桐島、部活やめるってよ

映画部いいな~、やっぱり映画部だなぁ(笑)。
ぎゅうぎゅう詰めの部室(^o^)。全員男子(む~ン)。

金曜日の出来事は、ジグソーパズルみたい。学校って仲の良い者同士がつるむことが多いから、その仲間同士の単位で一つのピースになっていて、ピースごとにカメラを向けた感じだ。映画部、バレー部、バトミントン部、吹奏楽部、帰宅部などに小分けにされた登場人物が、時空間を共にするときがある。それがピースのつなぎ目というわけだ。
学校という閉じられた空間が、更に閉じられた仲間同士の時空間に切り取られバラバラと提示(映写)される。朝礼から下校までの金曜日が終わったとき、(脳内で)パズルが完成して気持ちよかった。それと同時に、これからどうなるの?という強い好奇心も感じた。

土曜、日曜、月曜、そして火曜へと時間が経過するにつれて、個々の登場人物の掘り下げがある。仲間であっても一人一人違う。それぞれの人物が、なかなかに説得力があるというか、身に覚えがあるというか、身に覚えが全くなくてもわかるというか、校内青春物語なのである。バレー部の小泉君の「限界なんだよー!」という魂の叫びや、才能はあっても無目的、何をすればいいのかわからない宏樹の棒立ちぶりなど、特に印象に残った。

そして、雪崩を打って屋上へ駆け上がるクライマックス。吹奏楽部の演奏が盛り上げる(笑)。全体的にクリアーでしっとりと落ち着きのある青味がかった映像なのだが、この屋上のシーンは(前田君がドキュメンタリーを脳内変換したゾンビ映画も)夕映えの赤だ。なんだか切なく美しい。

とりとめのない青春。卒業すれば、実社会青春物語が始まるのだけれど。

映画部:前田(神木隆之介)/武文(前野朋哉)
バトミントン部:かすみ(橋本愛)/実果(清水くるみ)
バレー部:小泉(大賀)
吹奏楽部:部長(大後寿々花)
野球部:宏樹(東出昌大)/キャプテン(高橋周平)
帰宅部:梨紗(山本美月)/沙奈(松岡茉優)

主題歌:高橋優「陽はまた昇る」
監督:吉田大八
(2012/08/11 TOHOシネマズ高知3)

ル・アーヴルの靴みがき

エンドクレジットをみながら、なんか、しみじみしてしまった。この感慨は、長年カウリスマキ作品を観てきたご褒美のような気がした。
これまで彼の作品は、自殺、失業、失敗、記憶喪失など人生の不運に対照させる形で、人々のささやかな幸せを描いてきた。幸せというのは、仕事の後のひとっ風呂であったり、一輪の花だったり、困った人を助けたりすることだった。そして、何より愛する人が傍にいるということだった。不運に見舞われ、お金がなければないほど、その幸せは引き立った。禍福はあざなえる縄のごとしとは言うけれど、必ずしも交互に来るものではない。これまで不運続きの人々を描いてきた彼が、今回は珍しく幸運の重なりを描いている。でも、そこでも何が幸せかにブレはない。「生きてくれて、ありがとう」、セリフにないそんな言葉も聞こえてくる。いや、幸せは増えたのかもしれない。気の置けないご近所さんも幸せの一つだ。それと、もう一つ。これまでよく描かれたためしがない役人の類だったけれど、今回はすごくいい役回りをもらっている。カウリスマキ、酒を酌み交わせる役人の友だちでも出来たかな?

マルセル・マルクス(アンドレ・ウィルム)/アルレッティ(カティ・オウティネン)/モネ警視(ジャン=ピエール・ダルッサン)/イドリッサ(ブロンダン・ミゲル)

LE HAVRE
監督:アキ・カウリスマキ
(こうちコミュニティシネマ 2012/07/28 喫茶メフィストフェレス)

エイトレンジャー

『グスコーブドリの伝記』と同じくらい楽しみにしていた『エイトレンジャー』。初日の初回上映に行ってきた。きっと私が長老だと思ったら、やっぱり長老だった(^m^)。しかし、母子連れがけっこう来ていたので、私一人が著しく平均年齢を上げているわけではなかった。

で、楽しかった!笑った。ファンは満足ではないだろか。
関ジャニ∞のみんな、おっさん顔~(^Q^)。
こんなん、十代の女の子が笑うん????という私のドキドキ心配をよそに、一部下ネタを含むおっさん的笑いをビシバシさらりと取っていた。館ひろしもベッキーもよかった。
ただし、演出がダメダメ。カットが間延びしている。なんで、ポンポンとつながんの?というところが何カ所もあった。
それと、2030年代の日本が舞台で、スカイ・ツリーが八つあって、小さな政府、格差社会、硫酸の海のお堀と設定が面白そうなのに活かせてないのは残念。続編があるような終わり方に見えたけど、続編を作るならファン以外のお客さんも楽しめるレベルにしてほしい。せっかく笑いが取れるアイドルなんだから~。

横峯誠(横山裕)/渋沢薫(渋谷すばる)/村岡雄貴(村上信五)/丸之内正悟(丸山隆平)/安原俊(安田章大)/錦野徹朗(錦戸亮)/大川良介(大倉忠義)/キャプテン・シルバー(館ひろし)/鬼頭桃子(ベッキー)

監督:堤幸彦
(2012/07/28 TOHOシネマズ高知7)

BRAVE HEARTS 海猿

遅ればせながら第三作目から海猿のファンとなった。前作のスケール感そのままに、仙崎大輔(伊藤英明)と吉岡哲也(佐藤隆太)のボケと突っ込みも健在(笑)。環菜(加藤あい)の取って付けたような現代社会に対する不安ぶりも、矢部美香(仲里依紗)が吉岡のプロポーズを断った理由も許せるし、嶋(伊原剛志)みたいなカッチョイイ上司が登場したり、瞳キラキラの後輩、服部(三浦翔平)の出番もちゃんとあって、どんなに現実味のないベタな展開であっても満足満足。この調子で仙崎が下川(時任三郎)のポジションになるまでの長いスパンで作り続けるのもいいではないか。いろいろ、ドラマができそうに思う。

ところで、母のリクエストで観に行ったので、内心これくらいのできなら「よかったねぇ」という答えであろうと期待して感想をたずねたら・・・・・、

久々にネタバレ警告

gamera
ネタバレ注意

久々にネタバレ警告
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「一人くらい死んでもよかった」
ということだった。
あれだけの大人数が遭難して全員助かるのは現実味がないとのこと。ハラハラするところがなかったと言うので、「でも、もう死んだと思うところがあったろう?」と言うと、
「うん。これ、これ!と思うた」
とのことだった(爆)。

監督:羽住英一郎
(2012/07/27 TOHOシネマズ高知5)