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■ピックアップ>2002年オフシアターベストテン



外国映画94本
順位 映画名 主催者 観た人 × ポイント
(◎-×)
コメント
1 マルホランド・ドライブ MovieJunky 7   6 6 リンチ本領発揮!謎・仕掛けが多くて楽しめた。
2 酔っぱらった馬の時間 シネマ・サンライズ 8   6 6 実際と物語の境界のない訴求力。貧しさの力。
3 カンダハール アジア映画祭実行委員会他 7 1 6 5 この監督らしいトリッキーさ。公開のタイミングの良さ。芸術性・娯楽性・ヤマッ気・象徴性、いずれも豊か。
4 いつまでも二人で シネマ・サンライズ 7 1 5 4 音楽がよく、三人の関係が絶妙で、爽やかな後味。
5 ノー・マンズ・ランド シネマLTG 6   4 4 ブラックなシニカルさを貫き通した昇華度の高さ。
6 ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ MovieJunky 7   4 4  
7 春の日は過ぎゆく MovieJunky 4   3 3  
8 渇き 高知県立美術館 5   3 3  
9 バーバー MovieJunky 6   3 3  
10 プレッジ MovieJunky 7   3 3  
  シッピング・ニュース シネマ・サンライズ 10 3 5 3  
  ゴースト・ワールド MovieJunky 6 1 3 2  



日本映画68本
順位 映画名 主催者 観た人 × ポイント
(◎-×)
コメント
1 ハッシュ! 高知シネマクラブ 7   7 7 際立った演出力。微妙に笑えて、爽やかさが残る。
2 まぶだち シネマ・サンライズ 6   4 4 ステロタイプでない人間像と関係性の描出が鮮やか。
3 千年女優 MovieJunky 7 1 4 3 アニメの新境地を切り開いている。
4 新しい神様 高知県立美術館 3   3 3 現在を捉える力の宿ったドキュメンタリー。
5 光の雨 高知シネマクラブ 4   3 3 虚構と現実の織り交ぜ方の巧みさ。生々しさを感じるとともに、作り手のある種の誠実さにうたれた。
6 偽大学生 高知県立美術館 5   3 3  
7 みすゞ シネマ・サンライズ 9 1 3 2  
8 日本鬼子 『日本鬼子』を見る会 3   2 2  
9 忘れられぬ人々 シネマLTG 4   2 2  
10 箱−The BOX− 高知県立美術館 5   2 2  
  盲獣 高知県立美術館 6   2 2  
  青い春 MovieJunky 6   2 2  
  ショコキ! MovieJunky 5 1 2 1  
  殺し屋1 MovieJunky 5 1 2 1  


■概況
1月19日(日)に高知市本町にある朝日新聞高知支局3階会議室において、2002年高知のオフシアター・ベストテン選考会が催されました。自主上映活動をしている人や映画ファンなどの総勢10名が、午後3時から8時までの5時間を、休憩もなしに(^_^;話に花を咲かせました。
この選考会は、これまで自主上映活動をしている方々が主催していましたが、今年からは朝日新聞高知支社が主催に加わりました。そのため同社は、新聞(高知版)紙上で参加者を募り、会場を提供し、選考結果速報を20日に、詳細な情報を24日に紙上とインターネットで大きく報じました。
このように、新聞社が主催に加わったおかげで、県下の人に高知のオフシアター・ベストテンやってます(これだけの作品が上映されています)という状況を、これまで以上に知ってもらえたと思います。
結果は、上記の表のとおりです。


■ルール
選考方法は以下の1から7までのとおりです。このルールの最大の特徴は、ベストテンに入れたくない作品に対して拒否票を投じることができることです。
うえの表の◎欄はベストテンに入れたい人の数、×欄は拒否票の数、ポイント欄はベストテンに入れたい人の数から拒否票の数を差引いた数です。

1 投票権は一人10票までで、1作品1票。
2 拒否権は一人3票までで、1作品1票。
3 投票結果の得票数を見た後、拒否権を使いたい人がマイナス票を投票する。
4 得票数とマイナス票数の差引きポイントで順位を決める。
5 ポイントが同点の場合は、得票数の多い作品を上位とする。
6 ポイントも得票数も同じ場合は、見た人の少ない作品を上位とする。
7 投票前に推薦や批判の自由討議をする。


