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■ピックアップ>2004年オフシアター・ベストテン



チラシ『インファナル・アフェア』
外国映画97本
順位 映画名 主催者 観た人 × ポイント
(◎-×)
1 ドッグヴィル ムービー・ジャンキー 10 3 7 4
2 ションヤンの酒家 高知アジア映画実行委員会 10 2 6 4
3 ぼくは怖くない シネマ・サンライズ 8 1 5 4
4 わが故郷の歌 シネマ・サンライズ 10 1 5 4
5 岸辺のふたり 県立美術館 6   4 4
5 キリクと魔女 四国文映社 6   4 4
7 奇跡 県立美術館 9   4 4
8 フリーダ ムービー・ジャンキー
県立美術館
10   4 4
9 アフガン零年 「コミュニティシネマ」を作る会 6   3 3
10 イン・アメリカ 三つの小さな願いごと 芸術祭特選映画会 7   3 3
  ビッグ・フィッシュ ムービー・ジャンキー 8   3 3
  少女の髪どめ 市民映画会 9   3 3
  永遠のマリア・カラス 市民映画会 10   3 3
  マグダレンの祈り シネマ・サンライズ 10   3 3
  インファナル・アフェア ムービー・ジャンキー 10 3 6 3
  エレファント シネマLTG 10 2 4 2
  イン・ディス・ワールド シネマ・サンライズ 11 2 4 2



日本映画76本
順位 映画名 主催者 観た人 × ポイント
(◎-×)
1 ジョゼと虎と魚たち シネマLTG 8 1 7 6
2 美しい夏、キリシマ シネマ・サンライズ 7   6 6
3 東京ゴッドファーザーズ ムービー・ジャンキー 8 1 6 5
4 アニメーション連句「冬の日」 シネマ・サンライズ 9 1 6 5
5 チルソクの夏 四国文映社 5   4 4
6 茶の味 ムービー・ジャンキー 7   4 4
7 きょうのできごと ムービー・ジャンキー 6 1 4 3
8 ドッペルゲンガー ムービー・ジャンキー 8 1 4 3
9 油断大敵 シネマ・サンライズ 10   3 3
10 美しさと哀しみと 小夏の映画会 3   2 2
10 みなまた日記−甦る魂を訪ねて 県立美術館 3   2 2
  赤目四十八瀧心中未遂 ムービー・ジャンキー
高知シネマクラブ
8   2 2
  海盗り−下北半島・浜関根 県立美術館 3 1 2 1
  回想・川本輝夫 ミナマタ−井戸を掘ったひと 県立美術館 3 1 2 1


■概況
1月30日(日)に朝日新聞高知総局の会議室で、2004年高知のオフシアター・ベストテン選考会が開かれました。オフシアター・ベストテンは、自主上映グループの皆さんが1998年から始め、朝日新聞が主催者に加わってからは3回目の開催となります。
参加者は、自主上映に携わる方々と公募により参加した映画ファンの計14名でした。定員には足りませんでしたが、初参加のどなたもが、大変おもしろかったと述べられたほど密度の高い有意義な会となりました。
結果は、朝日新聞高知版のページに、1月31日(月)に速報が、2月3日(木)に詳細が発表されていますが、私も参加しましたので以下にレポートします。新聞と併せてご覧いただければ幸いです。
なお、第1位の作品『ドッグヴィル』『ジョゼと虎と魚たち』は、7月に高知未公開作品とあわせて無料で上映される予定です。


■ルール
選考方法は以下の1から7までのとおりです。このルールの最大の特徴は、ベストテンに入れたくない作品に対して拒否票を投じることができることです。
うえの表の◎欄はベストテンに入れたい人の数、×欄は拒否票の数、ポイント欄はベストテンに入れたい人の数から拒否票の数を差引いた数です。
  1. 投票権は一人10票までで、1作品1票。
  2. 拒否権は一人3票までで、1作品1票。
  3. 投票結果を見て、拒否権を使いたい人がマイナス票を投票。
  4. 投票数とマイナス投票数の差引きポイントで順位を決める。
  5. ポイントが同点の場合は、得票数の多い作品を上位とする。
  6. ポイントも得票数も同じ場合は、観た人の少ない作品を上位とする。
  7. 投票をするまえに、自由に推薦や批判の弁を募る。
■外国映画の順位について
『ドッグヴィル』強し。拒否票が3票も入ったにもかかわらず、第1位の座を維持しました。ベストテンに推す理由は、「誰でも持っている人間の負の面を強烈に描いていた」「ニコール・キッドマンの代表作」「アメリカ好きのアメリカ批判がおもしろい」「セットを設けない斬新さ」「ものすごい演出力」などでした。拒否票の理由は、「すごい作品だが、好きではない」「長い」「力のある作品だが、もう一度観たいとは思わない」などでした。ベストテンに票を入れた人の中にも、拒否票を投じた人が複数いました。

第7位の『奇跡』は、県立美術館がカール・ドライヤー監督の特集上映を行った中からの1本です。ドライヤー監督作品を初めて観て感動し、もっとうえの順位にしたいという人がいました。また、昨年の特集上映で初めて観た『裁かるるジャンヌ』の方に投じた方も2名いました。しかしながら、旧作であり既に映画史上に名を残す評価を得ていることでもありますので、2004年に上映されたメモリアル的な位置付けで、上位よりもこのあたりが妥当だろうという意見もありました。

