勲章

うむむむむ。眠ってしまった(ヒミツ)。
えーっと、どんな映画だったか。

元軍人の岡部(小沢栄太郎)は、彼の身代わりで戦犯のお務めを果たして帰ってきた元部下寺位(東野英治郎)に乗せられ、再軍備化を計る組織あけぼの会を発足し、運動を始めるや、義弟の家に居候していた肩身の狭さも忘れ勢いづく。
ところが、寺位の密輸が新聞ネタになり運動はぽしゃるは、娘ちか子(香川京子)は父を振り切り愛する男性のところへ嫁いでいくは、放蕩息子憲治(佐田啓二)は父が大切にしていた勲章を犬の首にぶら下げるは、ついに昔の彼女よね(杉村春子)の胸に泣きつくも、金の切れ目が縁の切れ目で冷たくあしらわれるという、泣きっ面に蜂、不幸の雪崩。

つまりは、軍国主義も家父長の威厳も過去の遺物。勲章になんの値打ちがあるものかという話なのだろうか。確かに喜劇調の演出で、俳優も喜劇のお芝居をしていた。眠らなかったら笑えたかもしれない。

それにしても、父が息子を拳銃で撃ち殺し、父も・・・・という結末には、目が点になった。これからの世代である息子を死なせる筋書きにしたのは、なぜなのだろう。あまりにも親をないがしろにしたからだろうか。
父の横暴に耐えながらも、父を気遣い心配していたちか子。父と恋人の間で揺れていたが、自分の意志で旅立った。「わたし、とっても幸せ」と言う彼女に比べて、あまりにあまりな結末が妙ちきりんな余韻を残した。

監督:渋谷実
(小夏の映画会 2012/05/13 あたご劇場)

「勲章」への2件のフィードバック

  1. その前の『少年』が満員で、前半久々に立ち見になっちゃって・・・
    くたびれたのと満腹したのとで、『勲章』はパスしてしまいました。
    (でも、観ててもきっと、私も寝ちゃっただろな~)

  2. 『少年』、立ち見でしたか。二階はいくつか空席があったのですが(11時の回)。お疲れさまです。見応えのある作品でよかったですね。
    『勲章』の脚本(共同)は橋本忍だそうで、『幻の湖』のへんてこりんさには及びませんが、おもしろいもの観ちゃいました。

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