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ある子供
自分の情けなさを自覚して大人になる
L' ENFAN THE CHILD
監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ(2005年/ベルギー、フランス/95分)
ブリュノ:ジェレミー・レニエ|ソニア:デボラ・フランソワ|スティーヴ:ジェレミー・スガール

いや〜、先の展開が読めず、たいへん面白かったです〜!
ブリュノは、アホかと思えるほどなさけない男。しかし、彼を大人の男と思うからアホだと思うのであって、体は大きいけど中味は子供(つるんで悪事を働いていた14歳の少年スティーヴと同じくらいの精神年齢)とわかれば、アホだとばかり言えません。子供らしい良いところもあります。つまり、悪事を働いてもちょろまかしはしないし、人を疑わないし、けっこう素直です。スティーヴの方が「(僕を置いて)逃げるつもりだろう!」と言ったりして、人を疑うとはブリュノより精神年齢が高いかも(汗)。
こんなブリュノになったのは、彼の母親が子供を育てる能力がなかったからです。ワンシーンの登場で、ブリュノと母親の関係がわかる演出は、素晴らしいです。
一方、若い母親ソニアは、子育てをしなければならない自覚があるし、育てる力もありそう。彼女がブリュノを叩き出したとき、「よくぞ追い出した」「あなたなら、一人でも育てられる(がんばれ)」と思いました。

ラストシーンのブリュノは、自分自身の情けなさに涙か出ます。彼は、刑務所に入るまで、自分の子供を売ったことがそれほど悪いことだと思っていませんでした。本当に軽い気持ちで売ったのね。ソニアに追い出されても、彼女が怒っているから、許してほしくてすがっただけで、深い反省なんかしていませんでした。
ソニアとしては、ブリュノのことをまだ好きだから面会に来たけれど、彼を許したわけではありませんでした。でも、彼の突然の涙に悪いことをしたという自覚を感じて、許す気になったのだと思います。
自己嫌悪というのは辛いけれど、それなしでは成長はありえないんじゃないでしょうか。ブリュノもちっとは成長したと思います。
しかし、試行錯誤は続くだろうなぁ。ソニアは苦労するでしょう。二人の子供を育てなくてはならないからね〜。

●追記
大事なエピソードを一つ書き漏らしていました。
ブリュノが自首をしたこと。
これで彼もスティーヴの精神年齢を超えたかも。

こうちコミュニティシネマ 高知県立美術館ホール 2006/4/14
 
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