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■ひきだし美術展>ラ・トゥール展(1)
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ラ・トゥール「聖ヨセフの夢」
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4月に国立西洋美術館で観たラ・トゥール展、よかったです〜!ジョルジュ・ラ・トゥールは、17世紀(1593-1652)のフランスの人だそうです。現在まで残る真作は、約40作品。そのうちのほぼ半数と原画の模作などあわせて、34点の展覧会です。

ラ・トゥール作品で印象に残るのは、何と言ってもろうそくの灯りと暗闇です。うえの「聖ヨセフの夢」は、わざと炎を見えないように描いているのがニクイですねー。うえの画像ではわかりませんが、ヨセフの親指の爪が反射して光っておりまして、とっても緻密な隙のない絵です。
しかし、何より素晴らしいのは、この絵の空気感。空気が澄みきっているのです。澄み切っていながら、ヨセフがまどろんでいる感じもよく出ています。
これは、受胎告知をしにきた天使の方により強い光が当たり、ヨセフに当たる光は柔らかいためでしょうか。

下の「荒野の洗礼者ヨハネ」は、実物はもっと暗い絵で、ヨハネの右足がどこにあるのかよくわからなかったくらいです。とても優しい穏やかな絵でした。
ヨハネの髪の毛は、天然パーマの友だちが見たら絶対うらやましがると思いながら見ていました。羊へとつながる腕のラインや肌の質感もそうですが、この髪の毛も、この絵を穏やかに見せることに一役買っているのではないかと思います。

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ラ・トゥール「荒野の洗礼者ヨハネ」
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やはり宗教画が多かったわけですが、「聖ペテロの否認」と「悔悟する聖ペテロ」を続けて見ると泣けました。
「聖ペテロの否認」は、兵士が賭博か何かに興じている画面の左上の隅で、「あなた、あの罪人のイエスといっしょにいたんじゃない?」と尋ねられて、それを否定しています。その顔は、心ここにあらずという風にも見えますが、ある種の真剣みも感じられます。賭博に打ち興じる兵士たちとの対比も効いています。

「悔悟する聖ペテロ」は、イエスを知らないと言ってしまったことを心から悔いている表情に泣かされました。額にしわが出来ています。見開いた目玉がうるうるしています。
ペテロは、イエスの予言どおり、雄鶏が鳴くまでに三度否認するわけで、傍らには雄鶏が描かれています。雄鶏はざっと描かれていますが、ペテロの表情は本物だと思いました。

しかーし、うえの感想は、「聖ペテロの否認」と「悔悟する聖ペテロ」のタイトルを読んでからの感想なんですー。タイトルを見る前は、左上片隅にいるお爺さんは、お給仕の女性に賭博の分け前がほしいと言っているのか、あるいは賭博をしたいのだが仲間はずれにされていると言っているのかと思っておりましたし、「悔悟する聖ペテロ」に至っては、「おもしろい顔ーーーー!」と能天気に喜んでおりました(爆)。
このことから言えるのは、素人は予備知識がないと絵画を理解するのは難しいということでしょうか。それとも、お茶屋って単純ーってことでしょうか。

 
 


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