ホームへ
・映画情報→ ・上映中&予定 ・カレンダー ・グループ ・ピックアップ
・趣   味→ ・くりからもんもん ・鬼の対談 ・ベスト・キャラ ・かるかん
 
■かるかん>宮廷画家ゴヤは見た|イーグル・アイ
[←もどる] [すすむ→]
   
宮廷画家ゴヤは見た
ゴヤの定点観測

邦題がよいですねぇ!「家政婦は見た」・・・・みたいな(笑)。
実際、この映画の作り手(監督はミロス・フォアマン)は、ロココからロマン派にかけての絵画の巨匠ゴヤ(ステラン・スカルスガルド)を、まるで家政婦のような一般市民として描いています。

異端審問官に娘イネス(ナタリー・ポートマン)を捕らわれた商人が、王様のお抱え絵師のゴヤに何とか口を利いてもうらおうと頼ってきますが、「いや〜、私にはそんな力はないですよ」と消極的。かといって、むげに断るわけでなく、異端審問を指揮するロレンソ神父(ハビエル・バルデム)を紹介します。何事にも当たり障りのないように対処し、自らは矢表に立つことはなく、ヒーローとはほど遠い人物です。おまけに、偉い人には腰を低く保ち、王様の下手くそなヴァイオリンにも「素晴らしい!」と明らかなゴマすり。この辺の小市民ぶりには親近感が湧きますねぇ(笑)。
しかーし、映画のタイトルロールになる人物は、やはり尋常ならざるところがあるのです。それは、見たまんまにしか描けないということ。

馬上の王妃の絵が完成したとき、傍の者が「ちょっと醜くないですか(こんなに醜く描いて大丈夫?)」と言うのですが、ゴヤはその醜さに気づきません。「実物どおり、これ即ち美しい」と思っているゴヤは、なぜ、王妃が絵を見るなり一言も発せず去って行ったのかわかりません。仮にゴヤが醜いと認識していたら、王のヴァイオリンにゴマをすったように王妃の顔にもゴマすりの筆を入れるでしょう。醜い王妃をありのままに描いたことを、信念を貫く英雄的行為ではなく、一般ピープルとの美意識のズレとしたところが面白いです。
映画の冒頭で僧侶たちが、ゴヤが描いた悪徳坊主の絵を「ウソばっかり描いて」と口々に批判していましたが、作り手は、ゴヤは見たままを描いているのだと言っていると思います。特に「黒い絵」と言われる人間の残忍さなどを描いた絵は、醜いけれどありのままだと。ゴヤの目から見れば、その醜さとイネスの肖像の美しさは等価値だということでしょう。

ロレンソ神父は、神様いのちのキリスト教徒からフランス革命万歳の軍人(?)へと転身します(スペインを出国後、フランス軍と共に母国に進駐します)。彼は時代の波に乗っていたと言えると思います。ゴヤは転身こそしませんが、時代の流れに逆らいません。二人とも流されていて「自分というものがないなぁ」と思いながら観ていました。
ところが、ロレンソは最期に臨んで自分を貫きました。教会に戻るよう改心の機会を与えられましたが、拒否して処刑されたのです。私は、また転身するだろうと思っていたので、意外に思うと同時に偉いな〜と思いました。ちっとも英雄には見えないけど、英雄的行為やね〜、ゴヤと違うね〜と。
でも、ゴヤも捨てたものではありません。ロレンソとゴヤは別々の船で流されていて、ロレンソは乗り替えた船が攻撃され、逃げずに戦い沈没しましたが、ゴヤは敵を作らず攻撃も受けず、小さいけれど一つの船に乗り続け、そこから見えるものを描きまくりました。ゴヤも流されているものだから、つい「自分というものがないなぁ」と思ったのでしたが、彼は自前の船に乗っていたのです。

原題の「GOYA'S GHOSTS」とは、映画の始めの方に出てくる顔のない肖像画のことでしょうか。ghostが複数形だから、あの肖像画だけを指しているのではなくて、ゴヤの描いた絵のこと(特に「黒い絵」)をghostと言っているのでしょうか。原題も顔のない肖像画も何を意味しているのかわからないのですが、顔のない肖像画については、「歴史上の人物としては顔を持たない一般市民として(英雄的行為皆無)のゴヤだ」と受け止めています。映画の最後はゴヤの自画像で締めくくられるんですけどね〜。顔、あるやん(笑)!

TOHOシネマズ高知3 2008/10/19
 
[うえ↑]
   
イーグル・アイ
わけもわからず言いなりアクション
監督:D・J・カルーソー|脚本:ダン・マクダーモット、ジョン・グレン、トラヴィス・アダム・ライト、ヒラリー・サイツ|製作総指揮:スピルバーグ

いや〜、なかなか面白かったです〜!何が面白いかって、事件の動機。ネタバレになるのですが・・・・・・・・・・・・・・・・・・、
「現アメリカ政権を担う大統領を始めとする幹部は、誤爆によって他国の市民を平気で殺すから、その報復としてアメリカ国民が狙われることになるのだ、国民のためにならない政府はぶっ潰せと合衆国憲法にあるからぶっ潰す」と言って○○が××するのです。わはははは(拍手)。これは監督と脚本を調べておかねば。

主人公が、バツイチ子持ち(ミシェル・モナハン)とぼんぼん(シャイア・ラブーフ)という組み合わせも新鮮でした。

間借り人の映画日誌『イーグル・アイ』でヤマちゃんとの往復書簡を公開していますので、こちらも是非ご覧ください。(ただし、ネタバレ全開なのでご注意を!読んでから見る場合は、読んだことを忘れた頃に観てね〜。)

TOHOシネマズ高知6 2008/10/19
 
[うえ↑]
ホームサイトマップサイト内検索リンク自由|byお茶屋(連絡先)