スインギン・サミット

うん、なかなか楽しいコンサートでした。>谷口英治とスインギン・サミット
軽快で上品。とても聞きよい、こなれたジャズでした。
いっしょに行った友達は、ギラギラしてなくてよいと言っておりました。お人柄が出るからね〜とも。
谷口さんのクラリネットの音色が大変よろしいですね〜。
音が粒だっているというか、一つ一つの音がちゃんと綺麗に出て、それがつながって曲として聞こえるって感じで、それは弱く吹いても強く吹いても裏声みたいな(いななきみたいな)音のときでさえ磨き抜かれた音。だから品よく聞こえるのかもしれないですね。
おしゃべりもお好きなようで、結構受けてましたよね。ジャズ初心者でも楽しめるように、コード(和音)進行の中で元のメロディとは違ったメロディを作って行くんだよー(←これが即興)と説明してくれて、リパブリック讃歌(タロさんの赤ちゃんが風邪ひいた)で実演。
また、即興が成功すると当人が悦に入ってニヤニヤし、失敗すると他のメンバーがニヤニヤするので、そういうのを見てもらうのがライブの醍醐味だ(笑)とかお話してくれました。
裏拍子(2拍目と4拍目)で指パッチンしてねと観客も参加しての「大きな古時計」演奏も楽しく、お客さんもノリノリで2時間弱があっという間でありました。
1 ソフト・ウィンズ
2 スイート・ジョージア・ブラウン
3 ムーン・リバー
4 リパブリック讃歌
5 スターダスト
6 A列車で行こう
 (休憩10分)
7 イン・ザ・ムード
8 セント・トーマス
9 大きな古時計
10 鈴懸の径
11 メモリーズ・オブ・ユー
12 君去りし後
 (アンコール:リクエストに応じて)
 茶色の小瓶

噂音菊柳澤騒動

11月12日に国立劇場で歌舞伎の通し狂言を見てきました。「噂音菊柳澤騒動」(かねてきくやなぎさわそうどう)と読み、100年ぶりの上演だそうです。
通し狂言というのは、みんなこのお芝居のように盛りだくさんなんでしょうか。ある幕では松健サンバもどきで笑いを取りーの、またある幕では義太夫で泣かせーの、はたまた大詰めでは大立ち回りがありーの、12時から4時半過ぎまでたっぷり楽しませてもらいました。
非常によく出来た芝居で、将軍(菊之助)に自分の妻(時蔵)を差出し出世しようとする侍(菊五郎)と、若旦那(菊之助)に女房(時蔵)を差出し身代を築こうとする町人(菊五郎)。身分の上下に関わらず色と金への欲は変わりがないことを交互に見せます。お上の話がそれからどうなったかは、下々の者が引き継いで見せるというわけです。
この見せ方がまずもって面白いうえに、看板役者数人がそれぞれ一人何役も演じるので、観客としては役者の変化も楽しめます。
ただし、大詰めの大立ち回りは、筋書き上なぜそうなるのか流れが不自然で、大詰めを盛り上げるために乱闘場面を用意したように思われました。
また、時蔵さんが柳澤の妻(ということは将軍綱吉の愛人)を演じるのはいいのですが、綱吉の正室まで演じるのはいかがなものでしょう。セリフを始めると、ちゃんと別人になっていましたが、それまでは「あれ?柳澤の妻?」と思ってしまいました。
ここは、時蔵さんには思い切って老け役をやってもらいたかったな〜。四幕の三間右近(菊五郎)の母をやってくれたら、下女おしづ(菊之助)ともども、主役の三人が全五幕に出ずっぱり!再演の際には、是非ともそうしてくださいまし。
えー、さてー、私の好きな菊ちゃんは(菊之助の方ね)、将軍綱吉の和歌を愛する初心な時代から生類哀れみの令を出すような殿様への変貌ぶりも上品に、木目細かに演じておりました。上手いです。(若旦那は若すぎると思ったけど。というのは相手役の時蔵さんの姉さんぶりと比較してです。)立役もいいわ〜。きれいだもんね〜。
でも、下女おしづには泣かされた〜。右近に求婚されて嬉しいけれど身分違いゆえ心ならずも断る次第。右近とその母が自害したのを見ての驚愕の面持ち。身をもみしだく様のいろっぽさ。心からの表情が、顔だけじゃなく身体全体で表現されていて感動しました。
菊五郎さんは、見得を切るときとっても上品なのね。菊ちゃんもお父さんの芸を引き継いで、やりすぎないのだわ。
あ、そうそう、大立ち回りのとき、セリフをとちった人がいて(そのとちりぶりがあまりにも派手だったもので本人も会場も笑ったのですが)、菊五郎さんまで吹いていたのが可笑しかったです。やはり、生の舞台っておもしろいですねえ!
うわーーーーー!!!!これを忘れちゃいけない。
綱吉、柳澤奥方おさめ、柳澤の三人の関係をずばり見せた三幕一場がとてもよかったです。柳澤が操る綱吉人形とおさめ人形が艶っぽい関係になるという踊り。幻想的で夢のよう。と思ったら、次の場で若旦那とおりうが見た夢で・・・・・とつながります。芝居(すじがき)の流れとしてもいいし、菊ちゃんの人形振りが見れるのもいいし、この最高の場面を書き落としちゃダメダメでした〜。
ご機嫌!歌舞伎ライフ噂音菊柳澤騒動レポートをご覧ください。