■順位について
外国映画の第1位争いは、熾烈でした。
『マルホランド・ドライブ』『カンダハール』『酔っぱらった馬の時間』の3本が、ベストテンに入れたい人の数(表の◎の欄)で並んだのです。こんなときは、ルール6により、見た人が少ない作品を上位としますので、見た人が少ない『マルホランド・ドライブ』と『カンダハール』が上位になり、2本とも1位ということになります。
しかし、1位が2本って何か様にならないと思いませんか?そこで拒否権の行使です。私は、『カンダハール』に拒否票を投じて『マルホランド・ドライブ』を単独1位に押し上げました。『カンダハール』も好きな作品ですが、『酔っぱらった馬の時間』と『カンダハール』とでは『酔っぱらった馬の時間』がよいと言った人の意見も耳に残っていましたし、『カンダハール』は落ちても3位なので「許してちょんまげ」と思いながら手を挙げたのでした。
すると今度は、『カンダハール』と『いつまでも二人で』がポイント数と見た人の数が同じで並びます。それなら3位が2本になるかと思いきや、『いつまでも二人で』に拒否票が投じられ、ご覧の結果になりました。

『シッピング・ニュース』は、ベストテンに入れたい人の数が5と人気の作品でしたが、『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』のハルストレム監督の作品にしては力がないという意見があり、拒否票を3票も獲得してベストテン圏外へ落ちてしまいました。賛否が分かれた作品といえるでしょう。
なお、この作品は、外国映画及び日本映画を通じて見た人が10人と最も多いですが、これは自主上映後に一般の興行館でも上映されたためです。1日限りの自主上映を見逃した人が、市中の映画館で見ることが出来たということでしょう。

個人的には、心を揺さぶられた『渇き』『春の日は過ぎゆく』より下位になっているのが納得できませんでした。こんなことなら『渇き』に1票投じとくんだったと思っても後の祭です。かくなるうえは、『春の日は過ぎゆく』に拒否票を投じようかと思案しましたが、そうすると『春の日は過ぎゆく』が圏外になってしまうし、替わりにさっき落とされた『シッピング・ニュース』が10位に上がるし、何よりも『春の日は過ぎゆく』をベストテンにしたいと押している人(男性ばっかり(笑))の思い入れがすごかったので、さすがの私も拒否票を投じるのはヤメにしました。『渇き』は旧作でもあることだし、いかに心を揺さぶられた名作だとしても、この辺が順当かもしれません。

ところで、『春の日は過ぎゆく』が男性票ばかりを獲得したかと思えば、『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』は女性票ばっかり(笑)。なんとなく、そうやろうね〜という感じでもあり(?)可笑しかったです。

日本映画で特筆すべきは、第1位の『ハッシュ!』でしょう。見た人の全員がベストテンに押しています。また、第4位の『新しい神様』も見た人の全員がベストテンに押しています。(『新しい神様』はドキュメンタリーです。外国映画ではドキュメンタリーが1本も入ってなかったのに、日本映画では『日本鬼子』を含め2本入っているのが興味深いですね。)
それから、圏外なのでうえの表には載っていませんが、『ひょうたんすずめ』も1人が見て、その人がベストテンに押しています。
『ひょうたんすずめ』は、高知市出身の漫画家の横山隆一さんが加わったアニメで、傑作中の傑作だそうです。フィルム自体希少のようですが、私の記憶が確かなら(^_^;横山隆一記念まんが館が所蔵していると思います。傑作だと言われると、今後、見る機会があれば見逃したくないですね。
なお、出身を言えば、10位の『箱−The BOX−』の中嶋莞爾監督も高知県出身ではなかったでしょうか。『ショコキ』『殺し屋1』『M・I』に拒否票が入らなければ、4本そろって10位だったのですが、単独で10位を維持できてよかったですね。

2001年のオフシアター・ベストテンのレポートで、旧作はベストテンに残るのは難しいことを書きました。ところが、2002年のベストテンでは、外国映画でインドのグル・ダット監督の『渇き』が、日本映画では増村保造監督の『偽大学生』が見事に入っています。旧作でも初めて出会う作品だったということでしょう。


