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『今にして思い直す2』+マイケル・キートン


じ、実は 「今にして思い直す」がまたありました。我ながらそんなにころころ気が変って困ったもんだと思いますが、どうにも気持ちのおさまりがつきませんので書かせてください。以後、気をつけますので。
『バットマン&ロビン』を観に行ってほとんど眠ってしまったので、また観に行ったのです。そしたら別のところでまた寝てしまいました。とりあえず全部観ることはできたので、胸を張って「平凡な出来」と言えます。バットマン・シリーズはティム・バートンの手を離れ、凡百の健全ヒーローもの路線を歩んで行くのでしょう。予想していたとはいえ、くすぶる気持ちをどうにかしたくて、『バットマン』『バットマン・リターンズ』をビデオで観なおしました。そこで遅まきながら『リターンズ』は傑作だと気がついたのです。異形の身ゆえ心までひねくれたペンギンの負のパワーが、稚気あふれるさまざまな小道具でコミカルに描かれています。一方、虐げられ孤独で追いつめられたキャットウーマン=セリーナと、ネクラおたくのバットマン=ブルース・ウェインの恋が悲恋で終わる幕切れは、心にしんしんと染みてきます。クリスマスの孤独・・・・いいですねえ。よかないか(笑)。というわけで、観直したおかげで私の中で『リターンズ』の評価が今まで以上にぐーんとアップしたのでした。

ところで、主演のマイケル・キートンですが、いい俳優ですね。わたくし只今、焼け棒っくいに火状態で、昔観たものもビデオを借りてきて観まくっております。彼の魅力を一言でいうと「ベリー・キュート」です(抱きしめたい。ぎゅうぅっ!)。でもって凶暴性を秘めたところが、また、野生的な魅力になっております(抱きしめられたい。むぎゅうぅっ!)。身のこなしは喜劇俳優だけあってシャープだし、顔は悪人顔ですが目が美しく表情豊かなのでラブシーンでもまったく違和感がありません。中肉中背で何を着ても似合い、二の線から三の線まで、役の幅は広がる一方です。
私の希望としては、今までどおり小規模の心温まるコメディに出演し続けてほしいし、こんなにいい俳優だからアカデミー賞も獲得してほしい。そして、酸いも甘いも噛み分けた喜劇俳優だからこそ、陰影に富んだ役もできるだろうということで、シェークスピアの「リチャード3世」や「オセロ」のイアゴーなどを演じてほしい(←パソ通でそう言っていた人に便乗)。ケネス・ブラナーの監督で是非観てみたいです。


<<出演作紹介>>
ラブINニューヨーク(1982)
ロン・ハワード監督。死体置き場に勤める青年と売春婦のラブコメディ。マイケルは準主役。ヤンキーからモデル並みのスーツの着こなし、果てはターザン姿まで、マイケル・ファッションショー。

ビートル・ジュース(1988)
ティム・バートン監督。新米幽霊二人が、棲家に越してきた家族を追いだそうと奮闘する喜劇。マイケルはタイトルロール。喜劇役者はこう動け。女好きで口臭ありそうなビートル・ジュースを怪演。

バットマン(1989)/バットマン・リターンズ(1992)
ティム・バートン監督。大富豪でお坊ちゃまだが幼少期のトラウマから脱しきれず、屈折した凶暴性を持つ複雑なキャラクターを演じる。声の演技にも注目。

ドリームチーム(1989)
『殺したいほど愛されて』のハワード・ジーフ監督。4人の精神病(?)患者が殺人事件に巻き込まれ、ニューヨークをさまよう傑作コメディ。マイケルの魅力爆発。かわいくて凶暴。

パシフィック・ハイツ(1990)
ジョン・シュレシンジャー監督。若いカップルが、サイコとは知らず間貸ししたため、恐怖のどん底に。マイケルは悪人顔の素質と凶暴性を発揮。はまりすぎて怖いから、こういう役はやめようね(笑)。

から騒ぎ(1993)
ケネス・ブラナー監督。シェークスピアの恋の鞘当て、妬みからくる悪巧み、ひっくるめて喜劇。マイケルは道化役でアカデミー賞ものの名演。バカうけ間違いなし。ヒヒ〜ン、パッカパッカ。

マイ・ライフ(1993)
『ゴースト ニューヨークの幻』の脚本家ブルース・ジョエル・ルービンの初監督作。不治の病と知り、まだ生まれ来ぬ子どもにビデオで語りかける父親役。まじめなマイケルってハンサムなのよね。

ザ・ペーパー(1994)
ロン・ハワード監督。輝け、ニューヨークのタブロイド紙スピリッツ。ゴシップ(?)新聞紙で奮闘する記者たちを描いた人情喜劇。普通人の役だけに、出演者全員、にじみ出る人間性で勝負。

クローンズ(1997)
監督?忙しいと分身がほしくなるもの。マイケルが3人のクローンとコピー元を演じ分けるドタバタ喜劇。ちょっと無理な設定もマイケルの4役で持っています。妻への愛情あふれる瞳をご覧あれ。

以上、どれもハズレがありませんので、ビデオを2、3本借りてご覧になるときは、おつまみに頃合いかと思います。 以下の3本は未見ですが、いずれもコメディのようです。
ミスター・マム(1983)ビデオなし。/ガン・ホー(1986)ビデオのみ。ロン・ハワード作品。/マンハッタン・ミステリー 消えた黒い箱(1987)ビデオあり。

(1998年2月号)


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