米團治襲名披露つづき

キーボードの調子が悪くて(力一杯叩いても、なかなか入力できないキーがいくつかある)、すらすら打てず、イライラです。
ざこば師匠の他に、米朝の直弟子の団朝、孫弟子の南光(昔べかこ、枝雀さんの弟子だったのね。で、枝雀さんは米朝の弟子だったのね。知らんかったー。)、同じく孫弟子の月亭八方(月亭可朝も米朝の弟子だったとは!)、そして、人間国宝の息子つながりで柳家小さんの計6名の公演でした。
団朝さんは、男ばかりが酒と肴を持ち寄って宴会を開こうとするも、みんな料理ができず、鯛の尾頭付きなんか全部犬にやっちゃうというお話。
南光さんは、義眼のモテ男をやっかむ酔っぱらいが喉が渇いたと言って、モテ男の枕元の湯飲みを失敬し、漬けてあった義眼ごと飲んでしまうというお話。
八方ちゃんは、テキ屋の売り口上に乗せられて、いんちき(?)本を買わされるお話。
いずれも爆笑の面白さでした。
特に団朝、南光、ざこばのお三方の枕からの話の流れは、「米朝一門ってスマート」「程がよい」という印象。文珍さんやかい枝さんは、枕で大いに笑いをとって、笑い疲れた頃に本題に入るって感じで、師匠が異なると落語も変わるものですね。
柳家小さんは、どんな噺だったかどうしても思い出せず(^_^;。
上方の賑やかさを差し引いても、つまんなかったし。お客さんが少ないことを何度もネタにされたのには閉口しました。(昼の部、夜の部、両方観た人の話では、夜の部はなかなかよかったそうです。)
さて、おおとりの五代目米團治。芝居狂いの若旦那が二階で丁稚相手に、忠臣蔵の七段目を再現するお話。身振り手振りを交えた熱演でした。
若いせいか、芸が急いておりまして、まだまだ上手とは言えませんでした。若旦那は、小言を言う父親にすべて役者口調で受け答えをするのですが、侍になったり、女形になったり形はできていると思いますので、あせらずゆったりと芸を披露してほしいと思います。
でも、それが最初からできれば天才です。自分を客観的に見て、あとは精進あるのみ。天才でなければ努力する才能が必要だと思ったことでした。
10月13日 昼の部
団朝・・・・寄合酒
南光・・・・義眼
小さん・・・?
ざこば・・・厩火事
-中入り-
口上(数字は進行役が指名した順番)
 米團治・・・・・・お辞儀のし通し。口上では物を言わないのですね。自分の噺が終わってから、今後ともよろしくと話していました。
 小さん(4?)・・人間国宝の先代小さんの話と米團治を誉め上げる。
 八方(3?)・・・上方落語家うん百人の中から抽選で襲名披露に選ばれ、常日頃ならそばにも寄れない人間国宝のご子息の半径5メートル以内に座すことができ光栄だが、米團治については付き合いがないので存じ上げない、それよりも私の師匠は今年の夏死んだ(ストーカー行為で捕まった(^_^;)、風前の灯火の月亭をなにとぞよろしくと、笑いを取るのに徹す。私は爆笑でした。
 南光(2?)・・・米團治のよいところ。男前。先斗町でもモテモテ。その界隈を歩くと米團治にそっくりな子どもが仰山。・・・・というような話だったかな?すごく面白かったし、米團治のことをちゃんと話していたけど忘れてしまいました(ごめん)。
 団朝(進行役)
 ざこば(1)・・・米團治を子どもの時から知っている。米朝の息子三人のうち誰かは落語家にならなと、枝雀と二人で米團治に入門をすすめた。米團治の褒めるところを探すが、思い浮かばない。正直でスンマセン。米團治という大きな名前が、畳んでポケットに入るくらいになった。褒めるところ、褒めるところ・・・・。あ、オペラにすごく詳しい。落語より詳しい(^Q^)。
八方・・・・・タイトル不明
米團治・・・・七段目

