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■鬼の対談>ベルベット・ゴールドマイン



 
今回はKKさんが編集しているGIMM SOME ROCKというミニコミ誌から対談を拝借させていただきました。
GIMME SOME ROCK は、音楽のことなら何でも投稿OK。ロックなスポーツとしてサッカーのレポートや、そのほか、実は音楽以外のことも投稿を歓迎している寛容な小冊子です。
そして、編集者は現在、ホームページの開設を目指して猛勉強中です。 開設された暁には、もちろんリンクさせていただきます。楽しみだなあ。 GIMME SOME ROCK お問合先



 
紅バラ&お茶屋の『ベルベット・ゴールドマイン』対談
1999年6月23日グリーンホール において、デヴィッド・ボウイを 「だし」 にした映画『ベルベット・ゴールドマイン』が上映されました。もちろん、私はボウイファンである紅バラさんを誘って行ってきました。以下の採録は、鑑賞後、喫茶メフィストフェレスにて話し合った感想です。


お茶屋
(以下「茶」)
いや〜、おもしろかったねー!

紅バラ
(以下「紅」)
・・・・・う〜ん、途中うとうとした。

えー!?もったいないー!目においしい映画やったやん。衣装をとっか えひっかえ、グラムロックゥ〜って感じで。
ジョナサン・リース・マイヤーは 美形やし。
 
ジョナサンてボウイ役 やった人?好みじゃないし、お人形さんぽい。

まあね、顔はきれいやけど、声は悪いし手はグローブみたいやし、ボウ イのしたたかさはないもんね。

うん。ボウイの方が、ずーーーーーーーっと歌がうまい。
 
けど、ユアン・マクレガーはロックしちょったろ?

う〜〜ん、イギー(・ポップ)は、あんなに太ってない。まあ、かわいか ったけど。

そっか〜、紅バラさんは、この映画、期待ハズレでしたか。

う〜ん、期待もあんまりしてなかったけど、ボウイが主人公でもっとグ ラムロックのことを描いた映画かと思うちょった。
 
ああ、それは私も思うた。主人公は、70年代にボウイにあこがれち ょった青年の方やったとはね。青年の自分さがしの物語みたいでボウイファンはガクッときますわ。
グラムという点では当時の曲を使うちゅうことが売りやろうか。ボウイは曲を提供してないき、彼の曲に似せた映画のオリジナル曲を歌いよったけど、なまじ似せちゅうき、歯がゆかったねー。このコード進行で来たら次はこう行ってほしいっ!というところを、微妙に外してくれて。

そうそうそう!サビの部分に来てこれから盛り上がる〜!と思うたら、 くー、そう来たかー!という感じ。
もっとも、私は映画のオリジナル曲と既成 のグラムロックとの区別がつかんがやけど。

私たちってボウイしか知らんもんね〜!
それにしても、80年代に入ったボウイはコケにされちょったと思わ ん?

そうやね。映画の中では、整形手術してスターになって金もうけして、 70年代にあれだけ革新的やったのに、80年代は大衆に身売りした「裏切り者」あつかいやったね。

「あなたはブライアン・スレイドではありませんか?」という主人公の問 いかけにも、こそこそ逃げたりしてね。ボウイは曲を提供せんかって、本当に 正解やったわ。

あれで曲を提供したら、自分を笑い者にするという感じになるねぇ。

監督のトッド・ヘインズはボウイファンながやろ。たとえ80年代のボ ウイを気に入らんかっても、「裏切り者」に描くことはないろうに。
そんな描き方をして、曲を提供してくれ言うたち断られるに決まっちゅうやんかねぇ!エ ンディングの曲なんか、ひどいよねぇ。あの曲でボウイをけちょんけちょん。

提供を断られた腹いせじゃない?(笑)

かわいさあまって憎さ百倍(笑)。

まあ、あくまでもボウイはモデルで、主人公の憧れの対象はブライアン・ スレイドであり、彼ブライアンが「裏切り者」ですから。


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主人公アーサーが、ブライアンのレコードを買いに行ったときすごかっ たね。こんなレコード買うて「おかま野郎」みたいに言われて。

普通、店員があんなこと言う?(笑)お客様は神様と違うが?

あれは監督の実体験でしょうかね?70年代にボウイのレコード買うのっ て勇気がいったのかなあ?

さあ、どうやろう?この映画の70’s の服装はエセっぽかったけど ね。

監督の自伝的要素はあると思わん?

