タイタニック 3D

私の泣き所。

  1. デッキの演奏家たちが一旦別れた後、一人がヴァイオリンを弾き始め、他の者たちも引き返して・・・のところ。メロディーが~(涙)。(船長を始め、船に残った人々に波が押し寄せるシーンにつながる。)
  2. ローズ(ケイト・ウィンスレット)が助けを呼ぶ笛を吹くところ。(ライトに照らされるローズの顔。意志的な瞳。)
  3. ラストシーン。中央階段の時計のところでジャック(レオナルド・ディカプリオ)が待っている。みんなが拍手でローズを迎える。(101歳までよく生きた!)

以上三カ所、キャメロン監督の演出力は侮れないと思う。2はウィンスレットの演技力もあるけれど、ローズの顔がライトに照らされて白く輝くところが、またいいのだ。

ディカプリオが魅力的!ときめくわ~。
不沈豪華客船という過信。原発を思わずにはいられなかった。
3D、悪かろうはずはないが、2Dでも充分なスケールだと思う。3Dは暗く映るので豪華客船の絢爛さや、暗い海に映る灯りの煌びやかさは2Dで観たときの方が上だった。

TITANIC
監督:ジェームズ・キャメロン
(2012/04/07 TOHOシネマズ高知9)

宇宙人ポール

おもしろかった!オタク万歳。
ポールのきらきらの眼が綺麗だった。言葉を覚えるときは、悪い言葉から覚えていくんだねぇ(笑)。
『E.T.』や『未知との遭遇』の他にも思い浮かぶ映画がいくつかあったけれど、『イージーライダー』を思い出した人はいるかしらん。あのおじさん二人の、よそ者に向ける目が怖くて。

PAUL
監督:グレッグ・モットーラ
(2012/04/01 あたご劇場)

シャーロック・ホームズ シャドウゲーム

前作を一応楽しんだにもかかわらず、しかもホームズファンでありながら、ちっとも食指が動かなかったけれど、マイクロフトをスティーヴン・フライが演じるとの情報を得て俄然観たくなった。
で、はははは!ホームズ(ロバート・ダウニー・JR)に負けず劣らず変人だった(笑)。そして、弟よりエレガントだった。
ジュード・ロウのワトソンもホームズのお守りが大変そうなところを見せて、なかなかよかった。(最近、ジュード・ロウのよさが、やっとわかってきた。)
モリアティ教授(ジャレッド・ハリス)の悪事の動機が戦争での儲けというのは、わかりやすいが浪漫がない。つくづくレクター博士を超えるのは難しい。
しかし、モリアティとホームズの戦いにおける各人の脳内シミュレーションは、これが映画だという感じでとても面白かった。

前作でも短いカットをつないでホームズの思考を表現していたような気がするけれど、あまり印象に残らなかったように思う。今回は、開巻間もない市場のシーンで、中国人に変装したホームズが数人の暴漢を相手に戦うときや、占い師シム(ノオミ・ラパス)のところで天上に潜む刺客に気づいたときなどに脳内シミュレーションが印象づけれらる。そのうえで、ライヘンバッハでモリアティとのクライマックスだ。
滝上のテラスでホームズは、教授の研究室を訪れたとき、あらゆるものを素早く観察し、隠し財産のありかを推理したことを明かす。かなり短いカットをつないでホームズの見たものを映像化しているわけで、人の思考の素早さを上手く表現していると思った。
(あるシャーロッキアンによると、対象を見れば瞬時に答えが出るホームズの推理は、「思考」を超越した「勘」だという。「勘」とは豊富な知識や経験の蓄積と論理的思考回路の発達がものをいうとのことだ。短いカットをつないで「思考」を表現できても、「勘」をどう撮るか。すぐさま閃いたら映画監督になれるかも。)

今回、ライヘンバッハには意表を突かれたし、汽車での欧州大移動もスケールがあってよかったが、別のキャスト、スタッフでもっとホームズものを観たい。

SHERLOCK HOLMES: A GAME OF SHADOWS
監督:ガイ・リッチー
(2012/03/26 TOHOシネマズ高知2)

僕達急行 A列車で行こう

僕達急行は、ゆっくりと動く。ゆっくり加減が気持ちいい。
微かな音や微妙な表情でクスクスと笑える。クスクス笑いで、くつろげる。

高校一年のとき、担任のN先生が、働き出すとなかなか友だちはできない、青春時代の友だちは一生ものと言っていたことを思い出す。
昔の職場の上司が、命を懸けられるのが友だちで、懸けられなかったら友だちとは言わないと言ったことも思い出す。
そのどちらでもない友だちが、スクリーンの中で微笑み合っている。

残念なのは、森田監督の新作はもう観られないことだ。なんのかんの言って、リアルタイムで30年以上も観続けた。『家族ゲーム』がテレビで放送されたとき、最も重要なシーンがカットされていて、「あ、監督本人がカットしたな」と思ったらそのとおりだったのが嬉しかった。とんがりが取れて、作品もまるくなってきて、これからもいっしょに老いていくつもりだったので訃報には驚いた。せちがらい世の中に、あったかい作品を遺していってくれたと思いながら映画館をあとにした。

小町圭(松山ケンイチ)
小玉健太(瑛太)

監督:森田芳光
(2012/03/24 TOHOシネマズ高知1)