人魚伝説

『人魚伝説』チラシ
海に潜るシーンが美しい。抒情的な音楽とあいまって「伝説」という物語性(ファンタジー)を感じられる作品だった。
殺された夫の仇を討つ海女のお話。

エロとバイオレンスがグロい昭和の作品だ。こういうのは苦手なはずなのに、やりきっているので、いっそ清々しい。しかも物語性が損なわれず、うまくつながっている。
みぎわ(白都真理)の全裸での殺戮シーンは驚愕した。こりゃあ、『イースタン・プロミス』のヴィゴ・モーテンセンに教えてやらねばと思った。
歩道橋での延々と続く殺戮シーンより怖くて面白かったのは、プールでの殺しだ。何せ海女だから息が続くので、これは上手い殺し方だった。
原発に対する怒りがあったから作られたのだろうけれど、原発に限らなくても圧倒的な力を持つ者に対する孤軍奮闘伝としての悲哀がある。また、柵で囲われた浜辺の無残な景観や、お地蔵さんへの願い事や美しい潜水シーンが印象深いので、作り手の自然に対する愛着(畏敬?)の念も感じた。

こういう力のある作品を見ると、表現の自由って大切だと思う。
もちろん、無防備に見ると傷つく人がいるだろうから、それなりの商品説明的な表示なりアナウンスは必要だと思う。
エロとバイオレンスの他には、もしかしたら原発推進派の人が傷つくかもしれないと思ったけれど、それについてのチラシの表示は充分だったと思う。

小夏の映画会主宰の田辺浩三さん渾身の上映会だったので、その模様をレポートした格好にもなっているヤマちゃんの映画日誌を、ぜひ、ご覧ください。
間借り人の映画日誌『人魚伝説』

(小夏の映画会 2016/06/26 龍馬の生まれたまち記念館)

「人魚伝説」への4件のフィードバック

  1. おやおや、お茶屋さん、
    拙日誌、ご紹介くださり、恐縮です。

     いやぁ、実に素晴らしいというか、呆気にとられる、好企画でしたよね(笑)。こんな芸当ができるのは、全国広しといえど、田辺浩三さん以外にはいないような気がしました。

     お書きの“全裸での殺戮シーンは驚愕”との場面には、僕もとっても驚いたというか笑ってしまいました。とても激しく立ち回るシーンでしたから、男優女優とも全裸で撮るとポストプロダクションがきっと大変なんでしょうね。どっちを取るかとなれば、自ずと女優になるからでしょうね、男優側が立ち廻り場面前の濡れ場から、ずっと下着をつけっぱなしなのが何とも珍妙で…(笑)。いくら我が国には、黒子の伝統に窺える見立ての文化があるとはいえ、かなりヘンな濡れ場でしたよね。
     僕もホントに「表現の自由って大切だと思う」なぁ。(って、そこじゃない?(笑))

     ともあれ、どうもありがとうございました。

  2. ヤマちゃん、報告に行かずにスミマセン。
    なのにコメントありがとうございます(恐縮)。

    >ずっと下着をつけっぱなしなのが何とも珍妙で…(笑)。

    やや!気づきませんでした。黒衣が見えなかったよー(笑)。
    女性ばかり見てよく見えないように撮ったな~とか、壁とか布団とか見て血糊の色が鮮やかやな~とか思っていました。

    >(って、そこじゃない?(笑))

    いやいや、そこも含めて(笑)。

    田辺さんは上映会が「自己表現」とおっしゃるように、解説やゲスト講師が面白いですよね。特に今回はよい企画で本当に感謝でした。そしたらヤマちゃんがまとめてくれてたんで、おかげさまで講演も反芻することが出来てとてもよかったです。書いてくれてありがとう!
    しかし、本当に9月で止めるのかなあ。もし、やめたとしても別のところで芸術的に自己表現してくれるでしょうね。

  3. お茶屋さん、こんにちは。

     何やかやですっかり報告とお礼が遅くなりましたが、 先の拙サイトの更新で、こちらの頁を いつもの直リンクに拝借しております。

     この頁を拝借した翌々日に田辺さんが亡くなったことを一昨日の夜に知って、たいへん驚いています。9月で止めると言っていた上映会がそのとおりになるとは思っていなかったのですが、まさかこういう形で本当のことになってしまうとは痛恨です。当然ながら、追悼のつもりではなかった拝借でしたが、奇しくもそういうことになってしまいました(合掌)。

     どうもありがとうございました。

  4. ヤマちゃん、リンクとコメントありがとうございます。
    私も突然の訃報に驚きました。
    『人魚伝説』上映のお礼のハガキを出したら、お返事が来まして、けっして好きな作品というわけではなく、窪川で原発建設に反対していたご自身の立ち位置が、登場人物の一人に重なるところがあり、どうしても上映したかったとのことでした。9月に上映会を止めた後は、お孫さんのためにも再稼働に反対していきたいというようなこともおっしゃっていました。
    上映会は自己表現とおっしゃっていて、この上映会でも木田さんの講演に参加した人には「炭せっけん」を配っていましたね。なんとも寂しい心持ちです。

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