ミスター・ノーバディ

観る人によって様々な解釈が可能な作品だと思う。そっとプリズムを覗いているような、ささやき声に耳を澄ましているような感じがする映画だった。
人生、どう転んでもままならない哀しさが、ひたひたと水のように押しよせる。どのニモも水に溺れる苦しさを味わい、どこかのニモに逃避する。生まれなければよかったという思いが両親の出会いを単なるすれ違いに変換し、ニモを消してしまいさえする。
確かだと思ったのは、ニモは溺れたことがあるってことと、彼にとって最も大切な人はアンナだということ。エリースと結婚したニモも、ジーンと結婚したニモも心のどこかにアンナがいるような気がした。だから、灯台の見えるベンチでアンナと出会えたとき、出会えたニモを残して、他のニモは消えてしまったと思う。
ニモ(ジャレッド・レト)
アンナ(ダイアン・クルーガー)
エリース(サラ・ポーリー)
ジーン(リン・ダン・ファン)
パパ(リス・エヴァンス)
ママ(ナターシャ・リトル)
ニモ:15歳(トビー・レグボ)
アンナ:15歳(ジュノー・テンプル)
エリース:15歳(クレア・ストーン)
ニモ:9歳(トマ・バーン)
アンナ:9歳(ローラ・ブリュマーニュ)
『プリンセス・ブライド』(ロブ・ライナー)・・・物語つながり
『未来世紀ブラジル』(テリー・ギリアム)・・・逃避つながり
「銀の三角」(萩尾望都)・・・選択つながり
MR. NOBODY 監督:ジャコ・ヴァン・ドルマル
(2011/10/15 あたご劇場)

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