金森穣

 9月10日(金)に発売された「Noism04 black ice」のチケットを昨日ゲットしました。
 11月27日(土)に県立美術館ホールで上演される金森穣の演出・振付のダンス公演です。高知大丸で買いましたが、私の他には1枚しか売れていませんでした。おかげですっごくいい席です。
 売れ残ったらもったいないので宣伝。
高知県立美術館の金森穣Noism04公演ページ
金森穣オフィシャルサイト

能と狂言の会の野村萬斎さま

3月13日(土)に県民文化ホール(オレンジ)で催された国際ソロプチミ スト高知主催の上記の会に行って来ました。 満席でした。
いや〜、萬斎さま、いろっぽい。素で妖気を発していらっしゃいました。話 すこと、ことごとく受けまくり。話術もなかなかのもの。 観世喜正さま、初めてお見受けいたしましたが、この方もお話し上手でいら っしゃいますわね。
狂言は、前進座のお芝居や歌舞伎の一幕で見たことがありましたが、こちら の狂言は、ちゃんと歌われるのですね。狂言ってわかりやすくて、ほんと、 笑えます。
能は、六条御息所が葵上の枕もとへ生霊となって出て来る場面のお芝居でし た。歌がまったく聴き取れないのが残念。英語のヒアリングより難しかった です。なんとか聴き取れるようになりたいものです。
聴き取れなかったので退屈で、やたらと「よぉ〜、よぉ〜」と言っているの が印象に残ったくらいで。 あ、動いてないのに動いているのはおもしろかったです。(←動いていない ように見えるのに、いつのまにか動いているということ。)
そうそう、泥眼の面のときは、本当に貴人で女性のように見えました。さっ き、解説していた観世さまとは別人。 般若の面をつけたときの動きは、また別の動きでした。 能をおもしろがれるようになりたいな〜。
「国際ソロプチミストは、管理職専門に就いている女性の世界的組織で、人 権と女性の地位を高める奉仕活動をしている」とのこと。 ラテン語のソロ(姉妹)とオプチマ(最良の)で作られた言葉、ソロプチミ スト(女性にとって最良のもの)だそうです。 それで、この催しはチャリティーなのだと、入場時に配られたパンフレット で知りました。
1部 トークセッション「能と狂言」
   野村萬斎と観世喜正による解説
2部 狂言「悪太郎」
   シテ(悪太郎) 野村萬斎
   アド(伯父)   野村万之助
   アド(僧)    深田博治
   後見       月崎晴夫
3部 能「葵上 梓之出 空之祈」
   前シテ(六条御息所の生霊) 観世喜正
   後シテ(六条御息所の怨霊) 観世喜正
   ツレ(照日ノ巫女)      坂真太郎
   ワキ(横川小聖)       森 常好
   ワキツレ(臣下)       舘田善博
   アイ(左大臣の家の男)    深田博治
   笛、小鼓、大鼓、太鼓、後見、地謡