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■かるかん>ブロークバック・マウンテン|クラッシュ
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ブロークバック・マウンテン
ボディブロークバック・マウンテン
BROKEBACK MOUNTAIN
監督:アン・リー|原作:アニー・プルー(2005年/アメリカ/134分)
イニス・デルマー:ヒース・レジャー|ジャック・ツイスト:ジェイク・ギレンホール|アルマ:ミシェル・ウィリアムズ|ラリーン:アン・ハサウェイ|ジョー・アギーレ:ランディ・クエイド

う〜ん、微妙〜。静謐な演出のせいか、全編、寂しさの漂う映画で、胸にスースーと冷たい風が吹くような、しめやかな感慨があったものの、大きく心を動かされると言うほどのものではなく、やはり、恋愛映画は私には鬼門か……。と思っていましたが、感想を書くために反芻すると、けっこう感動していたのかな?

●ネタバレ感想

山頂での二人の様子を観ての感想は、「(役者が)若いっていいわね、景色もいいし」くらいのものでしたが、山を降りてからが胸が痛みました。
特にジャック。みんな、ジャックを見る目が冷たいです。争いが嫌いで、陽気だけど控えめなタイプのジャックは、見くだされているのです。弱い者には強く出る人って、いっぱいいるからね〜。カウボーイは、買ってでも喧嘩するような男らしさをよしとされているでしょうから、「お前、それでも男?」という感じで見られるのですね。義父なんか、本当に彼をバカにしていますもん。息子が誕生したとき、妻とその両親の喜びの輪に加われず、戸口で寂しい笑いをもらすジャックに泣けました。(注:涙は出ていません。)
イニスの方も、お仕事も子育ても大変ですわね。
このように「山頂=楽園」、「下界=世俗」ということになっておりまして、世俗から逃避し、安らぎを得たい二人は、どうしてもブロークバック・マウンテンに想いを馳せてしまうのでしょう。お互い好きあったまま別れたわけですし。まさに「会えない時間が〜、愛育てるのさー」という感じで、山を思い出すたびに思いは募ったのだと思います。

この映画で最も強く印象に残ったのは、イニスが「お前のおかげで負け犬だ」と泣いたシーンです。抑えようとしても抑え切れない感情の噴出に、胸を抉られる思いがしました。
イニスは、努めて喧嘩っ早く、強さを誇示することによって、自分の男らしさを演出しています。(本来は末っ子の甘えん坊じゃないかなぁ。)「男たるもの斯くあるべし」という思いから逃れられず、そのうえ、同性愛者は男じゃないという刷り込みがあるものだから、ジャックを好きになったことの負い目は尋常ではありません。
自分自身を受け入れられない人間は脆いです。この「負け犬」発言のシーンは、イニスの脆さが表面に出たシーンで、さっきまでイニスをなじっていたジャックが、「ごめん、ごめん。いいんだ。」と言って、イニスを抱くのが泣けます。(注:涙は出ていません。)
山を降りることになって拗ねたり、ジャックと別れてから嗚咽したり、イニスってば、そんなにもジャックといっしょにいたかったのですね。でも、彼は自分の心を殺しすぎています。心の不自由さの痛みが伝わってきます。
彼の心が不自由なのはなぜでしょう。大部分は父親のせいかなぁ。「男たるもの斯くあるべし」と教えたのは、父親でしょう。その父親も下界で暮しているから、そういう考え方になったのでしょう。ああ、やっぱり、お山はいいなあ!と私でも思う(笑)。

その他、思ったことを簡単に。
ジャックの死後、彼を忘れないと誓ったイニスは、もう脆いイニスではないかも。
ジャックの理不尽な死因を思うと哀しいです。怒りよりも哀しみを感じるのは、演出のせいだと思います。イニスがジャックの理不尽な死を受け入れているのは、キリスト教より仏教っぽいですね。理由はないけど、なんとなく(笑)。
イニスの妻アルマが、洗濯板で洗濯しているのにビックリ。子供が生まれていたから、1960年代の中頃ですよね。アメリカって日本より電化が早かったと思っていましたが、田舎では日本と大差なかったのですね。

TOHOシネマズ高知8 2006/4/9
 
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クラッシュ
ぶつかりあって凹むことなかれ
CRASH
監督:ポール・ハギス(2004年/アメリカ/112分)
サンドラ・ブロック|グラハム:ドン・チードル|マット・ディロン|グラハムの相棒:ジェニファー・エスポジト|グラハムと取引:ウィリアム・フィットナー|ディレクター:テレンス・ハワード|ディレクターの妻:サンディ・ニュートン|警官:ライアン・フィリップ|便利屋:マイケル・ペニャ|雑貨屋店主:ショーン・トーブ|イナ・ゲイ(アンジェラ・バセットと思っていた)|医療福祉相談役:ロレッタ・ディヴァイン|看護婦:バハー・スーメク

感動しました!!!2時間弱にぎゅうぎゅうびっちりと、うまいこと詰め込みましたね。主人公が多いので山場も多いです。そのため、憤怒に身を震わせたり、びっくりして心臓が止まるかと思ったり、悲しくて泣いたり、嬉しくて泣いたり、観客として忙しかったです。
いやはや、アメリカ映画は、役者の宝庫ですわ。中でもドン・チードル!素晴らしい!!!特に母がらみのシーンの上手さ(拍手)。
人と人とのぶつかり合いは、凹むことが多いですが、人種や民族が異なると「増してや」という感じ。
人種はわかっても民族は外見だけではわかりませんよね〜。ここまで多くの人種、民族を登場させられると、アメリカって大変ね〜と他人事のように思いましたが、考えてみると人と人とのぶつかり合いは、アメリカに限ったことではありませぬ。
車はぶつかったら凹みっぱなしですが、人と人はマット・ディロンとサンディ・ニュートンのように有機的反応に変化がある可能性があると思われます。
その他、思ったことを簡単に。
善人と悪人に別れるのではなく、一人の人間が善悪を合わせ持つ。職場と私生活では、異なる顔を持つ。人間万事塞翁が馬。

TOHOシネマズ高知8 2006/4/9
 
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