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■ピックアップ>2008年オフシアター・ベストテン
 
チラシ画像『実録・連合赤軍あさま山荘への道程』
外国映画65本
順位 映画名 主催者 観た人 × ポイント
(◎-×)
1 シークレット・サンシャイン シネマ・サンライズ 6 0 5 5
2 4ヶ月、3週と2日 シネマ・サンライズ 6 0 4 4
3 いのちの食べかた 「いのちの食べかた」上映委員会、とさりゅう・ピクチャーズ 5 1 4 3
3 ヒトラーの贋札 こうちコミュニティシネマ 5 1 4 3
5 光州5・18 はんりゅう・ピクチャーズ 6 1 4 3
5 ある愛の風景 シネマ・サンライズ 6 1 4 3
7 ペルセポリス 高知県立美術館 4 0 3 3
7 おいしいコーヒーの真実 はなればなれ珈琲、とさりゅう・ピクチャーズ 4 0 3 3
7 アクロス・ザ・ユニバース こうちコミュニティシネマ 4 0 3 3
10 赤い風船 こうちコミュニティシネマ 5 1 3 2
  アフター・ウエディング シネマ・サンライズ 6 1 3 2
  長江哀歌 シネマ・サンライズ 7 1 3 2
 
日本映画124本
順位 映画名 主催者 観た人 × ポイント
(◎-×)
1 14歳 とさりゅう・ピクチャーズ 8 0 6 6
2 犯人に告ぐ とさりゅう・ピクチャーズ 8 1 6 5
3 河童のクゥと夏休み 高知県立美術館 5 0 5 5
4 ジャーマン+雨 グラフティ 6 0 5 5
4 実録・連合赤軍 あさま山荘への道程 尻ぱたき隊 6 0 5 5
6 夕凪の街 桜の国 とさりゅう・ピクチャーズ 8 3 7 4
7 サッド・ヴァケイション とさりゅう・ピクチャーズ 7 0 4 4
8 腑抜けども、悲しみの愛をみせろ とさりゅう・ピクチャーズ 6 0 3 3
9 靖国 YASUKUNI 靖国を高知で見る会 5 1 3 2
10 洲崎パラダイス赤信号 高知県立美術館 2 0 2 2
10 ≒舟越桂 高知県立美術館 2 0 2 2
 
■概況

昨年まで順調に参加者を増やしていったオフシアター・ベストテン選考会ですが、今年は激減してしまいました。選考会が開催されるかどうか直前までわからなかったし、例年と比べて2ヶ月遅れの開催は年度末の忙しい時期に重なったせいもあるかもしれません。
お茶屋は風邪を引いて欠席しましたので、選考会レポートはシネマ・サンライズのガビーさんにお願いして書いて頂きました。ガビーさん、ありがとう〜(^o^)。

■ルール
選考方法は以下の1から7までのとおりです。このルールの最大の特徴は、ベストテンに入れたくない作品に対して拒否票を投じることができることです。
うえの表の◎欄はベストテンに入れたい人の数、×欄は拒否票の数、ポイント欄はベストテンに入れたい人の数から拒否票の数を差引いた数です。

  1. 投票権は一人10票までで、1作品1票。
  2. 拒否権は一人3票までで、1作品1票。
  3. 投票結果を見て、拒否権を使いたい人がマイナス票を投票。
  4. 投票数とマイナス投票数の差引きポイントで順位を決める。
  5. ポイントが同点の場合は、得票数の多い作品を上位とする。
  6. ポイントも得票数も同じ場合は、観た人の少ない作品を上位とする。
  7. 投票をするまえに、自由に推薦や批判の弁を募る。

2008年オフシアター・ベストテン選考会

ガビー@シネマ・サンライズ

3月21日、恒例の2008年オフシアター・ベストテン選考会が朝日新聞社高知総局の3階で開催されました。恒例のと言っても、今年は経費削減のためこれまで朝日新聞社主催であったオフシアター・ベストテン上映会が中止となり、選考会の開催そのものが危ぶまれていました。何とか選考会にこぎつけたのは、出来る範囲の協力はしたいという堀江総局長の英断によるものです。 選考会に参加したのは、事務局を含め9人。よほどのことがない限り参加するメンバーが4人ほど欠席しており、昨年よりは随分少ない人数でした。

