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■ピックアップ>2007年オフシアター・ベストテン
 
チラシ「溝口健二監督特集」
外国映画54本
順位 映画名 主催者 観た人 × ポイント
(◎-×)
1 麦の穂をゆらす風 シネマ・サンライズ 14 2 10 8
2 トランスアメリカ シネマ・サンライズ 13 2 9 7
3 ブラックブック ムービー・ジャンキー 11 1 8 7
4 リトル・ミス・サンシャイン 市民映画会 10 0 7 7
5 善き人のためのソナタ 市民映画会 10 3 9 6
6 サラバンド シネマ・サンライズ 13 1 7 6
7 シネマ・サンライズ 9 0 6 6
8 ヒロシマナガサキ 小夏の映画会、四国文映社 10 0 6 6
9 今宵、フィッツジェラルド劇場で シネマ・サンライズ 11 0 6 6
10 プルートで朝食を こうちコミュニティシネマ 9 0 4 4
  サンジャックへの道 こうちコミュニティシネマ 10 0 4 4
  敬愛なるベートーヴェン シネマ・サンライズ 13 4 6 2
 
日本映画111本
順位 映画名 主催者 観た人 × ポイント
(◎-×)
1 選挙 四国文映社、ムービー・ジャンキー 13 2 9 7
2 かもめ食堂 とさりゅうピクチャーズ 14 4 10 6
3 秒速5センチメートル シネマ・サンライズ 13 2 8 6
4 パプリカ ムービー・ジャンキー 9 0 6 6
5 きみにしか聞こえない とさりゅうピクチャーズ 9 2 7 5
6 アヒルと鴨のコインロッカー 佐川町教育委員会、とさりゅうピクチャーズ 6 0 5 5
7 そうかもしれない とさりゅうピクチャーズ 12 0 5 5
8 鉄コン筋クリート ムービー・ジャンキー 10 1 5 4
9 草の乱 高知市立自由民権記念館 5 0 4 4
10 あしたの私のつくり方 シネマ・サンライズ 10 0 4 4
  サイドカーに犬 シネマ・サンライズ 11 0 4 4
  幽閉者 テロリスト うらりゅうピクチャーズ 9 0 3 3
  酒井家のしあわせ とさりゅうピクチャーズ 11 0 3 3
  ゆれる 佐川町教育委員会、とさりゅうピクチャーズ 14 3 5 2
 
■概況

2月2日(土)に朝日新聞高知総局(高知市本町)の会議室で、2007年高知のオフシアター・ベストテン選考会が開催されました。
オフシアター・ベストテンは、自主上映グループの皆さんが1998年から始め、朝日新聞が主催者に加わってからは6回目の開催となります。
参加者は、自主上映に携わる方々と公募により参加した映画ファンの計16名でした。

■ルール
選考方法は以下の1から7までのとおりです。このルールの最大の特徴は、ベストテンに入れたくない作品に対して拒否票を投じることができることです。
うえの表の◎欄はベストテンに入れたい人の数、×欄は拒否票の数、ポイント欄はベストテンに入れたい人の数から拒否票の数を差引いた数です。

  1. 投票権は一人10票までで、1作品1票。
  2. 拒否権は一人3票までで、1作品1票。
  3. 投票結果を見て、拒否権を使いたい人がマイナス票を投票。
  4. 投票数とマイナス投票数の差引きポイントで順位を決める。
  5. ポイントが同点の場合は、得票数の多い作品を上位とする。
  6. ポイントも得票数も同じ場合は、観た人の少ない作品を上位とする。
  7. 投票をするまえに、自由に推薦や批判の弁を募る。

