やはり宗教画が多かったわけですが、「聖ペテロの否認」と「悔悟する聖ペテロ」を続けて見ると泣けました。
「聖ペテロの否認」は、兵士が賭博か何かに興じている画面の左上の隅で、「あなた、あの罪人のイエスといっしょにいたんじゃない?」と尋ねられて、それを否定しています。その顔は、心ここにあらずという風にも見えますが、ある種の真剣みも感じられます。賭博に打ち興じる兵士たちとの対比も効いています。
「悔悟する聖ペテロ」は、イエスを知らないと言ってしまったことを心から悔いている表情に泣かされました。額にしわが出来ています。見開いた目玉がうるうるしています。
ペテロは、イエスの予言どおり、雄鶏が鳴くまでに三度否認するわけで、傍らには雄鶏が描かれています。雄鶏はざっと描かれていますが、ペテロの表情は本物だと思いました。
しかーし、うえの感想は、「聖ペテロの否認」と「悔悟する聖ペテロ」のタイトルを読んでからの感想なんですー。タイトルを見る前は、左上片隅にいるお爺さんは、お給仕の女性に賭博の分け前がほしいと言っているのか、あるいは賭博をしたいのだが仲間はずれにされていると言っているのかと思っておりましたし、「悔悟する聖ペテロ」に至っては、「おもしろい顔ーーーー!」と能天気に喜んでおりました(爆)。
このことから言えるのは、素人は予備知識がないと絵画を理解するのは難しいということでしょうか。それとも、お茶屋って単純ーってことでしょうか。