最初に、いつものように参加者から昨年オフシアターで観た映画の本数が報告されましたが、一番多かったのは事務局のYさんで邦洋合わせて100本、一番少ない人で37本でした。
今年の選考会は、人数が少なかったので淡々と進んで、あまり論議となるようなことはなかったのですが、一番のエポックは日本映画の『14歳』と『夕凪の街 桜の国』をどう評価するかという問題でした。

昨年12月の自主上映サークルの忘年会において、今年開催する「シネマの食堂2009」の文化庁への補助申請のため、取りあえず邦洋のベストワン作品を決めてしまう必要があり、暫定1位ということで『シークレット・サンシャイン』と『夕凪の街 桜の国』がほぼ満場一致で決まっていました。選考会においても『シークレット・サンシャイン』はそのままあっさり決まりましたが、『夕凪の街 桜の国』の評価が物議を醸すことになりました。
結果的にマイナス票が3票入ったのですが、不支持の人の意見は、原作者のこうの史代さんは広島県の出身で被爆者の問題は避けて通れない問題であり、原作にはそれだけの切実さが感じられるが、映画の方は佐々部監督が被爆者の側から物語を物語ることに欺瞞性を感じる、立ち位置が違っているのではないか、という意見がありました。また、原作を読んだ者として映画より原作の方を高く評価する、という声もありました。
逆に『14歳』は、廣末監督が描いた子どもと教師の姿―現在の14歳と過去の14歳が同様にかかえている危うさと狂気の描出力が高く評価され、14歳ってあんなに暗いばっかりじゃないのにという声もありましたが、マイナス票にはつながりませんでした。
そのため結果的に、1位最有力と思われた『夕凪の街 桜の国』はたちまち6位に転落し、一時的に『14歳』と『犯人に告ぐ』が首位同点で並んでいました。しかし、『犯人に告ぐ』は面白かったけれど、ベストワンという作品ではないだろうとマイナス1票が入り決着となりました。

その結果

(1)14歳
(2)犯人に告ぐ
(3)河童のクゥと夏休み
(4)ジャーマン+雨
(4)実録・連合赤軍 あさま山荘への道程
(6)夕凪の街 桜の国
(7)サッド・ヴァケイション
(8)腑抜けども、悲しみの愛をみせろ
(9)靖国 YASUKUNI
(10)洲崎パラダイス赤信号
(10)≒舟越桂

となりました。

洋画の方は、『シークレット・サンシャイン』以外は、5位が2作品、7位が3作品あることからもわかるように、どんぐりの背比べ状態と言えます。

(1)シークレット・サンシャイン
(2)4ヶ月、3週と2日
(3)いのちの食べかた
(3)ヒトラーの贋作
(5)光州5・18
(5)ある愛の風景
(7)ペルセポリス
(7)おいしいコーヒーの真実
(7)アクロス・ザ・ユニバース
(10)赤い風船

この中で意外に感じるのは、『4ヶ月、3週と2日』がいつの間にかちゃっかりと2位に座っていることですが、選考委員の女性の一人から他人事とは思えない自分にとっては特別な作品、という強力プッシュがあったせいでしょう。この選考会のダークホース的存在でした。ある意味、リアリティの硬質さは『シークレット・サンシャイン』以上と言えるかもしれません。

