感動しました！泣けました。
ルーカス監督の演出も、おもちゃが常に背景を飛んでいるような絵作りも気に入ってはおりませんが、ドラマチックな展開には心から拍手。
私は、『ジェダイの帰還（復讐）』からリアルタイムで見始めた遅れてきたファンですが、『スター・ウォーズ』シリーズの何が面白いかって、スピード感、ライトセーバーでの剣戟、理力の精神性（主人公の葛藤）です。そういう話をし始めたら止まりそうにありません。
そうそう、『スター・ウォーズ』を見るときのワクワク感は、ジョン・ウィリアムズの音楽によるところが大きいですよね。ワクワク感だけじゃなく、いろんな感情を盛り上げてくれる素晴らしい音楽。ウィリアムズさん、ありがとうございました。

●ネタバレ感想

善悪というのは、複雑なものですね〜。白と黒のようにハッキリしていません。悪人は善人の顔をして近づいてくるし。
悪人が悪を行っても悲劇にはなりませんが、善人が悪を行うから悲劇なんです。愛するパドメを救おうと必死のアナキン。その心の隙を衝かれたとて、誰が彼を責められましょう。
しかし、その代償は凄まじかった。ジェダイばかりか幼いパダワンまでも虐殺（アナキンの涙は、その代償でしょう）。瀕死の大火傷を負ったことより、そうまでしてもパドメを救えなかったことの悲痛。（それより前に、あれほどパドメ救うことに必死になっていたのに、彼女に裏切られたと思い込み○○するとは！私は、その恐ろしさと悲しさに全身総毛立ちました。）
アナキンの行動は、自己過信も迷いも性急さも、若気の至りというか青春の過ちというか・・・・。いいですねえ！青の炎！

そういう若者を指導する師匠の役割は重要なのですが、『エピ２』のときから頼りない師匠オビ・ワン・ケノービ（とほほほ）。弟子になめられてどうするよ。「師匠失格」とは言いたくないし、オビ・ワンも初めての弟子が自分より強い理力を持っていちゃやりにくいよね、とかばいたい。火山惑星で死闘の果てに「選ばれた者だったのに」と泣き叫ぶオビ・ワンに、もらい泣きしたし〜。
愛するアナキンをダースベーダーに殺されオビ・ワン。その原因の一端は、師匠としての己の力不足にもあったわけで、二重の悲しみがオビ・ワンを襲うのであります。そんなわけで、ラストでは、あの明るかったオビ・ワンに翳りができています。
わたくし的には、「ああ、これでアレック・ギネスのオビ・ワンにつながるぅ！」と、シリーズを見てきた者の感動に包まれたのでありました。

ノンストップ・アクション、いいですね〜！全編追いかけっこです。カーチェイスシーンでは眠くなるという奇癖を持つ私でも、全然眠くなりませんでした。
それとユアン・マクレガー、見るとやっぱり好き。相変わらず、チャーミング。スカーレット・ヨハンソンは、ハスキー・ボイスがよろしいですね〜。
悪役ショーン・ビーン、お笑い提供スティーヴン・ブシェミ、追跡者ジャイモン・フンスーと役者はそろっています。
クローン技術により発注者のスペアを作り、発注者に事故（病気）があったときは、スペアを殺して臓器を移植するというお話です。見る前は、なぜ、臓器だけのクローンを作らないのか疑問でしたが、本編の中でちゃんと説明されておりました。
性欲、ジェンダー、科学の進歩と全能感、利潤追求、企業の法令違反、人権などの、見ていて自然と浮かんでくるキーワードに前頭葉をチクチクされながらも、深く考え込まされることはなく、見応えのある娯楽映画でした。