謹賀新年2024_書き初め

毛筆で描いた龍の絵

家族が揃って年を越せて安堵していたところ、只今、テレビで大津波警報が出て驚いています。もう、何と言ってよいやらわかりません。

気を取り直して。

昨年の映画の見納めは役所広司主演の『PERFECT DAYS』でした。年内にその感想をアップしたかったのに、いろいろバタバタで年を越してしまいました。

う~む、やっぱり気を取り直せないですねぇ(^_^;。
日本全国、天災への備えを要拡充の思いを新たにしました。

人文学オープンデータ共同利用センター篆書字体データセットの万象千字文を参考に書きました。
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毛筆で書いた篆書の「龍」
篆書の「龍」

二泊三日の一人旅

2014年に岡山県に行ってから幾年ぞ。旅に出たいと思いつつ仕事はあるは介護はあるは新型コロナはあるは。弟が残業の比較的少ない職場に異動したので家族のお世話を任せて旅に出た。

1日目の目玉は、うん十年ぶりの中土佐町立美術館。ちいさな美術館にちいさな作品。ほとんど貸し切り状態で、ゆっくりしても1時間くらいで観られるし、ずっとまた行きたいと思っていた。中土佐町立美術館大賞の作品募集や、受賞作の展覧会を開催しているのも魅力だ。只今、開催されているのは「食と暮らしと絵と~ちっくと味見したいちや~」展。好きな作品がいっぱいで写真を撮りまくった。道の駅なかとさも再度行ってみたいし(カフェ「風工房」もこちらに移っているし海賊焼きのお店もある)、時間をみつけて是非また行こうと思う。

中土佐町立美術館(公式ページ)
道の駅なかとさ

二日目は、三原村で硯づくりと落款印づくりの体験をした。1966年に原石が再発見され、数名が硯づくりを始めたところ評判がよく、1982年には三原硯石加工生産組合が設立されたとのこと。原石の採掘から加工販売まで行い、硯づくりで生計をたてられるくらいだったので組合員も多かったそうだが、現在はワープロ、パソコンの普及で書道人口が減り、組合員は6名(だったかな(^_^;正確な人数を忘れてしまった)で各人は別に収入を得ながら在庫の原石を活用しているとのことだ。
硯づくり体験は工程のどのくらいの割合になるかと尋ねると、原石選びから完成までを10としたら、2割から3割くらいとのことだった。硯はほぼ完成形にしてくれていて、彫ったのは海の部分だけだが充分楽しく、固い部分があったりして石の個性を感じることができた。砥石や紙やすり(三種類)での磨きの工程はほぼ体験出来たと思う。体験をサポートしてくださった壹岐さんが、再々、硯を洗い布で拭いて乾かして磨けてないところを色鉛筆でなぞって教えてくれた。私が落款印を彫るのに悪戦苦闘している間に、硯の仕上げ(海と陸以外のつや出しのためのコーティング)もしてくださった。もう一人の体験者をサポートしていた組合員さんが話していたが、昔は本漆でコーティングしていたそうだ。土佐硯加工製作所に滞在したのは10時から15時半までで、お昼の休憩が30分くらい。だから5時間弱は硯と落款印づくりの体験をしていたわけだが、当然硯の方が時間がかかった。両方の体験はとても楽しく、成果品にも愛着がわく。

土佐硯一岐工房←体験プログラムの予約をしたサイト。

三日目の目玉は、足摺海洋館「SATOUMI」。初代海洋館も見応えがあったが、二代目はそれを上回る見応えで、これなら年間パスポート(2回行ったら元がとれる)もアリだと思った。水族館だから展示室に入ったら当然水槽があるという思い込みは見事に裏切られた。森から始まり、ヤモリやアオダイショウ(サンショウウオは水のないところにいたのに濡れているように見えたのはなぜ?ときどき水が出てくるの?)、でっかい黄色のテントウ虫までいて、これは飼育がたいへんだーーーと思った。こんな見たこともないテントウ虫をどうやって増やすの???森の次は渓流だ。ヤマメ(だったか、メモらないと忘れる(^_^;)が飛び跳ねて石を越え一段上の上流へ達する瞬間を目撃できる。カワウソもいた。桂浜のコツメカワウソしか見たことなかったので、その大きさに驚いた。いつまで見ていても飽きない。渓流の次は汽水域。砂浜に上がって産卵するウミガメは汽水域の終わりのコーナー。ここでは仁ノから長浜の現在と過去の写真を並べ、いかに砂浜が減っているか、産卵不可能になっているかの解説があった。コンクリート製の護岸が砂浜がなくなる原因だとなんとなく思っているが、それがウミガメに影響しているのだな。ウミガメコーナーと階段コーナーでは大きな窓から竜串の海が見えるようになっており、開放感のある水族館だ。お次はいよいよSATOUMI。今、山と人里の緩衝地帯である里山が人口減のため荒れ果て、熊が人里まで下りてくることが問題になっているが、里山に倣った「里海」なんだろう。子どもの頃、里山に遊山に行ったりしたが、里海でもそんな風に親しんでほしいということなのかもしれない。竜串の湾で見られる岩(フェイク)に囲まれた大きな水槽にいろんな生き物がいる。ときおり波(フェイク)もある。ヒトデの鮮やかな色に驚き、鼓岩というものがあることもわかった。(水族館を見た後は浜まで出て本物の鼓岩を見ればよかった。)漁具にひそむ生き物も。別の水槽ではタコがおり、水槽のガラスに吸盤をくっつけながらよじ登っている。40歳を超えてからページをめくるのに指先に吸盤がほしくなったが、あのみごとな吸盤がガラスから易々と離れ、器用に登っていくのに見とれた。くっついたら離れそうにないものが、あんなにも軽々と、いったいどうやってるの?帰ってきてSATOUMIのサイトを見ると毎週金曜日に定員5名で館長がツアーガイド(予約制で13時半から50分ほど)してくれるそうで、次は予約して質問してみたいものだ。里海の次は、遠くの少し深い海の生き物。鰯も鯖も生きていると、百倍きれいだな~。魚介類食べ物コーナー、ウミウシとクラゲコーナー、小さい生き物コーナー、そして、おしまいが深海魚コーナーだ。展示室を出るとそこは売店。お土産を買って家路についた。

