名画の謎

中野京子著「怖い絵」シリーズが面白かったので、「名画の謎(ギリシャ神話編)」も読んでみた。
レーピンの「イワン雷帝とその息子」に匹敵する衝撃的な絵はなかったけれど、ギリシャ神話が面白いからなぁ。絵の解説も面白くないわけがない。著者も乗って書いている様子で、著者の個性がよく出ていると思う。けっこう笑えるので、忘れた頃に読み返してみてもいいかな。
腐女子をターゲットとした(?)「美男美術史入門」(池間草著)というのを書店で見つけて「わーい」と思い手に取ったものの、図画は多いが文字が少なく、日本画の美男まで触れているのはいいけれど、西洋画にも日本画にも私好みの美男はいずこ???という感じで結局、棚に戻した。
美男美術史入門  女子のための鑑賞レッスン>本の中みたい!
どんな本なのか紹介。目次とか。
池間 草 『美男美術史♥入門』>名作文学いらっしゃいまし
書評。おもしろい!
『美男美術史入門 : 女子のための鑑賞レッスン』池間草著(美術出版社)>*さいはての西*
書評。私の触手が動かなかった訳がわかったような気がした。

カキフライが無いなら来なかった

面白かった。いろんな楽しみ方があると思うけど、私は他の人がどんなイメージを持ったかたずねて楽しんだ。以下は、12歳の小学生から70歳代の大人まで3~8人にたずねた結果だ。
タイトルのカキフライが無いなら来なかったは、ほとんどの人がどこかの食べ物屋さんで期待したカキフライが品切れという場面が思い浮かんだようだ。
中には、予告したうえで実家に帰ったので、好物であるカキフライを作ってくれているものと思っていたところ、作ってくれてなかったという場面が浮かんだという人がいた。
フタをしめない主義なのか
ビン、タッパ、鍋など台所用品のフタを思い浮かべる人が多かった。
トイレのフタと言う人が二人いた(どちらも男性)。そのうち一人は、公衆便所に入ったところ、前に使った人がフタをしめていない。何か文句の一つも言いたいが、既にその人物はいない。そこで便器に向かってつぶやいた一言。と、具体的に答えてくれた。
フタをしめない人に向かって言った一言を思った人の方が多いが、自分のことを言われていると思った人も二人いた。
また、風呂の蓋を思い浮かべた人もいた。風呂とは本来、蓋など閉めず、風呂場に蒸気を充満させて使うものであるはずだし、出来るものならそうしたいが、家庭用の風呂など蓋をしないと不経済である。「主義」とはニュアンスが違うが、この句を聞いて風呂のあるべき姿が思い浮かんだとのことだった。
地面で回って回って止まって死ぬ
この句は何が死ぬのか、思い浮かんだ生き物を答える人が多かった(当然そうなると思う)。最後の「死ぬ」を聞くまでは、独楽を思い浮かべたという人が2、3人いた。そのうち一人は「死ぬ」までを聞いても、やはり独楽とのことだった。
思い浮かばないという人や首を切られたニワトリという人もいたが、だいたいは蟻、虫という答えだった。
私自身は、どうして「人間」という人がいないのだろうと不思議だった(『灰とダイアモンド』と黒澤監督のどの作品だったか三船敏郎扮する人物が地面をのたうち回る場面を思い浮かべていた)が、最後に「人間」と答えてくれた人がいてホッとした。
実はこの句は「地面で回って回って止まって蝉が死ぬ」というものだ。「蝉が」を除いた方が想像の余地があり、より文学的だと思う。
第二弾「まさかジープで来るとは」が既に発行されていることをCRYさんに教えてもらったので、本は読んでないが、それも聞いてみた。
まさかジープで来るとは
思い浮かばないという人一人。
合コンで知り合ったワンレン・ボディコン・ハイヒールの女性と休日に待ち合わせたところジープで来たと言う人一人。
マッカーサーと言う人一人。マッカーサーは飛行機で来たはずなのにジープと聞くと進駐軍と共に彼が思い浮かぶとのことだった。
「カキフライが無いなら来なかった」にもどって、この本(句集?)の中からいくつか抜き書き。
あなたはどんな場面が思い浮かびますか?
ホクロの位置は変わってなかった
御食事処しかない
大家を睨み返した
どれも全巻ないあなたの家で
無頓着自由人風のナルシスト

「欲望」

映画を見れなかったので、Sさんから原作を借りました。
おもしろくてあっという間に読み終わりました。
書き出しからして、この作家の文章が気に入りました。簡潔で抑制が効いていて、登場人物本人が書いた文章であるというリアリティもあり、感心しました。
だけど、すごく面白かったにも関わらず、あまり感慨はなかったです。それは、多分、三島的要素(主に結末)が、私の生活にリンクするところが全くないせいだと思います。
もし、完全に三島由紀夫のような小説であったとしたら、その虚構の世界にのめりこめたかもしれませんが、三島のようで三島でない、この小説の理知的な部分が、わたくしに冷静に読み終わらせたという気がします。
う~ん、狂えなくってすみません。
あ、いかん。大事なことを書き忘れていました。
精神と肉体が別々のものを求める、で、精神が求めるものが勝るという感覚、そこを書いてくれてありがとうって感じ。特に女性を主人公に、それを書いてくれてよかったです。

週刊光源氏総集編

という雑誌を購入。
これいいわ〜〜(笑)。
光源氏が亡くなるまでの物語は、これでバッチリわかります。
広告なんかもあって、「今年の夏は、白い扇であなたもステキな恋を見つけませんか 扇屋 夕顔堂」とか「慎み深い本場の味 入道印のタコヤキ 明石タコ」とか、笑える〜。
まじめに書かれた本で、初版が1998年。
「あなたはどのタイプ?源氏物語版性格チャート」でイエス、ノーをたどって行ったら、私は末摘花になりましたー!ひえ〜、このチャート、あなどれんかも(笑)。