ディア・ハンター
THE DEER HUNTER
(監督:マイケル・チミノ/アメリカ/1978/183分)
9月24日から30日までTOHOシネマズ高知の午前十時の映画祭で上映される『ディ・ハンター』。初めて観たときは打ちのめされて、数週間は仕事が手に付きませんでした。ペンシルベニアの製鉄の町で友だち同士だったマイケル(ロバート・デ・ニーロ)、ニック(クリストファー・ウォーケン)、スティーブン(ジョン・サヴェージ)の三人が戦争という極限状況を経てどうなったかという人間ドラマ。友だちとの絆や故郷を描いて青春映画の一面があるので、とっておきの青春「番外」としました。
●ベトナム前
バーにたむろしてダラダラしたり、スティーブンの結婚式や鹿狩りのイベントがあったり、ニックの恋人リンダ(メリル・ストリープ)やモテ男スタン(ジョン・カザール)なども登場し、牧歌的に青春グラフティしています。このパートはめっぽう長いですが、彼らがどれだけ仲良しか細部まで目をこらしていると、全裸で走り回るマイケルのパンツをニックが拾って、マイケルが座るときすかさずパンツを敷いてやるという、古女房ニックを目撃することが出来ます。
また、この前半部分で彼らがロシア系移民であることがわかります。スティーブンの結婚式は町を挙げての大祝賀会。ロシア系の結婚式はどんなだか、要チェック。
●ベトナムとベトナム後
牧歌的な田舎町から一転、嵐のベトナムです。捕虜になった三人がロシアン・ルーレットを強制させられます。果たして、三人は生きて故郷に帰れるのでしょうか。
●ゴッド・ブレス・アメリカ
ラストシーンでは「ゴッド・ブレス・アメリカ」が歌われます。この映画によって私の頭には哀悼の歌として刷り込まれたので、911後に朗々と歌われる「ゴッド・ブレス・アメリカ」に違和感がありましたが、あのときは苦難を乗り越えるため、結束を強めるため歌われたのでしょう。第二の国歌と言われるくらいよく歌われるそうですから、移民たちもこの歌によって祖国への愛を深めていくのかもしれません。それで思いついたのですが、この映画の「ゴッド・ブレス・アメリカ」は日本で言うと「ふるさと」に似た感じで歌われているのではないでしょうか。生きて故郷に帰りたかった仲間に成り代わって歌われる「ふるさと」と思えば、私にはとてもしっくりきます。ルーツはロシアにあるけれど、帰るべき「ふるさと」はここなのだと。
1978年のアカデミー賞作品賞、監督賞、助演男優賞、音響賞、編集賞を受賞作。必見の感動作です。
God Bless America, Land that I love.
Stand beside her, And guide her,
Thru the night with a light from above.
From the mountains,
To the prairies, to the oceans,
White with foam
God bless America,
My home sweet home.
アメリカに主の祝福あれ 我が愛する国よ
アメリカを守り 導きたもう
夜通し降り注ぎし 天上の御光
山々を越え 平野を渡り 泡立つ海原へと
アメリカに主の祝福あれ
我が愛しの祖国よ
ゴッドブレスアメリカ God Bless America 歌詞・日本語訳・試聴より転載