足摺海洋館「SATOUMI」

およそ20年ぶりの幡多地方だったわけだが、道がずいぶんよくなっていた。行きは一般道路のみ、帰りは自動車専用道路のあるところはすべて利用した。これなら竜串まで日帰りも可能だ(しないけど)。お天気がよく海が本当にきれいだった。
(2023/11/03-11/05)

暑中お見舞い

暑中お見舞いを毛筆で書いた画像

台風のせいか、梅雨時のように蒸し暑くってかないませんが、皆さま、お変わりありませんか?
私は変わったことと言えば、昨年末に家族全員が新型コロナに罹ったくらいで、その他は相変わらずです。新型コロナに感染した状況をアップしようと記事を書きかけていたのですが、5類になったことだし、もういいかという感じです。
それより、見られずに心残りの映画!うん十年ぶりにマイケル・キートンがバットマンに扮した『ザ・フラッシュ』です。どうしてもマイケル・キートンの声でバットマンを見たいじゃないですか。それなのに字幕版の時間割が合わず、涙を飲みました(ToT)。
『ミッション・インポッシブル デッドレコニングPERT ONE』も字幕版は見れない時間帯なので吹き替えで見るしかないです。
『LAコンフィデンシャル』は、吹き替えを見てやっとわかった作品だったので、吹き替え版もいいのですけどね。

書道は、古典の臨書をますます楽しんでいます。顔真卿の楷書はあまり好きではないのですが、少し習ってみると、すごく面白かったです。起筆がすべて「ドン!」って音が聞こえてきて(笑)。送筆は「ドーン」、収筆は「ぐりぐり!」と、書いていて思いきりがよくなるというか、何か気持ちよく書けます。でも、続けていると暑くなってきて(暑苦しい字なのです)、冬に習うことにしました。

花は昨年、瀕死のシンビジウムの鉢に艶々のガーデンシクラメンが生えてきて(こぼれ種というか飛び種です)、冬に咲かなかったので残念と思っていたら、7月の初めに咲いて今は種が弾け終わったところです。このまま、ガーデンシクラメンの鉢となってくれるといいなぁ。
そんなこんなですが、元気にしていますので。
皆さまも暑さに負けないようご自愛くださいませ。

ガーデンシクラメンの写真

我的今年漢字と肉筆は面白いね!

こんにちは~。今年の漢字は「戦」だとか。私も今年の漢字を書きました。

毛筆で書いた還暦の「還」の字の画像

やはり、壬(みずのえ)の寅は60年に一度しかないことなので還暦の「還」にしました。
旧暦であれば私は丑年なのですが、誕生日はずっと新暦で認識してきたことだし、弟にはトラみたいに恐いと思われていたことだし(笑)。
画像がもんもんになっていますが、紙のシワを伸ばさないままスキャンしたためです。

書道教室2年生となった今年も古典の臨書を続けていますが、実感するのは肉筆の面白さです。昨年は「張猛龍碑」、今年は「九成宮醴泉銘」を習い、他にもチラホラ法帖をながめていると「陽」という字が好きになりました。それで四つの古典から「陽」の字を臨書したのが次の画像です。

これをお読みの方にも画像を見ながら、ちょっと指で書いてみてほしいのですが、こざと偏の次の「日」の第1画を書くと、えらく空間があるのに気づきます。こんなに離れたところに「日」を書いて大丈夫か????と不安になるのですが、手本のとおり書いていくと不思議とバランスが取れた字になります。
そんなふうに古典を習っていると「この画をここにこう書くか!?」という驚きの連続で笑いが止まりません。それほど皆さん、個性的です。

千年以上も前の人でも肉筆というのは色々と伝わってくるものがあります。あの有名な顔真卿。次の四つの画像の最後が顔真卿が書いた「多宝塔碑」ですが、この調子でページが埋め尽くされているんですよ;;;。スゴい圧を感じます。言っちゃ何ですが、決して美しいとは言い難く、私は臨書はパスと思いました。しかし、ながめていると剛直で情けに篤く、手なんかも分厚いんじゃないかなと思えてきます。止めのところなんか筆をねじ込んだようにしてあるのを見ると、「やりすぎな人・・・(^_^;」とも思います。エピソードも色々あるので、文字からどんな人か想像したうえで検索してみると面白いと思います。

パソコンなどのIT機器類が普及して文字を書くことが減ったのは残念です。私も今年書いた手紙は何通かしらん。人が本を読んだり字を書いたりしなくなることはないとは思うけれどねぇ。