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■かるかん>アバウト・ア・ボーイ|日本鬼子|父よ
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アバウト・ア・ボーイ
心配は愛。これが孤島の掛け橋。
About a Boy
監督&脚本:ポール&クリス・ワイツ
ウィル:ヒュー・グラント|マーカス:ニコラス・ホルト|母:トニ・コレット|レイチェル:レイチェル・ワイズ

うん、ちゃんと笑えました。おもしろいです。

イギリスが舞台で日常の出来事を描いた作品は、ややもするとこじんまりと小さくまとまりそうですが、ワイドスクリーンにした心意気が嬉しいです。ワイドスクリーンならではと感じられるショットは、ちょっと思い出せないものの、画面がスカスカしておらず、ウィルの部屋やマーカスのアパート、レイチェルの家、シングルペアレントの会、学校やスーパーなどの屋内の様子がワイドスクリーンの中でそれぞれ生きていてよいと思いました。

マーカス役の男の子がきれいです。声も顔も美少年。彼の瑞々しさに比べるとヒュー・グラントは、いささか乾燥気味。
役柄もそのとおりで、マーカス少年が心配事や悩み事を抱えながらも瑞々しい感性で健気に生きている一方、ウィルは人と深い関わりを持ちたくない独身貴族。自他共に認める空っぽ人間なので、かなり干からびています(笑)。この二人の対比がおもしろいですね〜。

それにしてもヒュー・グラント、深みに欠ける役をやらせたらうまいです。深みに欠けたって人間だから、いろんな感情があるわけでして。
感動したのは、ウィルがスーパーで父親の幻を見るシーン。このときのウィルの複雑な思い(父の心の内を想像し、父への対応を後悔した)は、一瞬だったけれど大変印象に残るシーンで、ヒュー・グラントの名演だと思いました。

高知東宝2 2002/09/15


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日本鬼子(リーベンクイズ)
日中15年戦争、元兵士の証言
監督:松井稔

「8月15日の靖国近辺は、あんな状態になってるのか〜!」とつかみはオッケー。証言する人や証言の内容はいうまでもなく、構成や編集までもが見事なドキュメンタリーの一級品です。

それにしても、いや〜、覚悟はしていたけれど、また、一部はこれまで読んだり聞いたりしていた話だったけれど、身に堪えました。かなり具体的な証言です。
それから、知らなかったことがたくさんありました。だいたい、真珠湾から始まる太平洋戦争に比べて、満州事変から始まる日中戦争をほとんど知らなかったのですね〜、わたくし。
この映画は、時系列に沿って戦争の局面及び情勢をナレーションしてくれるのです。ナレーションが「ファン・カー・ゴ」ほどではないにしろ、けっこう早いのは、かったるくなくてよかったですね。「おいおい、待ってくれぇ。」とも思いましたが(笑)。
「うううう」とうめきたくなる話が続くので、「耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び」の声を聞くと、「やっと、終戦だぁ〜!」とほっとしたのも束の間。なんと、中国の教錬所で自分のやったことを反省してから帰国した兵士が、どんな目にあったか聞いてやってくださいよ。「ここがひどいよ日本人」
意外だったのは、証言する元兵士の皆さんが、さばさばと明るいということです。もちろん、明るいばかりで済まない部分もありますが、私が言いたいのは、この証言が「告白」とか「懺悔」の類ではないということです。だったら何なのかというと、話が長くなるので省略します(^_^;。

私はこれまで戦争がどんなものか、空襲の話とか飢えの話とか満州から引き上げるときの話とかを経験者から直接聴きました。でも、元兵士の話は聴いたことがありませんでした。『日本鬼子』は、その穴を埋めてくれる映画であったと思います。
火事がどんなものかわかっている(想像がつく)から火の用心するわけですが、戦争がどんなものか知るには、火事よりもっと広範囲の情報が必要ですよね。戦争用心、火の用心ってことで、これからも出来るだけ(気の進むだけ(^_^;)戦争を間接的に知っていきたいと思います。直接的に知るのは遠慮したいですなぁ。

(最近思っていることですが、改めて思ったこと。→もしかしたら、私は日本よりアメリカの近代史の方を知っているかも。アメリカ映画の影響はやはりすごいです。日本映画も歴史的背景のくっきりしたものを、もっとたくさん作ってほしいですね。その点、篠田正浩監督が撮影中の『スパイ・ゾルゲ』に期待しています。)

『日本鬼子』を見る会 自由民権記念館 2002/09/18


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父よ
親の心、子知らず。知って捧げる映画の愛深し。
Mon Pere
監督・原作・脚本:ジョゼ・ジョヴァンニ
ブリュノ・クレメール|ヴァンサン・ルクール

主役から脇役まですごくいい顔の俳優がそろっています。それだけでも一見の価値ありですが、お話も感動的です。
死刑を宣告された息子を何とか救おうと奮闘する父親。息子は父親が大嫌いで、父の思いなどまったく知りません。まさに親の心子知らず。
そんなに立派なお父さんじゃないんですけどね。何せ仕事は賭博で、身上潰していますから。でも、どんなに息子に嫌われていても息子を思う気持ちは変わりません。
そういう父親の思いを息子が知るとき、また、知ってどうしたか。なかなかよいお話でした。

淀川長治さんが、映画の中で娼婦が悪役になることはないと言っていましたが、この映画でもとてもいい娼婦が出てきていました。

あたご劇場 2002/09/20


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