■ベストテンの選び方について
オフシアター・ベストテン第1位作品のアンコール上映会は、2003年の作品から始まりました。第1位作品が再上映されるとなると、選考順位に影響がでてきます。例えば、2006年作品のベストテン選考会では『ホテル・ルワンダ』が暫定第1位でしたが、千人を超す入場者があった作品を再上映することもなかろうと拒否票が入り、『歓びを歌にのせて』が第1位となりました。
このようなことを踏まえて、選考会事務局から今年初めてベストテンの選び方について説明がありました。選び方としては単に良い作品に順位をつけるだけではなく、高知ならではのベストテンにしていきましょうということでした。
つまり、第1位作品は再上映があるのだから、より多くの人に観てもらいたい作品を第1位に選ぶのもOKよ、というようなニュアンスであったと思います。

■外国映画の順位について
第1位の『麦の穂をゆらす風』は、「好きじゃない」「暗いし、主役のキリアン・マーフィーは『プルートで朝食を』の方が好き」という理由で拒否票が2票入りましたが、暗く重く救いがなく、「アイルランドの歴史に通じてないとわからないところがある」作品であっても、「拒否票を入れる気がしない(くらい立派な作品)」と言う人や、「アイルランドの緑が美しい」「自然の美しさや大きさと人間の愚かさの対比が効いている」「エンドロールの力強い行進曲に希望を感じた」「監督は人間を信じている」という意見もありました。いずれにしても観客の心を動かさずにはおかない力があり、ベストワンにふさわしい作品だと思います。

拒否票を投じられ一時第2位に落ちていた『麦の穂をゆらす風』の代わりに第1位となっていたのが『トランスアメリカ』。しかし、その2本の比較では『麦の穂』が上でしょうと拒否票が入り、更に『リトル・ミス・サンシャイン』をなんとか上位にするための拒否票が入りました。いずれも『トランスアメリカ』は好きだけれどという前置きがあっての拒否票です。

『リトル・ミス・サンシャイン』は暫定第5位でしたが、この作品をなんとか上位にしたいという人たちの熱意で、暫定第2位だった『善き人のためのソナタ』を抑え込み第4位に浮上しました。『善き人のためのソナタ』は、ベストテンに推した人のうち少なくとも2人が拒否に転じていますが、『リトル・ミス・サンシャイン』は拒否はなし。好き嫌いでは『リトル・ミス』の方に軍配があがり、好かれる作品の底力を発揮しました。

ロバート・アルトマン監督の『今宵、フィッツジェラルド劇場で』と、イングマール・ベルイマン監督の『サラバンド』はともに遺作がベストテン入りです。『サラバンド』は「ベルイマン、老いたり」と拒否票が入りましたが、「いやいや、頭は老いず。むしろ完熟の域。これで死んでもいいのでは。」という意見もありました。

■日本映画の順位について
第1位の『選挙』は、「1時間でよい」「大勢の人に見せるような映画ではない」「外国では受けるかもしれないが、選挙活動を延々と見せられ嫌気がさした」と拒否票が入りましたが、「知っているようで知らない選挙の裏を見せてもらった」「外国から帰省した監督がぶつかった疑問点を映画にしている(視点が面白い)」「小泉チルドレンのその後がわかる」「TVで放送したらすぐにチャンネルを変えられるだろうから、映画で観てもらってこそ(本領を発揮できる作品)」「うんざりさせられる部分があるのは、監督の狙い(そういう部分を表現したうえでの問題提起がある)」と心より頭を刺激されたことによる肯定意見がたくさんありました。

第2位となった『かもめ食堂』は、見た人14人中10人がベストテンに推し、暫定第1位でした。「優しさのこもったおいしい映画」「おにぎりとシナモンロールが食べたくなる」「ゆっくりとして雰囲気がよい」「女優陣の組み合わせが絶妙」「ユーモアがある」「少しずつ面白い」と大人気でした。しかしながら、4月に幡多で有料の上映会があること(5月に無料の上映会があるとなると4月の上映会の動員数が減るかもという気遣い)からと思われる拒否票が入りました。『かもめ食堂』は、たくさんの入場者があったので、再上映は他の映画に譲ってもよいという拒否票もあったかもしれません。