■今年の特別賞
今年の特別賞(僭越ながら当サイトが贈る賞)は、『M・I』です。この作品は、大木裕之監督とM・Iプロジェクトというグループが作った作品で、昨年11月に高知県立美術館で上映されました。スクリーンでの上映のみならず、ホール内の数カ所に設置したテレビでの上映に加え、ピアノなどの楽器を鳴らしたり、スクリーンの前を横切ったり、悲鳴をあげたりのライブパフォーマンスが一体となったものでした。神経を逆なでする金属音やストーリー性のない映像の羅列は、決して愉快なものではありませんでした。そして、ついに観客から上映をやめろとの抗議があり、作り手と口論になりました。ホール内は、緊迫感で張り詰め、異様な雰囲気に包まれました。後で聞いたことですが、主催者である県立美術館の職員さんは、上映が無事(早く)終わるように祈るような気持ちだったそうです。

この『M・I』が、オフシアター・ベストテンの選考会でどのように評価されたか言いますと、ベストテンに押す人が2人いました。その理由は、「大木監督の将来が楽しみだ」と、「外国の映画祭などで評価を得ている自分の名前が地に落ちる覚悟で、ライブパフォーマンスと組合せて新しいことに挑戦したことを評価したい」でした。
見た人5人のうち2票を得た『M・I』は、『ショコキ』、『殺し屋1』とともにベストテンに入っていたのですが、司会者が「『M・I』に拒否票を入れる人〜?」と問いを発すると、即座に2票入り、ポイントゼロ。一気に圏外へ弾き飛ばされました。(『ショコキ』、『殺し屋1』よりももっと遠くに飛ばされたので、うえの表に載せることが出来ませんでした。)
拒否の理由は、「あれは映画じゃない」と、「観客に見せるようなものではない」でした。拒否票を投じた一人は、「この映画がよもやベストテンに入るとは思わなかったが、もし、入りそうになったら阻止せないかんと思って選考会に参加した」と気合の入ったコメントで、一同の笑いを誘っていました。

そういうわけで、見ている間は苦痛だった『M・I』ですが、見終わってからは、いろいろ語り草になる上映会に居合せてよかったと思うようになったので、チネチッタ高知から特別賞を贈りたいと思います。


■参加しての感想
前回の選考会は、賑やかな居酒屋でしたが、今回は会議室だったので、落ちついて話が聴けて大変よかったと思います。話ができた分、5時間と長引いたわけですが、定員の半分の人数で5時間なら、定員いっぱい集まったら10時間!?まさか、そんなに長くはならないとは思いますが、次回からは開始時間を早くして、休憩も取ってほしいと思いました。

募集のときに1人10票とのことでしたが、初めて参加した人は、外国映画と日本映画を合わせて10票だと思っていたようです。それぞれに10票ずつ投票できることを明記した方がよいと思います。

最後に出た案、いいですね!
どんな案かと言いますと、「県民が選ぶ映画ベストテン」に選ばれた作品の中から2本をアンコール上映するように、「オフシアター・ベストテン」に選ばれた中からもアンコール上映してはどうかというものです。また、その際には、オフシアターでも上映できなかった作品を幻のベスト作品として、組合せて上映してはどうかという案もありました。この辺は、朝日新聞高知支社の懐頼み(?)みたいな雰囲気でしたが、実現するといいですね。


■選考結果表(画像130kb×3枚)
(情報提供:高知のオフシアター・ベストテン選考会事務局)
ベスト11以下の得点が一覧になっています。また、選考の対象となった作品(2002年に高知のオフシアターで上映されたほとんどの作品)がわかります。

■2001年オフシアター・ベストテン



第48回県民が選ぶ映画ベストテン(2002年12月12日高知新聞より:応募総数1,615)
順位日本映画外国映画
1猫の恩返しハリー・ポッターと賢者の石
2突入せよ!あさま山荘事件ロード・オブ・ザ・リング
3阿弥陀堂だよりスターウォーズ エピソード2 クローンの攻撃
4たそがれ清兵衛アイ・アム・サム
5竜馬の妻とその夫と愛人オーシャンズ11
6化粧師ハリー・ポッターと秘密の部屋
7Dollsバンディッツ
8陽はまた昇るビューティフル・マインド
9模倣犯モンスターズ・インク
10OUTアメリ


2003/3/2


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