自伝的だとすると、この監督は同性愛者やね。アーサーは「おかま」だ のなんだのって、さげすまれちょったけど、バイセクシュアル発言をしたり女 の格好をしたりのブライアンの出現に、自分を肯定された気がしたんじゃない の?監督もボウイの出現に我が意を得たりやったがやない?

ただねー、この監督すごいナルシスとやと思うがよねー!
オスカー・ワ イルドから伝わってきたエメラルドのブローチがあったやん。あれって、真の 芸術家というか世界を変えようとする時代の寵児的な人に手渡されてきたろ。
それをよね、最後に監督自身の分身であるアーサーに受け取らしちゃいかんろう!あれを受け取ったら、自分はオスカー・ワイルドの後継者ですと言うよう なもんで。
ちょっと、自信過剰というかナルシストというか、謙虚さがないねぇ。

あれはアーサーが受け取らんかったき、カートがこっそり置いて行った がやいか。アーサーとしては一応辞退したがじゃないが?

してない、してない。結局、受け取ったろ。カートをしてアーサーにエ メラルドを渡させること自体、この監督のナルシシズムよえ!

それにしても、ブライアン・スレイドとかカート・ワイルドとか、名前 がイマイチやねえ。

言えちゅう!スパイダーズ・フロム・マーズがヴィーナス・イン・ファ ーズになっちゅうも!カッコ悪ぅ。全然ロックしてないやん。
それでも、コンサートでカートの弾くギターにブライアンが絡むとこ ろは、ミック・ロンソンのギターにボウイが絡んでいったがを彷彿させて、フ ァンとしてはおいしかったですねぇ。へっへっへっ。

えーーーー!?あれは、いかんでっっーーー!!!腰のギターを舐めゆ うもん。歯でやらんと!ボウイはちゃんと歯でギターを弾きよったがでー!歯 でやったら痛いろうに、痛いところをがまんして弾いたがでー!。
 
いや〜、舌で弾くのも痛いと思うでぇ(笑)。

え?そうやろうか。舌で弾くのと歯で弾くのと、どっちが痛いろう?

どっちも痛いがやないが〜?弦の振動があるろう。

う〜ん・・・・・・・・・・(考え中)。やっぱり、どっちも痛いか(笑)。

ねえ、ちょっと、パンフレットに書いちゅうがやけど・・・・。「『ダイヤモ ンド・ドッグズ』(74)。ジャケットを開けるとボウイの下半身が・・・・。」これは 知っちょったけど、「『アラジン・セイン』(73)。中ジャケの立ち姿はショッ キングでした。」って、何がショッキングなが?
紅バラさん、『アラジン・セ イン』持っちゅうろ?

持っちゅうけど、私のは初プレスじゃないもん。中ジャケらあ、無いで。

そっかー。知りたいな〜、ショッキングな立ち姿。見たいと思わん?

見たい〜。
 
私たちって遅れてきたファンやもんねぇ。

まったくです。


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1.  ボウイ役:ボウイをモデルとしたブランアン・スレイドをジョナサン・リース・マイヤ ーズが演じ、イギーをモデルとしたカート・ワイルドをユアン・マクレガーが 演じている。[もどる↑]

2.  ユアン・マクレガー:コンサートシーンのユアンのパフォーマンスは本物のロッカーみたいにカッコよく、彼の大切な持ち物までも振り回すヒートぶりで "ぼかし" が掛けられていた。もっとも、東京で開かれた英国映画祭では "ぼかし" はなかったそうだし、本国でももちろん生を見ることができたようで、ユアンの父親は「息子が俺の遺伝子を受け継いでいることが確認できてよかった。」と公言しているらしい。[もどる↑]

3.  自分さがしの物語:この映画は憧れのロックスターの中に自分を見つけだした当時を振り返ることによって、また、スターの真実の姿を取材することによって、アイデンティティを確立させる青年の話で、彼の性的指向の告白記でもある。[もどる↑]

4.  舌で弾くのも痛い:もちろん、このシーンの演出意図は、いかにして上手に舌でギターを弾くかというものではなく、ちゃんと別の意図があったはずである。
  参考資料1 参考資料2 左はカートのギターを舌で弾いているブライアン。
右はミック・ロンソンのギターを歯で弾いているデイヴィッド・ボウイ。[もどる↑]


 
5.  遅れてきたファン:紅バラさんも私も「レッツ・ダンス」の直前の 80年代からのファンである。

後日談= 紅バラさんはボウイの新譜『アワーズ』を購入していないという。私はしっかりゲット。しかし、CDデッキ等まともに聴ける機械が故障しており、音質最悪のパソコンで聴いている・・・・。[もどる↑]
2000/05/14


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