■日本映画の順位について
『ジョゼと虎と魚たち』に拒否票が1票入りましたが、暫定第1位から不動のまま第1位に確定しました。拒否票の理由は「障害者をバカにした描き方」というものでしたが、「偽善臭さがなく、障害者を一人の人間としてよく描けている」という意見もありました。「大好きな原作と比べても遜色なし」「俳優の演技力がよかった」「主役の二人の心の動きに共感できた」と絶賛モードの中、障害者の描き方について一石投じた意見は、大変貴重だったと思います。

第10位の『美しさと哀しみと』は、裸もそれらしいシーンも全然ないのに、八千草薫と加賀まり子の関係がめちゃめちゃ妖しかったそうで、ベストテンに投じた二人の感想を聞いていると、観ればよかったとめちゃめちゃ後悔しました。

同じく第10位の『ミナマタ日記−甦る魂を訪ねて』は、県立美術館が土本典昭監督のドキュメンタリー作品を特集上映した中からの1本です。第13位の『海盗り−下北半島・浜関根』『回想・川本輝夫 ミナマタ−井戸を掘ったひと』も土本監督の作品で、いずれもが暫定第10位に並んでおりました。観た人の中で「3作品とも10位にすることもなかろう」、「新しい作品を入れよう」と話し合われ、紳士的に拒否票を投じて、2004年の作品がベストテンに残されました。

■今年の特別賞
今年の特別賞(僭越ながら当サイトが贈る賞)は、『インファナル・アフェア』です。観た人と拒否票の数では第1位の『ドッグヴィル』と並び、ベストテンに入れたい人の数では第2位の『ションヤンの酒家』に並んでいるにもかかわらず、熾烈な第1位争いのあおりを食って第15位に転落してしまいました。
『インファナル・アフェア』に対する拒否票3は、決してベストテンに入れたくないというものではありません。拒否票が入り暫定第1位から第2位に落ちた『ドッグヴィル』、そのかわり第1位に浮上した『インファナル・アフェア』。一時、そういう状態だったもので、『ドッグヴィル』を第1位に戻したい人が『インファナル・アフェア』に拒否票を投じたり、『ションヤンの酒家』と比較のうえで「そりゃ、ションヤンが上位でしょう」と差をつけるために投じたりしたもので、結果的に圏外となったのです。
ベストテン入りする力と人気のある作品であることは間違いないと思いますので、特別賞を進呈し、うえの画像は『インファナル・アフェア』のチラシにしました。まあ、この可哀相な成り行きは、憂愁の娯楽作にふさわしい運命とも言え、個人的にはけっこう気に入っていたりもします(笑)。

■参加しての感想
1 時間短縮
パソコンを導入したためか、司会者の運営がよかったのか、ささやかながら選考時間が短くなったと思います。

2 懇親会
初めての人ともお話できて楽しかったです。バスの時間という歯止めがなかったら、とことん話しこんだかも〜。

3 愛と間のベストテン
2004年には、『殺人の追憶』『オアシス』という圧倒的な力のある作品が高知でも公開されました。
しかし、あたご劇場で上映されたうえの2作品は、「県民が選ぶ映画ベストテン」の対象作品です。「県民が選ぶ映画ベストテン」は下の表のように観た人が多い作品がベストテンに入りやすい傾向にありますので、『殺人の追憶』『オアシス』に力があってもお客さんの入りが少ないとベストテン入りは難しい面があります。
このように力のある作品でありながら、「オフシアター・ベストテン」の選考対象とならず、「県民が選ぶ映画ベストテン」入りが難しいのは、なんとも作品が気の毒です。
どっかで拾ってやれんもんでしょうか。(まあ、キネ旬とかのベストテンには入っているので、それでよしとしてもいいですが。)
「オフシアター・ベストテン」と「県民が選ぶ映画ベストテン」のハザマのベストテン、名付けて「落穂拾い」、若しくは「愛と間のベストテン」なんていかがでしょうか。
とりあえず、2004年の愛と間のベストテンは、『殺人の追憶』『オアシス』ってことで。(←「テン」じゃない「ツー」やんかーっ、と一人ツッコミ。)

■選考結果表(画像170kb×3枚)←←←●重いのでご注意ください。
(情報提供:高知のオフシアター・ベストテン選考会事務局)
ベスト11以下の得点が一覧になっています。また、選考の対象となった作品(2004年に高知のオフシアターで上映されたほとんどの作品)がわかります。


■2003年オフシアター・ベストテン



第50回県民が選ぶ映画ベストテン(2004年12月18日高知新聞より:応募総数734)
順位日本映画外国映画
1いま、会いにゆきますハリー・ポッターとアズカバンの囚人
2世界の中心で、愛をさけぶロード・オブ・ザ・リング 王の帰還
3ハウルの動く城ラスト・サムライ
4クイールスパイダーマン2
5笑いの大学ファインディング・ニモ
6誰も知らないアイ・ロボット
7釣りバカ日誌15スパイキッズ3−D
8半落ちシルミドSILMIDO
9スウィングガールズシュレック2
10赤い月ウォルター少年と、夏の休日


2005/2/6


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