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アバター
環境問題の影響
監督:ジェームズ・キャメロン/アメリカ/2009年/162分

こんな「目のご馳走」は、普段映画をあまり観ない人にも超おすすめ!お話も面白いし(お茶屋、感動〜〜。愛は星を救う(うるうる)。)、さすが『タイタニック』の監督だ。

写真が動いて活動大写真。活動大写真がトーキーに、総天然色に、そして、CGがふんだんになって、というふうに技術の進歩とともに映画の表現の幅は広がってきた。3Dもかなり昔からあったみたい(お茶屋は大阪南港のIMAXシアターでの『愛と勇気の翼』(1995)が初体験)だけど、『アバター』は3D決定版と言っていいのではないだろうか。キャメロン監督にこれを作られたら・・・・・、世界中の小僧系映画監督は「やられた」と歯がみするか、「われも」「われも」と3D作品を撮りたがるに違いない。

常に奥行きのある構図で撮っているうえ、遠近感を際だたせるために、前景、中景、遠景と対象物を配置している。3Dだと画面から飛び出して見えるので、特に前景の効果は抜群だ。しかも、スケールが大きい。
更に素晴らしいのは物の質感だ。モビルスーツ(?)や戦闘機などのずっしりと重い感じ。同じ重い感じでも大樹には、やはり有機物らしさが感じられる(ただし、瑞々しさや水分・湿気の点では改善の余地があると思う)。対してクラゲのような形で綿毛のように宙を舞う木の精の軽やかさは、まるで夢を見ているようだった。見たこともない動植物が、本当に生きているようにスクリーンに存在しているのも楽しい。
ちょっと前に友だちが、CGを下手に使うと、ミニチュアを使った昔の特撮のようにチープになると言ったことに同感したけれど、『アバター』はものすごく上手に使っていると思う。

ナヴィという人類に似た種族は、個性も表情も豊かである。俳優の動きをコンピューターに取り込んで、CG加工したものと思うが、ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)の表情は、『ラスト・サムライ』における小雪のようで色っぽくもあった。この辺は俳優の功績も大きいだろうか。
スパイの使命を帯びてナヴィ族に接する元海兵隊員のジェイク(サム・ワーシントン)は、ナヴィを理解する前と後では表情が変わって別人のよう。で、後の方の悩める表情が魅力的なんだから、アメリカは俳優の層が厚いと改めて思った。

お話の方も私はかなり面白かった。
●ネタバレ感想

娯楽映画だからキャラクター設定は類型的だし、善悪に分類がしやすい。資本家代理人のパーカー(ジョヴァンニ・リビシ)は、金儲け主義者で、パンドラ星の鉱物を採掘するためナヴィが邪魔。軍人クオリッチ大佐(スティーヴン・ラング)はアドレナリン過多。戦闘大好き、何が何でもぶっ壊したい。ナヴィなど殺されて当然。科学者グレイス(シガニー・ウィーヴァー)は研究大好き。研究を続けるためにも平和的に解決したい。資金提供者には鉱物を、ナヴィには住むところをと願う。主人公ジェイク・サリーは、頭からっぽ(笑)。始めはグレイスに反発心もあってクオリッチ大佐寄りだったのが、ナヴィを理解し、ネイティリに恋をして大佐と戦うことになる。

「善>悪」はこんな感じか?
「ナヴィたち>ジェイク>パーカー>クオリッチ大佐」

思えば、『猿の惑星』でも軍人(ゴリラ)より学者ジーラとコーネリアス(チンパンジー)が善い者だった。『アバター』では『猿の惑星』の政治家(オランウータン)がいない代わりに、資本家と先住民が登場したわけだが、なかなか良い位置にいるなぁ(笑)。娯楽映画で主人公より善なる者が存在するとは、アメリカ映画も進歩してるんじゃないだろか?戦闘なしでは終われないというのは、アメリカ〜ンだけど(^_^;。

最も面白かったのは、パンドラ星の自然とナヴィが有機的につながっている点だ。作り手がこのような設定にしたことは大変興味深い。
アメリカの先住民だったインディアンなどもそうだと思うが、日本でも我々は自然の恩恵に浴しており、自然なくしては生きていけないと思っている。ところが、アメリカでは西へ西へと自然を切り開いていったパイオニア精神が尊ばれていて、インディアンなどの文化は理解されてなかったのではないだろうか。『ダンス・ウィズ・ウルブズ』より前は、アメリカ人の意識の中でインディアンは尊敬の対象ではなかったような気がするのだが、『アバター』では自然と一体となって生きているナヴィが敬意を払われているように思う。
この心境の変化は、環境問題の影響が大きいのではないだろうか。環境破壊によって人間の住めない地球になってしまうのではないかという段になって、環境=自然あってこその人類だと気がついたのでは?(もしかして、宮崎アニメの影響もあるかも。)

面白ついでに可笑しかったことも一つ。正確な台詞は忘れてしまったけれど、グレイスがパーカーへの説明に、自然とナヴィがつながっていると言ったとき(ナヴィたち自身は気でつながっていると言ってたけど)、わざわざオカルトや宗教と違うわよと断って、「シナプスでつながっている」と言ったことが私は可笑しくてたまらなかった。どうしても科学的につながっていると言わないことには気が済まないんだなぁと(笑)。

 

●本当にネタバレ
読んでから観ると面白さが半減しますです。

 

ネイティリとジェイク本人のご対面シーンは、感動した〜〜。このシーンで終わっても良かったなぁ。

TOHOシネマズ高知7(吹替版) 2010/1/9
 
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コネクテッド
善意ばんざい
監督:ベニー・チャン/中国(香港)/2008年/110分

ハリウッド製『セルラー』のリメイク。おもしろかった!
『セルラー』では、ちゃらちゃらした兄ちゃんが主人公で、今どきの兄ちゃんも捨てた者ではないと爽やかに感動したが、こちら香港製『コネクテッド』では、幼い息子との約束をちっとも守ってやれない父ちゃんが主人公で、こちらも泣けるほどに感動した。カーチェイスも迫力があって手に汗握ったし、香港の白バイは黄バイと言ってもいいくらいだなと思った。

あたご劇場 2010/1/9
 
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