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■ひきだしバレエ(ダンス)覚書>パリ・オペラ座バレエ(2006)
 

パリ・オペラ座バレエ団には定年制があるとのことなので、このバレエ団の公演でルグリが主役の全幕を観れるのは、最後のチャンスだと思い、やっとチケットを取ったのに、ルグリはお父様が危篤で1公演踊った後、急遽帰国しました。がーん。私は何のために東京に行くのでしょー?とかなり凹みましたが、行ったら行ったなりに楽しかったです。キャスト等は、下の表をご覧ください。

行く前にDVD(パキータ:アニエス・ルテステュ、リュシアン:ジョゼ・マルチネズ)で予習をしましたが、お話はハッキリ言ってつまらないと思いました。ジプシーの娘に恋をしたフランスの伯爵のお坊ちゃん。スペインの知事とパキータに横恋慕するジプシーの首領の姦計にはまり、殺されかかったところをパキータに助けられます。その後、パキータは生き別れの従姉妹とわかり、二人は結婚してめでたしめでたし。う〜ん、なんだかね〜。
ところが、主役が代わると違うものですね。ジルベールとデュポンのパキータは、キュートでコメディ演技が大変うまく、とても楽しかったです。この演目は、コメディとして演じるべしと思いました。

それから生はいいと思ったのは、第二幕のグラン・パ(総踊り)。踊りのつるべ打ちと申しましょうか、怒涛のごとく次から次へと押し寄せると申しましょうか、畳み掛けるがごとくに踊って最高潮のうちに幕切れとなる楽しさったらありませんでした。
衣装も綺麗でした。横一列に並んだダンサーが前に出たり奥に引くとき、照明が下から当たるところがあって、チュチュとダンサーがまるでドガの絵のように見える瞬間がありました。ドガもこういうのを見たのに違いないと思うと嬉しかったです。

DVDでは子どもたちが踊るところがありまして(パリ・オペラ座のバレエ学校の子どもたちでしょう)、海外公演ではどうするのかしらと思っていたら、男性の群舞となっておりました。これがとても楽しくて、毎回嵐のような拍手でした。
振り付けは、軽快なステップがふんだん。ドラマチックなバレエもいいけど、こういう絶対舞踊もいいわね〜。ジャンプしながら両足をピコピコピコと打ち合わせるのか交差させるのか、早すぎてわからないけど、私の好きなその踊りがいっぱいあって嬉しかったです。音楽は、誠に踊りやすそうでした。

●ジルベールとベランガール
何に感動したかといって、人間は完璧ではないということに感動しました。
第二幕で二人の息が合わず(ベランガールがサポートをとちったのかな)、ジルベールがバランスを崩したところがありました。一瞬にして漲る緊張感。そのすぐ後もベランガールは、ガチガチに緊張していてサポートを間違い、ジルベールが「違う!こうよ!」と険しい顔で、声まで発していました。
私はもう、ドキドキハラハラで息を詰めて見ておりました。「がんばれ、がんばれ」手に汗握るとはこのこと。そして、ジルベールのバランスが決まって、パッと手を離したときには、思わず拍手してしまいました。
いや〜、完璧を目指して必死になるって素晴らしい!完璧でなくてもいいんだ!と思って涙が出てきました。う〜ん、バレエはスポーツ的な要素があるのですね。
ジルベールは、可愛くて生き生きしていて(第二幕で上手から連続ジュテで登場したとき拍手が沸いたのは彼女だけ)輝いていました。
ベランガールは、第一幕で登場したときと第二幕でとちったときは、ものすごく緊張していましたが、踊りは上手でした。彼の舞台は、3年前牧阿佐美バレエ団の「ノートルダム・ド・パリ」でカジモドを演じたのを見たことがありますが、ちょっと暗くて可愛くて純粋なカジモドの方が似合っていると思います。リュシアンはコメディ路線でいってほしいので。

●オスタとペッシュ
この組は、コメディ路線とはちがったので、イマイチでした。だけど、技術的には完璧。オスタの回転なんて鬼気迫るほどに速いし正確でした。
ペッシュは、少し地味ですね。踊りも重かったです。彼の舞台も3年前の「ノートルダム・ド・パリ」でフロロを演じたのを観ておりまして、そのときはシャープで綺麗な踊りだったのですが、どうしたのでしょう?調子が悪かったのかな?

●デュポンとベランガール
真打登場です。オレリー・デュポン、ブラボー!本当に楽しいタイトルロールです。明るくてきっぱりしたジプシー娘。華があるし、素晴らしいコメディエンヌ(拍手)。バレエで笑わせてくれようとは、思いも寄りませんでしたよ。踊りも切れがあります。第一幕二場の扇子の踊り、素晴らしかったです。第二幕は、ああ、相手がルグリとだったらなーと思うところがたくさんありましたが、ベランガールは頑張っていたので(昨日とは違って、思い切って踊れたみたい。出来がよくなっていました。)よしといたしましょう。

●エマニュエル・ティボー
DVDのチャプター17を何度観たことやら。「パ・ド・トロワの男の子は誰!?」と思い続けていたら、来日公演でも踊ってくれましたーーー!!!!DVDほど絶好調ではなかった(お疲れのようでした。29日は辛そうな表情でした)けれど、一定レベル以上の踊りでした。生で見れるなんてーーー、とぉっても嬉しかったです。
私は彼のように軽くて柔らかい踊りが好きなんです。ジャンプも「ふわり」です。
決めのポーズが零コンマ何秒か長い(音楽が次のフレーズに移るより一瞬前に決めのポーズに入っている)ということは、次の踊りにすぐ移らないので優雅に見えます。一つ一つのステップが美しいのです。
そして何よりも、音楽がフォルテのときは強く大きく、軽快なときは軽やかに踊ってくれるのが嬉しい!あたりまえのことなのに、こんなに踊ってくれる人は少ないです。
ぜひ、他の踊りも見てみたいなあ!

2006/5/6up
 
   
■「パキータ」全2幕

音楽:エドゥアール・マリ・エルネスト・デルデヴェス、ルートヴィヒ・ミンクス|編曲:デヴィッド・コールマン|復元振付:ピエール・ラコット(ジョゼフ・マジリエ版(1846年)及びマリウス・プティパ版(1881年)に基づく)|装置・衣装:ルイザ・スピナテッリ|照明:フィリップ・アルバリック|指揮:ポール・コネリー|演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
東京文化会館(上野)
41回目から43回目の上演
登場人物 4月29日(土)昼 4月29日(土)夜 4月30日(日)昼
パキータ ドロテ・ジルベール クレールマリ・オスタ オレリー・デュポン
リュシアン・デルヴィイー ジェレミー・ベランガール バンジャマン・ペッシュ ジェレミー・ベランガール
イニゴ カール・パケット ステファン・ファヴォラン カール・パケット
パ・ド・トロワ メラニー・ユレル
ノルウェン・ダニエル
エマニュエル・ティボー
ミリアム・ウルド=ブラーム
ファニー・フィアット
マロリー・ゴディオン
メラニー・ユレル
ノルウェン・ダニエル
エマニュエル・ティボー
二人の将校 ブリュノ・ブシェ
クリストフ・デュケーヌ
 
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