●その他、拒否票の理由と異見の披露目が面白かった作品。
第3位『秒速5センチメートル』の拒否票理由は、「いいと思わなかった」「普通」「『選挙』の方がよい」。
第5位『きみにしか聞こえない』の拒否票理由は、「好きだが日本映画の実力からすると相対的に弱い」。
第6位『アヒルと鴨のコインロッカー』の拒否理由は、「原作の方が面白かった」「原作のトリックを映画化するのは困難なのだから人間関係に重点をおいて描いてほしかった」。「いやいや、人間関係も描けていた」。
第8位『鉄コン筋クリート』の拒否理由は、「ベストテン圏外が相当」。「いやいや、『時計じかけのオレンジ』級だ。暴力を介在させた人間の結びつきを描いて画期的」。

●圏外に弾き飛ばされた作品で特筆したい作品。
暫定第10位だった『ゆれる』は、初公開がオフシアターではなかったので拒否票が入りましたが、「第1位から3位あたりにあるべき作品。それくらいに位置していたら残してもよかった。ベストテン下位なら落とした方がよい」という意見もありました。
暫定第8位だった『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』は、「音楽がうるさい」「ナルシスティックな作りがイヤ」と非難轟々の拒否票が4人から入りました。しかし、ベストテンに推す人は観た人11人中5人であり、これぞ好き嫌いが別れる作品であったと思います。

●浮上した作品。
上記のように圏外に飛ばされた作品があったおかげ(?)で暫定第11位から見事第9位となった作品が『草の乱』です。2004年に当地でも公開されていましたが、そのときの観た人は1人でした。2007年は、高知市立自由民権記念館が「〜三大事件建白運動120年記念〜土佐自由民権運動群像展」の関連企画として上映したこともあり5人が観て4人がベストテンに推しています。
暫定第12位でベストテンに滑り込んだ『あしたの私のつくり方』は、ベストテンに推す人数は『草の乱』と同じでしたが、観た人が多いため、ベストテンに推す人の割合が大きい『草の乱』が上位になっています。観た人が多いと拒否票を入れられるリスクも大きくなりますので、観た人10人で浮上してきたのはりっぱですね。

■特別賞
2007年の特別賞(僭越ながら当サイトが贈る賞)は、溝口健二監督の『近松物語』です。悪しきことと世間の人の口の端に上ることであっても当人にしかわかり得ないことがあるということが描かれているのかなぁ。でも、それよりも風景も美術も俳優も何もかもが美しいです。官能的でもあるのです。スケールの大きさにも感動しました。
芸の道、女の道を描いた『残菊物語』もよかったなぁ。もちろん『西鶴一代女』も。
古い映画であっても力のある作品は、上映されたことを記念する意味もあってオフシアター・ベストテンに入ったりしていましたが、2007年は「溝口健二監督映画祭」として特集上映されながら、1本も入らなかったので当サイトから特別賞を贈りたいと思います。

■選考結果表(情報提供:高知のオフシアター・ベストテン選考会事務局)
ベスト10及びベスト11以下の得点が一覧になっています。また、選考の対象となった作品(2007年に高知のオフシアターで上映されたほとんどの作品)がわかります。
選考結果表(PDFファイル 139kb)

■2006年オフシアター・ベストテン




第53回県民が選ぶ映画ベストテン(2007年12月22日高知新聞より:応募総数584通)
順位日本映画外国映画
1ALWAYS 続・三丁目の夕日パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド
2HERO硫黄島からの手紙
3武士の一分ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
4それでもボクはやってないスパイダーマン3
5東京タワー オカンとボクと、時々、オトンダイハード4.0
6アンフェアブラッド・ダイヤモンド
7舞妓Haaaan!!!バベル
8どろろドリームガールズ
9眉山ボーン・アルティメイタム
10恋空ナイト ミュージアム


2008/3/2


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