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■ひきだし>バレエ(ダンス)覚書>ハンブルク・バレエ「人魚姫」(2009) |
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今年3月に兵庫県でハンブルク・バレエの「人魚姫」を観てきました。詩人の叶わぬ恋の痛みから生まれた人魚姫。人魚姫の苦しみは詩人の苦しみでもあります。舞台では詩人が、かつての自分を見るように人魚姫を見ています。人魚姫が泡となって消えるとき、詩人もならんで踊ります。視線は上へ上へ。共に苦しんだ二人は星空に向かって昇っていくよう。静かに輝くものになった二人に、自然と「昇華」という言葉が浮かんでくる舞台でした。配役は下の表をご覧ください。 ●始まる前から始まっている>演出
四角く切り取られた空間ということでは、第二幕の陸で暮らす人魚姫の部屋も印象的でした。いびつな箱のような部屋で、自由を奪われた人魚姫の息苦しさが伝わってきました。壁にぶち当たっても自ら打破する方策なしという状況を表現するのに、表現力豊かなダンサーがいて、その上このような部屋ですから鬼に金棒的な演出だと思います。 |
●歌舞伎からヒントを得た衣装や黒衣 ●人魚姫のキャラクターと踊り
そうそう、王子と王女と人魚姫と詩人で踊る場面があるのですが、王子と王女がラブラブで二人とも悪い人ではないので人魚姫にも優しい。でも、二人は人魚姫に対しては小さな可愛い子どもに接するよう。どうしても王子に振り向いてもらえない人魚姫の哀しさがよくわかる詩人は、やはり心に痛みを感じている様子なのですが、人魚姫を慈しむ様にも見えて切なさいっぱいの場面です。←ここ、好き〜。 ●音楽>レーラ・アウエルバッハ ●ジョン・ノイマイヤー 2009/9/23 |
■ハンブルク・バレエ「人魚姫」全2幕 2009年3月1日(日)14:00〜 兵庫県立芸術文化センター 演出・振付・舞台装置・照明・衣装:ジョン・ノイマイヤー|音楽:レーラ・アウエルバッハ|指揮者:サイモン・ヒューウェット|ヴァイオリン:アントン・バラコフスキー|演奏:ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団 |
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詩人 | イヴァン・ウルバン |
人魚姫(詩人の創造物) | シルヴィア・アッツォーニ |
エドヴァート/王子 | カーステン・ユング |
ヘンリエッテ/王女 | エレーヌ・ブシェ |
海の魔法使い | オットー・ブベニチェク |
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