五代目桂米團治、襲名披露公演

めずらしく日記の二本立て。
本日、県民文化ホール(オレンジ)で落語を聴いてきました。
米團治(よねだんじ)は知らねども、桂ざこばが大好きで、ぜひ、話を聴いてみたいと常々思っておりまして飛びつきました。
ざこば師匠、思ったとおり、よかったわ~~~。
「芸は人となり」と言うのは本当で、ざこば師匠、繊細で優しくて、爆笑の連続の後にホロリとさせられたり、本当に行ってよかった~~。
お話の導入部(まくら)は、師匠の嫁さんの描写から。強気な嫁さんの態度にちっちゃくなりながら、怒りがたまっていて、もうずーっと離婚やと思ってまんねん。嫁の方も同じできっと誰かに離婚の相談に行ってると思う・・・・ってところから、お話の主人公(姉さん女房)が仲人の兄さんに離縁の相談に駆けつける場面へ。
このつながりは名人芸です。このまくらとのセットで噺が忘れられなくなるのです。
主な登場人物は、髪結いの姉さん女房、離縁を相談しに行った兄さん、髪結いの亭主なのですが、演じ分けがお見事!
特に主役の女房がいいわー。
ちょっと帰りが遅くなっただけで悪し様に言われたことが腹に据えかねるというわななきや、ろくでもない亭主だけど他人にこき下ろされると腹が立つという可愛さ、実は年下の亭主だから自分が老いたとき若い娘に走られたらどうしようという心配がいじらしく、亭主に惚れ込んだ様子がよく演じられています。
まー、よかったところを取り出したら全部書く羽目になるので、あと一つ、間の取り方が絶妙ということをご報告。
「しーん」という間が続くのは、今のお笑いの人にとっては恐怖なんじゃないかと思うのですが、ざこば師匠は余裕です。わざと「しーん」という間を取るのです。そうするとお客さんの方でジワジワと可笑しくなって笑い出す。この余裕の間というか、作戦の間は、文珍さんもやっていましたが、それぞれ異なる味わいがあるのも面白かったです。
おや、ここまでで、かなり時間が掛かってしまいました。
他の出演者や口上についても書きたかったんだけど、続きはまた後日。

源平布引滝

『イントゥ・ザ・ワイルド』のおかげで他の映画を観る気がしなくて、『その名にちなんで』などパスしてしまいました。他にもいっぱいパスしたけど悔いはないわ。なーんてね。本日感想をアップしたので、そろそろシネマイレージが貯まる頃だし、がんがん観まくるぞー。
その前に、せっかく観たお芝居の感想をば。
9月16日新橋演舞場で「源平布引滝」三幕を観ました。
一幕は、身重の妻葵御前と源氏の白旗を百姓九郎助とその娘小万に託し、自らは討ち死に覚悟で平家軍を迎え撃つ「義賢最期」。
二幕は、追っ手から逃れるため、大事な白旗を咥え琵琶湖に飛び込んだ小万が、敵方平家の御座船に救い上げられる「竹生島遊覧」。
三幕は、九郎助の家に葵御前がかくまわれているとの噂を聞きつけ、詮議に来た平家方斉藤別当実盛と瀬尾。なんとか言い逃れようとする九郎助は孫が湖で拾った「腕」を葵御前が生んだと言い張り、「そんなバカな」と怒る瀬尾に、「いやいや、腕を生むこともある」とうなずく実盛が実は・・・という「実盛物語」。
上演の機会が多いのは「義賢最期」と「実盛物語」とのことで、なるほど「竹生島遊覧」は「実盛物語」のなかで実盛が語るので、芝居の筋運びとしては必要ないと思いました。
烏帽子姿の海老蔵と小万(門之助)の熱演が観られるのがいいかな。
海老蔵の義賢は、ぶっきらぼうという意外はキャラクターはあまり立ってないものの(折平(権十郎)との腹芸などなど伸びしろはたくさん)、病を得て弱っているところとか感じがよく出ていました。声もずいぶん低くしていました。ちょっと色っぽかったりしました。
そして、なんと言っても平家軍との戦いですね。荒技はお手の物だけど、そんな軽々しいものではなく、本当に最後の戦いのように力を出し切る様に重量感とスケール感がありすごい迫力でした。また、悲壮な表情は胸に迫るものがあり、思わず落涙。圧倒されました。素晴らしい(拍手)。
戸板のうえに仁王立ちというワザも仏壇倒しも、もちろん決まりましたよ~(^_^)。仏壇倒しは海老ちゃん本気でぶっ倒れて怪我しないでねと念じておりましたら、ちゃんと怪我をしない程度にぶっ倒れて、加減というものを学んだなと(笑)。
実盛は、襲名披露の巡業で高知でも観ていましたが、その時と同様、キャラクターが立っています。ユーモアと余裕のある知将といった感じ。舞台外での実盛の言動なども想像できます。大まじめに「腕を生むことがある」「さて天竺では・・・」のくだりは本当に可笑しい。
清々しい幕切れで後味のよいお芝居です。この清々しさは実盛のキャラに負っていると思うので、(海老蔵贔屓の友人の話では小万を切ったときの語りが下手とのことで、こちらも伸びしろはあるようですが)海老蔵の実盛にハズレなしと思います。
それにしても、平家方の人物が源氏方に嫁いだり、その息子は源氏として平家方の祖父を討ち取ったり(実は孫に手柄を立てさせようとワザと討たれる)。昨日の敵は今日の友というか、味方の振りして実は敵だったり、敵味方が入り乱れて凄まじい世界だったのですね。>源平時代
源氏の白旗を守るためとか、主君のためとか、本懐を遂げるためとか、様々な犠牲があって、武士の世界は大変だと思いながら登場人物の心情に泣いたり笑ったりで楽しませていただきました。

