた切実な問題だった。
マリーの役回りは、霊界が存在すると科学的に人々に知らしめることだ。(日本で言うと丹波哲郎・・・・(?)。)だけど、イーストウッド監督は「霊界が存在する」ということよりも、「生きている人間の今後」と「来世という概念」の方に重きを置いているのではないだろうか。脚本では「霊界が存在する」というマリーのパートの比重もマーカスやジョージと同じくらいだったのかもしれない。「死後のことはわからない。だけど、生きている人間に何が必要かはわかる。」そんなイーストウッド体質が、マリーのパートを弱くしたのではと思った。

「ヒアアフター」への6件のフィードバック

  1. お、ゆるゆるなら気楽に行けそう(笑)。
    観てからまた記事をちゃんと読みに来ますね。

  2. 気楽に観れるし、おもしろいし、映像の色を抑えてあるのが美しいですよ~。
    特にロンドンが私のお気に入り~(^_^)。

  3. マリーはパリでも豪華なスイートに泊まってましたねー。
    ジョージは地味なホテルだったのに。
    ジョージの兄ちゃん、私も好き!
    お金儲けに走っても愛嬌がある人でしたね。
    グループ治療ってあんた・・・と笑いました。

  4. おお!TAOさん、いらっしゃいませ(^_^)。
    私もTAOさんと同じところで笑ったみたい。
    1日3人までと言っていたのに、グループで・・・というところですよね?
    ジョージにはこの兄ちゃんでよかったですよねー。
    ちょっと、距離を置いても過剰に心配もしないだろうし、金づるに逃げられた(笑)と思ったとしても、それほど恨みもしないような気がして。
    ホテルの差・・・。マリーとジョージは、うまくいくでしょうかね?
    マリーは初なところがあって可愛かったから、うまくいってほしいなぁ。

  5. あの兄ちゃんなら、ジョージがマリーと一緒になったら、
    やった~、ダブルで稼げる!と思って、また皮算用をしそう(笑)
    あ、ホテルはパリじゃなくてロンドンでしたよね。
    マリーの金銭感覚はいまだセレブですが、
    一度死んでいちばん大切なものはなにかがわかってるから、
    地味で温かいジョージと巧くいくんじゃないでしょうか。
    冷たいギョーカイオヤジには愛想を尽かしてるはずだし(笑)。

  6. >やった~、ダブルで稼げる!と思って、また皮算用をしそう(笑)
    わはは。思いつかなかったけど、あのお兄ちゃんらしいですね!
    TAOさんのおかげでマリーとジョージはうまく行くような気がしてきましたよ。
    (料理教室の彼女の過去は怖かったですね。追記した後、TAOさんの感想を拝見しに参ります。)

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