クロニクル

つい、男子版『キャリー』と思ってしまった。その構造が似ているだけなんだけど。
学校ではいじめられっ子、家では母は重病、父(マイケル・ケリー)からは暴力を振るわれっ子のアンドリュー(デイン・デハーン)が、鬱屈した心を超能力で爆発させる。同じ超能力を有した従兄弟のマット(アレックス・ラッセル)と優等生、かつ、人気者のスティーブ(マイケル・B・ジョーダン)は、リアルな生活が充実しているので超能力をはけ口にはしない。生き物に対しては超能力を使わないという倫理観がある。これに対してアンドリューは、捕食動物の頂点に立つものは他のものを殺しているから、最強の自分は何をしてもOKという理屈を持ち出してくる。これは、神様がいないんだったら人殺しもOKとか、倫理とか道徳は人間が作ったもので元々はないものだから何してもOKとか、昔からある古~い理屈の一種だ。こういう理屈を持ち出す人を「タガが外れた人」と言う。

キャリーにはそんな理屈はない。あるのは哀しみと怒りだ。キャリーが可哀想で可哀想で(涙)。もし、あの出来事が日本で起こったなら、彼女の魂を鎮めるため「キャリー神社」なるものができただろう。それくらい同情した。一方、私はアンドリューには全く同情できなかった。アンドリューのことを気遣うマットやスティーブの株は上がるが、母親のために強盗してまで薬を買おうとしたアンドリューの株は下がる(どうせ超能力を使うなら薬屋に見えないところから目的の薬をそっと盗み出せばよかったのに)。結局、私は強盗しても清らかな人物が好きなんだろう。アンドリューは邪悪な感じがするのだ。

そういうわけで、クライマックスの大破壊は、アンドリューの気持ちなんか屁のカッパで観てしまった。そうすると、「たま屋~」、「かぎ屋~」ってな感じでケタケタ可笑しかった。

CHRONICLE
監督:ジョシュ・トランク
(2013/10/12 TOHOシネマズ高知8)

「クロニクル」への2件のフィードバック

  1. 映画知らなくて観てなくて・・・
    でも、「キャリー」のことが出てたので。

    私もキャリーが可哀想で可哀想で(涙涙)。
    血みどろでも清らかな感じがして
    物語は思い出せなくなっても
    あのヒロインは忘れない・・・と思う一人です。

  2. キャリー(ToT)。
    あの清らかな感じって、山岸凉子センセイのマンガの登場人物にいそうですね。賛同してくれる人、少ないかなぁ。

    これまでキャリーは、シシー・スペイセクだったのですが、なんとリメイクされるそうですよ。『モールス』のあの女の子で。クレア・・・・モレッツ?
    狂信的な母親は、ジュリアン・ムーアだそうです。

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