聖の青春

よかった。「聖だけの青春」だと思う。対戦場面は緊張感があるけれど、その他の場面は何やらほっこりとさせられた。
村山聖(松山ケンイチ)の人となりがイイのだと思う。野生というより自然な、子どもがそのまま大きくなった感じの人だ。他人を傷つけることなく自分の気持ちに正直に生きる。今この荒んだ世の中に暮らしていると、死を意識せざるを得ない差し迫った状況下でとことん将棋に打ち込んだ人が見せてくれる自然体は、イイもの見せてもらったなぁと思えた。
また、周りの大人が皆よかった。寛容。両親(北見敏之、竹下景子)も森師匠(リリー・フランキー)、橘先生(安田顕)、樋口(筒井道隆)たちも、荒崎(柄本時生)さんでさえ(笑)。
更に聖とライバル羽生善治(東出昌大)の化学反応もよし!『ラッシュ プライドと友情』もそうだったが、全く異なる二人が競技を介して結ばれている感じ。対戦シーン(猫と羽生の涙)、居酒屋のシーン(笑)、素晴らしかった。
個人的にツボだったのは、弟弟子(染谷将太)が対戦で鼻血を出すところ。その昔『王手』で加藤雅也演じる棋士が、やはり対戦で鼻血を出していたのだ。将棋って頭が沸騰するんだなぁ。
(2017/03/18 あたご劇場)

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