夏の第九

夏の第九コンサートへ行ってきました。
第九の前にシューベルトの「未完成」交響曲の演奏があって、聴いたことがない曲なので、これも大変楽しみでした。第2楽章が終わって拍手があり、「あ、それで未完成か・・・。」と納得。
綺麗な旋律のところと、あらまあ、突然ビックリの大音響のところがあり、クラシックで寝るのは無理という思いを新にしました(笑)。
第九のオケは、う~ん。ホルンだかなんだかの金管楽器は、音を綺麗に出すのが難しいのかなぁ。ひっかかったような音が気になって(^_^;。
弦楽器は一体感があるので気持ちよく聴いていると、木管(上手)、金管と入るとバラバラした印象に。多分気持ちよく聴いている部分の方が長いでしょうし、いい演奏だとは思いますが、個人的には妙にスッキリしませんでした。(第2楽章はずーっと気持ちよく楽しかったです。)
しかし、合唱付きはいいですね!
この合唱で、もやっとがスッキリ。
ソリストの皆さんは、第4楽章が始まっても舞台に登場せず、いつ現れるのかしらと思っていたら、ソロの直前に、バリトンの山本さんがスポットライトを浴びながら上手の花道から登場。山本幸雄さん(パンフレットの写真と印象がずいぶん違いますが、山本さんですよね?)は、いいお声。背も高くて渋くてカッコいいわ~。
続いて下手の花道から残るお三方が登場。舞台を生かしたよい演出ですね。
テノール合田圭吾さん、アルト北村梢さん、山本さんの三重唱のところが、すごく綺麗でした。
池田理代子さんのソプラノは、ビブラートを利かしすぎだと思いました。
合唱団の皆さんは、よかったですよ~。弱音のところなんか綺麗でした。
ベートーヴェンの交響曲は堅牢な建築物のようです。建物の窓が開き、そこから風が吹いてきたり、小鳥のさえずりが聞こえたり。雷鳴がとどろいて土砂降りになろうとも、建物自体はゆるぎない。そんな交響曲ですね。
年末には、ピアノ協奏曲第4番と第九の演目で、またコンサートがあるみたいなので、是非、行きたいですが、金曜日だから忘年会と重なりそう。私は忘年会よりベートーヴェンなんだけどな~。