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■ひきだし美術展>プライスコレクション 若冲と江戸絵画
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伊藤若冲「猛虎図」
伊藤若冲「猛虎図」
 

プライスコレクション「若冲と江戸絵画」展に行ったのは、いつのことだったでありましょう。え〜、日記によりますと2006年8月6日に東京国立博物館の平成館で観ております。1年5ヶ月前のことですので、詳しい感想は忘れてしまいました。でも、書いておきたいことがあるのです。

展示の工夫
襖絵、屏風、掛軸などは、日本間で座して見るように描かれていますので、美術展などでは絵に対する目線が本来の高さになるように作品を高い位置に展示しています。そのうえ、この展覧会では、日本家屋に障子をとおして入る光を意識して照明を工夫していました。一部の作品にではありますが、夜が明けて日差しが強くなり、日が暮れて蝋燭の明かりが灯るというように照明に変化をつけていたのです。この工夫によって、一つの絵画が様々な表情を持つことがわかったし、雨の日などの見え方に思いをめぐらせたり、当時の日本間での生活を想像したりすることができました。

日本画の見方
また、1階の無料展示スペースでは「親と子のギャラリー『あなたならどう見る?ジャパニーズ・アート』」と題して、絵画の見方が提示されているのも楽しかったです。
・「近寄って見る」(ぐっと近づいて見てみよう。)
・「想像して見る」(見える部分だけでなく、描かれているのはどんな場所で、何が起こっているのかとか想像してみよう。例えば、二頭の獅子が描かれていたら、どんな話をしているのかとか。)
・「体感して見る」(立ったり座ったり斜めから見たりしてみよう。)
・「知って見る」(お約束の登場人物とか知って見ると、更に楽しいよ。)
というコンセプトで実際に本物を見ることができるようになっていました。
我ながら可笑しかったのは、森徹山の「松に鶴図」を見て、「なんや、この下手くそな絵は!ギャオスの群か?これは松に見えん!この幹は亀の甲羅か!?」と思ったら、未完成の絵だって(笑)。「あなたならこの絵をどう完成させますか?」と言って、続きが描ける絵を縮小した用紙がありました。時間があれば描いてみたかったなぁ。

若冲の絵
若冲の絵については、うえの絵葉書になった虎を見てもわかるように、毛の1本1本まで丹念に描かれています。また、非常に色彩が美しいです。円山応挙展で本物にふれてから、「なんでも鑑定団」で出てくる掛軸の真贋を見分けることが出来るようになった(?)お茶屋ですが、若冲の本物を見たことにより更に見る目ができたかも(笑)。
ただし、若冲も手抜きをすることがあるようで、描かれたアジサイがザッとしている絵もありました。と言ってもアジサイはその絵のメインではなく添え物だったので(メインは動物だったと思います)、全体のバランスからザッと描いたものかもしれません。(でも、恐れ多くも若冲さまに向かって、「アジサイ下手くそ」と突っ込んでしまいました(汗)。)
そのほか琳派のきらびやかな絵もあって大変素晴らしかったのですが、その素晴らしい絵が作者不詳なのには驚きました。

プライスさん、ありがとう
それにしても、コレクターの中には作品を独り占めにする人(あるいは大事なコレクションを他人に託せない心配性の人)もいるでしょうに、プライスさんがこうしてコレクションをたくさん貸し出してくれるのはありがたいと思いました。

 
葛蛇玉「雪中松に兎・梅に鴉図屏風」(部分)
葛蛇玉「雪中松に兎・梅に鴉図屏風」(部分)
2008/1/3
  [うえ↑]

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