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■かるかん>告白|プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂
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告白
松たか子
監督:中島哲也/日本/2010年/106分

予告編を見て後味が悪そうだからパスするつもりだったけれど、原作を読んだ人が「映画化するのは無理に思えた」と言うので、「そんな原作をどんな映画に?」というか「いったいどんな原作なのか?」と疑問が湧いて、原作に当たらず映画を観た。観てみると後味は悪くなかった。これは話と人物像に現実味がないのが吉と出たと思う。現実味のある人物は、森口悠子(松たか子)と北原美月(橋本愛)くらいで、渡辺修哉(西井幸人)もその母(木村佳乃)も熱血教師(岡田将生)もなかなかにオーバーであった。こんな話を現実味たっぷりに描かれると堪らないので、寓話的な描き方にしてくれたのがありがたい。空模様や爆発の映像など、作為的なカットも美しく、冷めた目線を維持することができたのも幸いだった。予告編では子供たちの澄んだ瞳が非常に印象的だった。メール一つに易々と扇動される様は無垢であり愚かであり残酷だ。短絡的な集団行動にむかつきを覚えたが、無垢であることが変われる(賢くなれる)可能性を秘めていて、大人の同様の行為と違って救いがあると思う。

結局、この映画は森口先生の復讐箪であったと思う。「加害者は罪を犯したという自覚を持って悔い改めよ」というのは、被害者遺族の願いだと思う。ましてや森口先生は、理想的な教師を夫にしていた教育者だ。愛するものを理不尽に奪われる苦しみがいかばかりか、どれだけ大きな罪を犯したか、澄んだ瞳の犯人に自覚してもらわなければならない。その自覚が更生の出発点なのだ。そういう思いが森口先生に全くなかったとは言えないが、「教育者として命の大切さを生徒に教えるのは当然だ」というのは自分の復讐の言い訳だとも考えただろう。夫のように正攻法で教育できればどんなにいいことか。だけど、全ての生徒に正攻法が有効ではない。これも言い訳。そんな堂々巡りの末の復讐だと思わせる松たか子だった。

TOHOシネマズ高知6 2010/6/5
 
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プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂
砂流行、イラクに続き、イランかな
監督:マイク・ニューウェル/アメリカ/2010年/117分

予告編でジェイクの「ジェ」の字も出なかったが、これまでアキバ系、文系、内向きカウボーイなどを演じてきたジェイク・ギレンホールが肉体改造して臨んだアクション映画なので勇んで観に行った。すると、ディズニーでお色気がないのが残念ながら、ダスタン(ギレンホール)とタミーナ王女(ジェマ・アータートン)の反目具合も微笑ましく、ニザム(ベン・キングスレー)はもとより、妖しい蛇遣いの魅力的な容姿など悪役の存在感はあるし、コメディリリーフに駝鳥レースのシーク・アマール(芸達者アルフレッド・モリーナ)とくれば安全牌。おまけにダスタンの戦友ビス(リース・リッチー)は『ラブリー・ボーン』でスージー・サーモンと両思いだった男の子で、今回も(お茶屋にとって)なかなか善いオーラを発していた。そして、なによりタス兄(リチャード・コイル)とガーシブ兄(トビー・ケベル)とダスタンの麗しの兄弟愛が〜〜、つぼ(笑)。特にタスのキャラが好きだ。彼は父王が拾ってきたダスタンの実力を認め愛し、父王の言うことを聴いて善い王になろうと努力していて、叔父ニザムをよい助言者だと思っていた。王位を狙っているニザムを見抜けず、おめでたいと言えばそうなんだけど、この品性を磨けば徳が高くなれそうだ。もう一組の兄弟、父王とその弟ニザムの関係を、もう少し詳しく描いてほしかった気もするけど、ディズニーだから薄味に文句は言うまい。その分、時間の砂の短剣や砂上の楼閣アクションで楽しませてもらって満足満足。ジェイク・ギレンホールは、肉体こそ変身していたものの、中身は驚くほど変わりなかった。めでたし、めでたし(?)。

TOHOシネマズ高知5 2010/6/5
 
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