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この美術展がおもしろかったことの一つが左の絵です。
上の絵は、現代からすると美しい絵ですが、当時は「画家はモデルの俗悪な外観だけを見て、無神経にありのままを再現している」などと物議をかもしたそうです。 私には、むしろ下の絵の方が扇情的で俗っぽく見えますが、神話から題材を得ているというだけで、鎖につないでも悩ましいポーズを取ってもよかったみたいです。 このように当時のヌードのとらえ方がわかったし、ヴィクトリア朝でも時代が下ると神話から生身の人間を描くようになったこともわかりました。 また、「ヌードと私的な関係」と題されたセクションでは、ヴィクトリア朝も現代もヌードというのは、性的な意味合から切っても切れぬものだと感じました。 学芸員さんの解説もおもしろく、「不思議の国のアリス」で有名なルイス・キャロルが撮った少女の写真に、「しかしこの幼いイヴリン・ハッチがティツィアーノのヴィーナスのように横たわり、髪を指に絡ませ、まるで一人前の女の目つきでカメラを真っ直ぐ見据えているのを見て、キャロルの主張に疑問を持たずにいるのは難しいのではないだろうか」というコメントには思わず肯いてしまいました。(キャロルの主張は、言わずもがななので省略。) この他、服を脱いだりする映像を当時さながらに穴から覗かせる趣向もおもしろく、絵画のみならず写真や映像にまで及んだヌード展で大変充実しておりました。 上の絵から
2004/2/29 up |
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