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ボリショイ・バレエ
音楽:チャイコフスキー|振付、演出:ユーリー・グリゴローヴィチ|指揮:アリギス・ジュライティス|演奏:ボリショイ劇場管弦楽団
オデット、オディール:アラ・ミハリチェンコ|ジークフリート王子:ユーリー・ヴァシュチェンコ|悪魔ロットバルト:アレクサンドル・ヴェトロフ
収録:1989年5月ボリショイ劇場|パイオニアDVD

オデット、オディールのミハリチェンコが素晴らしいですね〜。一人二役で別の人格になりきっています。
オデットは、白鳥の姿に変えられてひたすら哀しい表情。美しく儚く踊るのです。特に翼をはばたかせるところは、動きの残像もあり本当にきれい。(どこかで人間の姿に戻るはずなんだけど、私にはずーっと白鳥でいたように見えました。)
オディールの方は、目つきが違うし、王子を小ばかにした感じや、オデットのまねをして王子を篭絡した後にあざ笑う様子など悪い奴です。踊りは小気味よく、ピタッ!ピタッ!とポーズが決まって、思わず「よ!オディール屋!」と声を掛けたくなるのは、私が日本人だから?(早くブラボーに慣れねば(笑)。)
それにしても王子は、このオディールを見てオデットと間違うなんて、いったいオデットの何を見ていたの?ぜんぜん違う二人やのに。愛の誓いは当てにならんな〜(笑)。
まあ、王子の弁護をするならば、この人、本当に真面目で品行方正で遊んでないような感じなので、オディールの色香に惑わされるのは無理ないですね。
ロットバルトは、爪を長〜く伸ばしているように見えました。その爪の威力で王子を意のままに操れても、オデットの愛の力にはかなわなかったようで、悪魔も形無しでした。(王子はオデットに守られた感じでしたが、この舞台ではオデットは年上の人っぽいので、ちょうどいい結末かも。)

それと、ロシアの観客は熱いわ〜。ブラボーの声が大きいのは録音のせいかもしれませんが、男性も女性も雨あられのよう声を掛けていました。だから、盛りあがるんですよね〜。いっしょに見るならロシアの観客がいいかも。あ、ただし、コーダの途中でアンコールが入るのは、いかがなものかと思います。オディールの踊りに沸くのはわかるけど、いっきに王子の踊りに行って、二人そろってアンコールを受ける方が、わたくし的にはもっと盛りあがれたと思いました。
2003/05


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