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■かるかん>24アワー・パーティ・ピープル|北京ヴァイオリン
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24アワー・パーティ・ピープル
愛しき24時間パーティ・スピリッツ
24HOUR PARTY PEOPLE
監督:マイケル・ウィンターボトム|脚本:フランク・コットレル・ボイス|撮影:ロビー・ミュラー
トニー・ウィルソン:スティーヴ・クーガン|イアン・カーティス:ショーン・ハリス|マーティン・ハネット:アンディ・サーキス

見ている間は、クスリと笑いながらも、こんなものかと思っていたのでしたが、見終わった後、妙に心に残っている不思議な作品でした。

まず、この映画の魅力はサイケなことです。
主として80年代のマンチェスター(イギリス)が舞台なのですが、ファクトリーというレコード会社とハシエンダというディスコの栄枯盛衰の物語の中に、60年代から70年代にかけての混沌として自由で貧乏な雰囲気が横溢しています。フラワーな雰囲気じゃないところが、イギリスなんですかね〜。笑える映画なのですが、この笑いもイギリスっぽいです。

次にトニー・ウィルソン。
私は、ファクトリーもハシエンダも知らなかったし、出てくるバンドも全く聴いたことがなくて、大好きなウィンターボトム作品とはいえ、ついて行けるか心配していたのですが、トニー・ウィルソンというユニークな狂言回しのおかげで何とかついて行けました。
トニー・ウィルソンの何者にも影響されないマイペースぶりは、うらやましくなるほどです。2度目の妻が入院中に愛人と暮らしているのですが、おいおいおいとツッコミを入れるどころか、こういう人なんだ〜と妙に納得してしまいました(笑)。オフビート系の面白い人でした。

そして、オチがよかったです。
ファクトリー・レコードは、アーティストの自由な創造性を優先した経営といえば理想的なのですが、かなり行き当たりばったりの経営のため、ついに倒産します。倒産する前にハシエンダごと会社を買ってくれる人が現れたにもかかわらず、売らなかったのです。売ればよかったのに「アホやな〜」と思ったのですが、よく考えてみたら、ファクトリーはアーティストを契約書で縛るようなことはしていなかったので、レコードの版権は持っていないし、売れるものは何もなかったのです(爆)。
これは、ビジネスの尺度で見ると確かにアホでしょう。しかし、契約書の代わりの皆の寄せ書きが、可笑しくも愛しく思えます。心に残るのは、そのせいかもしれません。

シネマ・サンライズ 県民文化ホール(グリーン) 2003/08/29


   
 
北京ヴァイオリン
音楽は心なのだ。

監督:チェン・カイコー

冒頭、主人公の男の子が田舎の川辺を走って行きます。その足元には、ピカピカのスニーカー。ああ、中国の田舎も日本と変わらんようになったね〜と思っていると、次はどどーん!北京の大都会です。う〜ん、高度経済成長期ですね〜。今の中国をご覧あれというところですかな。そういえば、文化大革命の頃はヴァイオリンは火にくべられていたよね。などと思っているうちに役者が出揃い、この映画がコテコテのベタベタの少年成長ものであることがわかります。
ところが、どっこい、それは私の早とちりでありました。この映画、型に嵌っているようで嵌っていない変な映画だったのです。

●ネタバレ感想
まず、ヴァイオリンを志す少年にしては、俗っぽいのが型やぶり。楽譜の間に綺麗なお姉さんの写真を挿んでいたり、駅で見かけたお姉さんに憧れたり。でも、考えてみたら、少年はヴァイオリンを志しているわけではなくて、仮に志していても思春期にさしかかる男の子としては、お姉さんに興味を示すのは、しごく健全であたりまえのことなのですね。

それから、ヴァイオリンのコンクールが八百長だったこと。普通、子どもが主人公の映画で八百長を描いたりしますかね?そんな、夢も希望もない(笑)。
また、ヴァイオリンで成功するには偉い先生でなくてはダメだということが、これまたショック。いや、現実の世の中ではそうでしょうが、私は猫と暮らすチアン先生が髪型も含めて大好きになっていたので、この失意の先生が少年の才能に接し、やがて発奮して共にコンクールで勝利する日が来る!と思っていたのですよ。

そして、少年が実は捨て子だったという事実。これは、またベタな展開だと半ば閉口気味だったのですが、思ってもみなかったのはラストの展開です。
まさか、少年が、コンクールを放り出して父親を追いかけるとは思いませんでした。この展開には、ユン先生をして「君の音楽には心がある」と言わしめた少年の才能に疑いを持っていた私も、そうかもしれないと納得させられました。つまり、少年にとっては、コンクールなどどうでもいいことなのです。彼は、誰かのために弾く、自分が弾きたいときに弾く、自分を表現するために弾くのです。曲想とか曲の解釈など関係ありません。音楽というのは、そういうものかもしれない。そう思うと、チアン先生以外は好きになれないこの映画に感動してもいいかないいかなという気になりました。(あの男の子の演技には、涙腺を刺激されるよね〜。親子の情を描いた映画と受けとめる人は多いと思いますが、私にとっては違うのねん。)

ところで、ユン先生はチェン・カイコーに似てるな〜、知り合いの監督作品に友情出演?と思っていたら、なんとこの映画、チェン・カイコー作品だったのですね〜。こんな映画も撮るのか〜。

あたご劇場 2003/08/29


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