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■かるかん>イン・ザ・カット|死ぬまでにしたい10のこと
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イン・ザ・カット
男性不信サスペンス、求めずにはいられない
In The Cut
監督、脚本:ジェーン・カンピオン(2003年 アメリカ 1時間59分)
フラニー:メグ・ライアン|マロイ刑事:マーク・ラファロ|ジョン・グレイ:ケビン・ベーコン

ミステリーとしては、取ってつけたような犯人と結末で今一つの出来でしたが、欲望と不安とで理性がぶっ飛びかけた女性の心と身体を描いた作品としては、かなり興味深く見ることができました。
しかし、観客にも不安感を伝染させる執拗なまでの演出の仕方には、血圧を上昇させられ胸のむかつきを覚えるほどでした。

●ネタバレ感想
それにしても、殺人犯かもしれない相手とベッドイン・・・・・というのは、理性が飛んだ場合、わからんではないですが、理性がもどって付き合いつづける・・・・というのも、わからんではないですが、やはり、そういう相手には、心を許せないですよね。このように全面的に心を許せなかったり、疑心暗鬼になったりというのは、相手のことを殺人犯かもしれないと疑っている場合でなくても(つまり普通の相手でも)、付き合いの過程においては誰でも大なり小なりあると思います。

で、この映画の主人公フラニーの場合は、おそらく相手が誰であっても、なかなか心を許せないのではないでしょうか。その原因は、彼女の父親が、美しい馴れ初めで結ばれたはずの母親を裏切って他の女性に走り、その後も次々と離婚したことにあると思います。私は、彼女が男性不信に陥っていると思ったのです。
そのうえ、別れた男性にはストーカーされるし。これでは、医者と不倫している妹に「想像だけにしておけば」と言いたくもなりますよね。

そういう男性不信の状況にもかかわらず、久々に男性の誘いに意を決して出向けば、相手は後から割りこんできたその友人とデリカシーのない話題に興じるし、一人その場を立ち去れば暴漢(多分、男)には襲われるし、教え子にも襲われそうになるし。女って、もー、大変なんです。(←とカンピオン監督は言っていると思います。)
それでも、エンドロールでケセラセラの後に歌われた歌で示されたように、女は心身ともに委ねられる男性を求めているのよね〜。(←とカンピオン監督は言っていると思います。)

カンピオン監督の言うことを否定はできないんだけどね〜、マロイ刑事って、はじめはマッチョでデリカシーがなくて嫌なヤツと思っていたけれど、意外といいヤツだったので、フラニーも心身ともに委ねられる相手が見つかってよかったねと言ってやりたいんだけどね〜。
踏まれても、蹴られても、男性不信でも、求めずにはいられない受身の女々しさを、これが女だというふうに描いたカンピオン監督が、私には愉快ではありませんでした。
高知松竹3 2004/4/11


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死ぬまでにしたい10のこと
愛こそすべて
My Life Without Me
監督:イザベル・コヘット(2002年 スペイン・カナダ 1時間46分)
アン:サラ・ポーリー

特に深い感慨はありませんでしたが、主人公が魅力的で、その夫や母、主治医、同僚、恋人、隣人と脇役のキャラクターもよくて、おもしろく見ました。少しうるうるもしました。

主人公が余命幾ばくもない映画というのは、死を意識してこそ自覚的に生きることができるという趣旨であったり、死をどのようにして受け入れるか、その過程を描いていることが多いと思います。この映画では、主人公は、比較的あっさりと死を受け入れます。そして、自覚的に生きるようになります。それだけならどうということもなかったのですが、死後も生きるという視点があったのが新鮮でした。

死んでも思い出の中で生き続けるというのは、死んでしまった愛する人を忘れないという残された者からの視点だと思います。今、まさに死のうとしている人が、自分の死後、愛する人が自分抜きでどんなに生きていくかを想像することによって、「私抜きの私の人生」が続くのだという視点は、画期的だと思います。
「私抜きの私の人生」が善き人生であるためには、私の愛する人が幸せでなければなりません。だから、主人公は、愛する人が自分の死後幸せになれるようにと、生きているうちに一所懸命な働きをするのです。
このように死後の人生を生きようと思ったら、まず、人を愛さなくっちゃね。

それともう一つこの映画のよかったところは、主人公の孤独がよく描けていたことです。自分の死期が近づいていることを誰にも言わないということ、主人公の一人称で描いたことが、孤独感を一層を強めたと思います。
どんなに愛しても愛されても死ぬときは独り。そういう厳しさがありながら、やさしい夢のような終わり方が見事だったと思います。
高知松竹1 2004/4/23


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