ツィッター復活

2、3週間は休むと思っていたら、1週間とちょっとだった。
どうやらノリッジというところへ運転免許のテストを受けに行っていたようだ。それで、また落ちたみたいで、「ノリッジなんか嫌いだ」と言っていた(笑)。笑わせてくれるから好っき~(はぁと)。

コクリコ坂から

1963年が舞台とはいえ、相思相愛の男女が実はきょうだいだった、という話は作り手も若干古いと思ったのだろう。
明治期の洋館で、生徒の部活の場である「カルチェラタン」の解体を阻止する運動の盛り上がりというか、生徒たちの活力と、町の活気に重きが置かれているような気がして、現在の若者や社会情勢が逆照射されているように感じた。
徳間書店の故徳間康快社長とジブリの関係をウィキなんかで予習していくと、より面白いかもしれない。
監督:宮崎吾朗
(TOHOシネマズ高知3 2011/07/24)

サウンド・オブ・ミュージック

わーーー!!!やっぱり、何度観てもワクワクする。歌の力ってすごいなぁ!
無人島に持って行くなら、このDVDだ。
マリア(ジュリー・アンドリュース)
トラップ大佐(クリストファー・プラマー)
男爵夫人(エリノア・パーカー)
マックスおじさん(リチャード・ヘイドン)
修道院長(ペギー・ウッド)
THE SOUND OF MUSIC 監督:ロバート・ワイズ
(TOHOシネマズ高知2 2011/07/23)

冷たい熱帯魚

園子温の脳みそを裏返しにして見せられた。
社本(吹越満)も村田(でんでん)も作家の分身なので、村田は社本のことを何もかもお見通し。村田に挑発されて自分を表に出したらマイナス・パワー炸裂。これは自己嫌悪の末の自爆映画だ。妙に笑えるところを含めて悪夢としてのリアリティが半端ではない。
世の中広いので爆弾に縁のない人もいるかもしれないが、多くの人は(自覚して、あるいは無自覚に)爆弾を抱えて生きている。私も爆弾を抱えていた時期にこの映画を観たらやばかった。2本目の『タクシー・ドライバー』になったかもしれない。だけど、今は爆弾持ってないので、それほど嵌らないですむ。『タクシー・ドライバー』は何度、映画館に行ったことか。それと、自分(個人)の問題を描いた作品としては『タクシー・ドライバー』より濃いと思う。
魚やワニが補食するシーンや、川のお魚ちゃんに美味しいものをやるシーンなど、食に関するシーンが多い。人間も捕食しないと生きていけない生き物で、生きようと思ったら必死で食べなくちゃいけない。社本の妻、妙子(神楽坂恵)が作る冒頭の投げやりな食事は人生を投げている感がありありだ。
村田はものすごく生きているので、食べるために都合よく殺し、都合の悪いものを殺す。あんまり生きていない社本にしたって妙子の作った食事を無理に食べ吐いたりしている。下界は苦労満載だ。
その点、天体は捕食不要。それゆえ、真に美しく、理想的な存在だ。プラネタリウムは下界に対する天上であり、そこでの親子三人は美しく幸せだ。三人仲良く暮らす。ささやかな願いではないか。でも、けっして叶いそうにない夢だ。『冷たい熱帯魚』という血色の文字とタイトルバックの儚さに泣けた。
社本にスイッチが入った(爆弾の導火線に火が付いた)瞬間は、いつだったか。村田に愛子(黒沢あすか)をやっちゃえと言われてだったか。それとも、俺(村田)に娘の美津子(梶原ひかり)を預けたのは、妙子といちゃつきたいからだろうと言われてだったか。ある意味図星で切れたのだろう。社本がいかにロマンチストで浮気御法度、天上の家族円満を願おうとも、欲望について100%の清廉潔白なんてナカナカないだろうから、村田も痛いところを突く。さすが分身。
タガが外れて(というか眼鏡を取られて)自由になって、娘も妻も思いどおり。殴るは犯すは。父親みたいな村田も殺す。自由っていいね(怖)。ただし、それはすべて作家の頭の中の出来事。頭の中で自分を自死させてもOK。頭の中なら自由度100%!だから、「人生は痛いんだぞ」と娘に言い残して死んでいく社本に花を持たせてやってもよかったはずだが、そうはしなかった。美津子に「やっと死んだか、糞ジジイ」と言わせるとは、どこまでも厳しい。
私はジョン・アーヴィングや西原理恵子のように厳しい現実に希望の粉をかけてくれる作家が好きだ。また、現実を現実としてどこまでも厳しく描く作家も好きだ。ムカツク自分自身と対峙し苦しさにのたうっているところ、この映画に遭遇して、自分一人ではなかったと思った人が、きっとどこかにいるはずだ。
監督:園子温
(2011/07/21 あたご劇場)