さよならドビュッシー

この映画を観る少し前のこと、韓国ドラマに嵌っている友だちに、山口百恵の「赤いシリーズ」みたいな感じかと尋ねて「違う」と言われ、予想を外してガッカリしていた。そこへもってきて、『さよならドビュッシー』だったので「これだよ、これ!」って感じで嬉しくなった。「バレエ・シューズに画鋲」みたいな懐かしきドラマ臭を漂わせながら、ピアニストになりたい真っ直ぐな心の女の子を主人公に、「自分のためなら続かないが、大切な人のためなら続けられる」とか「人を感動させられる演奏は、技術だけではない」などの珠玉のセリフを散りばめて、最後のドビュッシーの「月の光」に心洗われ涙させられる、とまあ、そんな作品だった。ベクトルは善なるもの美しいものを指しているから、前向きで清々しい印象が残る娯楽作だった。

<クレジット-BGM「サンタ・ルチア」ゆっくりと->
莫大な財産を遺していった祖父(ミッキー・カーチス)、祖父と一緒に焼死した従姉のルシア(相楽樹)。そして、火災から奇跡の生還を果たしたものの、やけどの後遺症がありピアニストになる夢はとても叶いそうにない主人公の遥(橋本愛)。彼女を窮地から度々救う素敵な(?)ピアノの先生岬洋介(清塚信也)。
うさんくさい叔父(山本剛史)、頼りにならない父(柳憂怜)、死んじゃう母(相築あきこ)、なんだよ、もう(苦笑)の家政婦みち子(熊谷真実)。コメディ・リリーフの新条医師(吉沢悠)と先生コンビ(戸田恵子、三ツ矢雄二)。

監督:利重剛
(2013/02/02 TOHOシネマズ高知9)

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