日本映画でこうしたダークホースになったのが、いつの間にか4位にまで浮上し『夕凪の街 桜の国』よりも上位にきている『ジャーマン+雨』と言えます。6人中5人がこの作品を支持しており、もし、6人の支持があれば『14歳』『犯人に告ぐ』を抜き去って1位になってしまうところでした。『ジャーマン+雨』の上映会は、昨年のシネマの食堂の催しですが、比較的参加者が少なかったことを考えれば、"シネマの食堂スタッフ効果"と言えるかもしれません。誰にも真似することのできない作者の個性が高く評価されたと考えるべきでしょうが、松山ケンイチ主演の新作『ウルトラミラクルラブストーリー』によって、横浜聡子監督の真価が問われることになります。

もう一度洋画に戻りますが、概して力のある作品には必ず反対意見が出るものと言えます。『いのちの食べかた』『ヒトラーの贋札』『光州5・18』『ある愛の風景』にはいずれも1票マイナス票が投じられています。『赤い風船』にもマイナス1票がありますが、これはオールタイムベストのこの作品を2008年のベストテンに入れるのはおかしいというバランス感覚から来たものでしょう。
ここから見ても、『夕凪の街 桜の国』のマイナス3票がいかに大きかったかがわかります。

後日談になりますが、朝日新聞主催でのベストテン上映会が無理なら、有料にしてシネマの食堂2009の中でベストテン上映会をやれないものかという話がありましたが、実際にはなかなか困難であることがわかってきました。それは、ひとつには『シークレット・サンシャイン』『14歳』の2作品のカラーがあまりにも暗く重いので、はたして観客を呼べるのか、お客さんの満足度はどうなのか、という問題。もうひとつは、2作品とも2時間以上なので、平日の2本立てとしてプログラムを組むことが難しいことです。2作品分お金を出しても、実際には1作品しか観られないとすれば、よほど奇特な人以外は観に来てくれません。
今のところ現実的に考えられるのは、シネマ・サンライズやとさりゅうピクチャーズの定期上映会において、『シークレット・サンシャイン』『14歳』をそれぞれ他の作品とブッキングして上映してしまうことです。他の作品と言っても、もちろん短く見やすい作品でなければなりません。そういう形ででも何とかオフシアター・ベストワン作品の上映を実現したいと考えています。そうでないと、ベストテン選考会もただのマニアの自己満足に終わりかねませんし、上映会がないと来年度の選考会のボルテージが一気に下がってしまいそうな気がするからです。ベストワン作品を上映する場合は、シネマの食堂2009期間中にパブリシティしますのでご留意下さい。

 

■特別賞
うぬぬぬぬ、仮に私が参加していたら、観た人の数7、得点6で日本映画のベストワンは『実録・連合赤軍あさま山荘への道程』でしたね〜(拍手)。そして、『14歳』にマイナス票が入って、『犯人に告ぐ』と順位が逆転していましたよ(ガッツポーズ)。『14歳』は、あの神経を逆なでするような音が苦痛でしたし、『犯人に告ぐ』は文句なく面白く、かつ、ご贔屓の悦っちゃんが主役だし〜(はぁと)。ほんと、私の一票、あなたの一票で、オフシアター・ベストテンの結果は変化するのですね(実感)。今年は選挙もあるし、一票の重みを感じて投票に行きましょう(?)。

というわけで、2008年の特別賞(僭越ながら当サイトが贈る賞)は、『実録・連合赤軍あさま山荘への道程』です。社会的に大きな影響を及ぼした事件を題材に、裁判やマスコミの報道だけでは伝わらないであろう人間の弱さを浮き彫りにして見せてくれました。「作品」にしてこそ伝えられることがあるのですね。
映像の力も圧倒的で、3部構成のどのパートにも印象深いシーンが数々あり、脳裏に焼きついています。スケール感があり、これぞ映画だと思います。

■選考結果表(情報提供:高知のオフシアター・ベストテン選考会事務局)
ベスト10及びベスト11以下の得点が一覧になっています。また、選考の対象となった作品(2008年に高知のオフシアターで上映されたほとんどの作品)がわかります。
選考結果表(PDFファイル 169kb)

■2007年オフシアター・ベストテン




第54回県民が選ぶ映画ベストテン(2008年12月20日高知新聞より:応募総数351通)
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2009/05/24


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