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■かるかん>この自由な世界で|007 慰めの報酬
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この自由な世界で
手を取り合うべき者同士が
監督:ケン・ローチ/イギリス、イタリア、ドイツ、スペイン/2007年/96分

労働者派遣事業を営むことにしたアンジー(カーストン・ウェアリング)は、よくこういう人物を主人公にしたなーと思えるくらいの悪事を働くけれど、悪人として描かれていない。カロル(レズワフ・ジュリック)に対しては誠実だし、ラストシーンは良心が痛んでいる表情だったし、ジェイミー(ジョー・シフリート)にとっては大好きな母親だ。(ジェイミーが、母親の悪口を言った相手に怪我をさせ、反省を迫られたとき、「もうしない。今度はあごの骨を折ってやる」って(笑)。こういう台詞を書くポール・ラバティが大好きだ(^Q^)。可愛くて泣かせる男の子だったな〜。リアム@「スイート・シックスティーン」のとんでもじいちゃんとは違う、優しいじいちゃんがいてよかったね。このじいちゃん、アンジーにとっての父だけど、父に移民労働者のピンハネしていることを非難されてアンジーが言う「父さんの時代とは違うのよ」という台詞も胸に刺さった。小学校で「ゆりかごから墓場まで」社会保障が充実した国だと習ったのにねぇ。)
働き者で才覚も度胸もある、そんなアンジーだから悪事も働けたといえる。友だちのローズ(ジュリエット・エリス)との対比が効いている。「働き者で才覚も度胸もある」のは、通常ならプラスの特性だと思うけど、それが裏目になる世の中ってなんだかねぇ。彼女の転落がセクハラ上司をはねつけたことから始まったのも、なんだかとっても何だかねぇ。
あのままだと、おしまいには刑務所行きだろうけど、刑務所に入らずとも報いは十分受けているような気がする。シングルマザーという社会的に弱い立場の者が、移民労働者という更に弱い者を食い物にするという図式が、借金の返済に困って振り込め詐欺の「引き出し屋」を務めて逮捕された若者にも当てはまるのかもしれないと思ったことだった。

シネマ・サンライズ 高知県立美術館ホール 2009/2/25
 
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007 慰めの報酬
カミーユを慰めることで自分も私怨を乗り越えたってこと?
監督:マーク・フォースター/イギリス、アメリカ/2008年/106分

陸海空の乗り物を駆使した激しいアクション。細かいカットの連続。肉体派ジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)を追うには、私の動体視力は弱かった(とほほ)。しかーも、細かいエピソードがずいぶんあって、話を追うにはオツムの方も弱かった(たはは)。「必然性のないエピソードでしょう」と突っ込みたい気持ちはあるけれど、話を追えてないから突っ込めず。「カジノ・ロワイヤル」の続編とかで楽しみにしていたけれど、前編をすっかり忘れているからして、何がなにやら。まあ、前編で初めて殺しに関わったヴェスパー(エヴァ・グリーン)が、膝を抱えてシャワーに打たれていたシーンを覚えていれば、炎の中、膝を抱えたカミーユ(オルガ・キュリレンコ)に対するボンドの気持ちが想像できて台詞なしでも(ないからこそ)感慨深いものがあった。でも、ドミニク・グリーン(マチュー・アマルリック)は、鼻血も目血も出さず残念。せめてオイルを口から垂らしてほしかった(笑)。全体的にがむしゃらボンドは前編そのままに、恋愛などの情感シーンはなくなり、マティス(ジャンカルロ・ジャンニーニ)を殺されても涼しい顔でスパイらしくなったなぁ(笑)。今作でもっとも面白かったのは、M(ジュディ・デンチ)との信頼関係。組織内に敵がいたものだから、言うことを聴かず勝手な行動ばかりのボンドも疑われていたけれど、Mはヴェスパーのことでボンドが私怨を晴らすため無茶をやらかしているのではと心配したり、「彼を信じるわ」と宣言したり。そして、ラストに再会して・・・・。う〜ん、これもなかなか感慨深かった。
前編からするとかなり感情を抑えたボンドだったような気がするし、今後も1作ごとにスパイらしく成長していって、Mともあうんの呼吸が出来ていくのかなぁ。やっぱり、クレイグ・ボンドはこれからも楽しみだ。

TOHOシネマズ高知6 2009/1/18
 
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