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■かるかん>阿修羅城の瞳|香港国際警察
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阿修羅城の瞳
鬼心中
監督:滝田洋二郎|原作:中島かずき(2005年/日本/分)
病葉出門(いずも):市川染五郎|つばき:宮沢りえ|美惨(びざん):樋口可南子|邪空(じゃくう):渡部篤郎|笑死(えみし):韓英恵|四世鶴屋南北:小日向文世

「恋をすると鬼になって相手を殺してしまう」という触れ込みの映画だから、鬼になる葛藤やさぞかしと期待していたのですが、そこのところは期待はずれでした。主役の二人は、もっともっと相手を恋しく思わないと、盛り上がりに欠けるのであります。
しかしながら、『陰陽師』くらいには面白かったです。笑える台詞回し、派手なCG、四世鶴屋南北のキャラクター、劇中劇での歌舞伎のワンシーン、役者の魅力。そういう要素が、この映画を楽しくさせてくれました。

染五郎は、役柄上、女好きーっていうような軟派な顔がほとんどでしたが、どんな格好をしても様になってカッコいいです。ちゃんと真面目な顔もできるので(あたりまえー)、秋に公開予定の『蝉しぐれ』が楽しみ。
りえちゃんは、鬼にしては可愛すぎ。
私は、樋口可南子の貫禄、美しさが、怖くて好みです〜!

美惨は、人間界を征服(鬼の世界に)しようとしていたみたいですが、そうまでせずとも、この世は既に鬼ばかり。
鬼退治をする鬼帝の方が鬼のようだし、鶴屋南北も戯作のためには鬼にもなります。わざわざ鬼の世界にする必要は、まったくなし。

●ネタバレ感想(この映画のテーマとは関係のない話)
南北は、目にしたものしか芝居にしないと言っていましたが、そんなんで戯作者が務まるのかなあ?
『阿修羅城の瞳』の原作者は劇団新感線の人だそうですが、原作者も目にしたものしか芝居にしないのでありましょうか?
それとも原作者は、「四谷怪談」も「桜姫」も南北が目にしたもの、即ち人間の実際の姿を描いた作品だと言いたかったのでしょうか?
人間の業をおどろおどろしく書いた鶴屋南北の人と作品に俄然興味がわいてきました。

高知松竹ピカデリー2 2005/4/17


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香港国際警察 NEW POLICE STORY
情けは人のためならず ハートフル・アクション
新警察故事
監督:ペニー・チャン(2004年/香港/124分)
チャン警部:ジャッキー・チェン|シウホン:ニコラス・ツェー|ジョー:ダニエル・ウー|ホーイー:チャーリー・ヤン|ササ:シャーリーン・チョイ|スー:ココ・チャン|サム刑事:デイヴ・ウォン

これは面白いです!アクションは、すごいですよー!何度息を呑んだことでしょう。
アクションだけではありません。感情面でもノックアウト。
アクション映画を見て主人公といっしょに悔し涙をこぼしたり、うれし泣きしたりって滅多にありませんが、『新警察故事』よ、やるじゃないですか(拍手)。

犯罪者に負けて自信喪失、酒びたりの日々。そこから立ち直って……、と王道パターンに嵌っていますが、その負け具合が半端じゃありません。もう、こてんぱん。精神ボロボロ。この主人公の痛めつけ具合、マカロニウエスタンも負けますね。
ジャッキーの心痛の極みという表情は、おどろくほど深みがあって、私は俳優としてのジャッキーにも感嘆いたしました。
そこへ、天使のような若者登場。ニコラス・ツェー、瞳キラキラッ!ジャッキーとのコントラストが効いて、いいコンビです。(『踊る大走査線』の織田裕二みたいなコートを着ているのもおもしろい。)

犯罪者について。
犯罪の手口が心理的に残忍なうえ、何よりも殺しをゲームとして楽しんでいることに、むかつきを覚えました。
ところがですねえ、この犯罪者が犯罪に走る理由がわかって、ちょっと同情してしまいました。がーん。
これって、火曜サスペンスみたいですね。火曜サスペンスって犯人側に必ずドラマがあって、単純な勧善懲悪には終わりません。
『新警察故事』でも、類型的ではあるけれど、犯人側にちょっとしたドラマがあって、それが一つの見応えとなっております。

ジャッキーの映画ではおなじみ、ラスト・クレジットのNG集。いつもは、そんなに頑張らんでも(娯楽に命を賭けるなよ)と胸が痛くなるようなシーンがあるのですが、今回は「いててて」というシーンの他に「ちゃんと安全な方法でやってるー」と胸をなでおろせるシーンが含まれていました。どうやって撮影したんだろうと思っていたシーンだし、こういうNG集(というかメイキング)なら、よかよか。大満足の映画でした。

高知東宝3 2005/4/17


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