アシュラ

公開当時(2000年。制作は1993年)と違ってDVDでは『地獄曼荼羅 アシュラ』というタイトルになっていた。収録されている予告編がとても面白い。曰く、

「かつて彼女は妻であり母であり女であった。」「女の耐える力は最強。2000年、女はもう我慢しない。」「インド各地で上映禁止!失神者続出!暴動寸前!最強の女のリベンジ・ムービー、登場。」

そして、最後に沢田亜矢子が登場して、

「映画史上最も過激な映画です。闘う女の皆さんに。ぜひ、ご覧ください。」

というようなことを言っていた。
いや~、本編より予告編に興奮した(笑)。予告編なら、これくらいはやってくれないと。それにあながち嘘ではない。むしろ内容を正しく宣伝しているとさえ言える。

シヴァーニー(マードゥリー・ディークシト)は虐げられた女性代表みたいな感じで復讐の鬼となる。女囚を政治家にあてがう収容所長(女性)を手始めに、姉を虐待していた義兄を殺し、ヴィジャイ(シャー・ルク・カーン)のアリバイを偽証し、シヴァーニーを手込めにしようとした刑事を殺し、ついに彼女の不幸の最大の原因であるストーカー野郎ヴィジャイを殺そうとするが・・・・、そうは簡単にはいかないのがインド映画だ。この経過には唸った。
ミュージカル・シーンとか登場人物が類型化されすぎている点などいささか古い感じはいなめないけれど(シャールクもヘタな演技をしていた)、シヴァーニーの美しさと話の濃ゆさでグイグイ見られる。
ヴィジャイは登場したとき、本当に嫌なヤツでシャールクをもってしても好きになれないと思ったけれど、いやいやいや~、スチュワーデスであるシヴァーニーを追いかけて乗客となり、彼女との遣り取りを見ているうちに恋するヴィジャイって可愛いと思えてきて、恋の歌を歌う頃には可愛くて堪らん状態になってしまった。本当に危ないサイコパスなのに魅力的で困った。
それにしても、恋の歌のシーンでは走っている車の屋根に立って踊って、ボンネット、窓と移動して車の中にすべり込むなんて、世界広しと言えどもこれができるのはジャッキー・チェンとシャールクだけではないだろうか。

ANJAAM
監督:ラーフル・ラワイル
(2013/11/05 DVD)

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