グランドフィナーレ

サウンド+ヴィジョン=映画
お金持ちはいいなぁ・・・っていうのは置いといて、これは身体にいい映画だった。見る前は、ちょっと寒気がして風邪を引きそうな感じがしていたのだけれど、映像や音楽(音)にゆったりと浸っているうちに、あのホテルのスパで湯治をしたかのように血行がよくなっていた。
クスクスと笑いながら、たらたらと過ごせる取り留めのない作品だが、けっこう残酷だったりする。ミック(ハーベイ・カイテル)が作ろうとしている映画は、本当につまらなさそうだし(^_^;。ブレンダ(ジェーン・フォンダ)に引導を渡されるシーンは手に汗を握った。
指揮者、作曲家として成功しているフレッド(マイケル・ケイン)にしても、病気の妻を見るのはつらいことだ。妻の表情は残酷の極みである。妻は老いと死の象徴として描かれているように思う。フレッドが妻の病床を訪れるというのは、老いと死を受け入れるということなのだろう。

マッサージ師のお姉ちゃんの踊りはしなやかだ。若さとは、そのしなやかさのことではないだろうか。ミックはブレンダに引導を渡されても(エア)ファインダーを覗き、七転び八起きのしなやかさを持っている。フレッドも頑なに拒んでいた「シンプル・ソング」の指揮を執る。身体は硬くとも心は柔らかに。老いを自覚する者こそ、しなやかにゆきたいものだ。
(原題:YOUTH 2016/10/29 あたご劇場)

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