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■ピックアップ>2009年オフシアター・ベストテン
 
チラシ画像『イントゥ・ザ・ワイルド』
外国映画87本
順位 映画名 主催者 観た人 × ポイント
(◎-×)
1 その土曜日、7時58分 シネマ・サンライズ 10 2 7 5
2 トゥヤーの結婚 シネマ・サンライズ 10 1 6 5
3 ディファイアンス シネマ・サンライズ 7 2 6 4
4 イントゥ・ザ・ワイルド とさりゅう・ピクチャーズ 8 1 5 4
5 シリアの花嫁 市民映画会 4 0 4 4
6 ヤング@ハート とさりゅう・ピクチャーズ 5 0 4 4
7 英国王給仕人に乾杯! 市民映画会 6 0 4 4
8 戦場のレクイエム えいネ〜 7 0 4 4
8 エレジー シネマ・サンライズ 7 0 4 4
10 この自由な世界で シネマ・サンライズ 9 0 4 4
  MILK ムービー・ジャンキー 9 3 6 3
  レイチェルの結婚 県芸術祭特選映画会 7 0 3 3
 
日本映画126本
順位 映画名 主催者 観た人 × ポイント
(◎-×)
1 接吻 とさりゅう・ピクチャーズ 9 0 7 7
2 フィッシュストーリー とさりゅう・ピクチャーズ 10 2 8 6
3 歩いても歩いても シネマ・サンライズ 11 2 8 6
4 重力ピエロ とさりゅう・ピクチャーズ 8 0 6 6
5 大阪ハムレット とさりゅう・ピクチャーズ 8 2 7 5
6 休暇 とさりゅう・ピクチャーズ 7 0 5 5
6 つみきのいえ GALLERY CAFEオッドアイ 7 0 5 5
8 クローンは故郷をめざす とさりゅう・ピクチャーズ 10 3 7 4
9 トウキョウソナタ ムービー・ジャンキー 7 1 5 4
10 王将 黄昏キネマ 3 0 2 2
  精神 とさりゅう・ピクチャーズ 5 0 2 2
  その木戸を通って シネマ・サンライズ 11 0 2 2
  山桜 とさりゅう・ピクチャーズ 10 3 4 1
 

朝日新聞高知版2010/03/14

■概況

昨年(2009)、開催時期がよろしくなかったせいか参加者が9名と激減してしまった選考会。今年(2010)はチリ地震の津波が心配される2月28日(日)、朝日新聞高知総局の会議室に11名(応募した映画ファン及び自主上映に携わる人)が集まり、2時間半に渡ってベストテンを選考しました。
翌日の朝日新聞高知版には速報が、3月14日には詳報が掲載されました。詳報は写真の赤線で囲んだ部分のとおり、大きく取り扱われていました。選考会での挨拶で堀江高知総局長は、太っ腹なところを見せたいのに予算の関係で無料上映会ができなくて残念というようなことをおっしゃっていましたが、紙面で太っ腹のところを見せていただきました(礼)。(参加者と記者のおすすめの弁が読み応えありますよ。まだお読みでない方は、ぜひ、図書館へ。)

■ルール

選考方法は以下の1から7までのとおりです。このルールの最大の特徴は、ベストテンに入れたくない作品に対して拒否票を投じることができることです。
うえの表の◎欄はベストテンに入れたい人の数、×欄は拒否票の数、ポイント欄はベストテンに入れたい人の数から拒否票の数を差引いた数です。

  1. 投票権は一人10票までで、1作品1票。
  2. 拒否権は一人3票までで、1作品1票。
  3. 投票結果を見て、拒否権を使いたい人がマイナス票を投票。
  4. 投票数とマイナス投票数の差引きポイントで順位を決める。
  5. ポイントが同点の場合は、得票数の多い作品を上位とする。
  6. ポイントも得票数も同じ場合は、観た人の少ない作品を上位とする。
  7. 投票をするまえに、自由に推薦や批判の弁を募る。
 

■外国映画の順位について

今年も変動が激しかったです(笑)。一時は暫定第1位だった『MILK』でありますが、拒否3票が痛うございました。「ショーン・ペンは好きだが1位の作品ではない。」から始まって、「ガス・ヴァン・サント監督が嫌い」「作品のカラーが嫌い」「ゲイが嫌い」(好きなタイプのゲイの人と出会えるよう祈ります。)と散々で、圏外となってしまいました。
というわけで、第1位を争うのは、7票獲得の『その土曜日、7時58分』と6票獲得の『トゥヤーの結婚』『ディファイアンス』の3本に絞られました。『ディファイアンス』に対しては、「『トゥヤーの結婚』を上げたい」「票が入りすぎ」と2票の拒否が入り、『その土曜日、7時58分』と『トゥヤーの結婚』の一騎打ちとなりましたが、7票獲得していた『その土曜日、7時58分』が強く、ご覧の結果となりました。

『英国王給仕人に乾杯!』は、司会者の「ベストテンに入れたい人〜」という声に初めは2名しか手を挙げていませんでしたが、「これをベストテンから外すわけにはいかない」「シニカルでありながらコミカルな不思議なテイスト」「実写だが、チェコ、スロバキアというアニメの国の映像表現の奥深さを感じた」という強力プッシュの声に、「そうやった、そうやった」「忘れちょったけど思い出した」と続く人が現れ、結局4票を獲得し、晴れてベストテン入りを果たしました。

やはり、第10位と第11位には雲泥の差があるのです。ここでもプチ争いがありました。暫定第10位にあった『12人の怒れる男』(ミハルコフ監督)と同じく第11位にあった『この自由な世界で』のどちらを10位にするか!?
「ケン・ローチ作品を配給してくれよったシネカノンが潰れたき、ケン・ローチ作品はこれが最後かもしれん」との声に反応したのでしょうか(?)、「政治色が強すぎる」「『この自由な世界で』の方が上位」と『12人の怒れる男』に対して拒否票が入り、『この自由な世界で』が第10位となりました。(ちなみに、ケン・ローチ最新作『エリックを探して』はINJ(インター・メディア・ジャパン)が配給。東京等で今年12月に公開されています。)

第4位となった『イントゥ・ザ・ワイルド』への拒否理由は、「プロ(の批評家)はハッキリ言わないが、監督の実力不足だ。監督が若いので、その年齢からとらえた人生しか描けていない。私くらいの年齢からすると物足りない。」というものでした。
その他、第6位の『ヤング@ハート』については、「とても感動した。観た人に勇気を与えてくれる。」との、第8位の『戦場のレクイエム』については、「描かれている(日中戦争終結後の)中国内戦は、事実と違うのではないか」とのコメントがありました。

■日本映画の順位について

いつの間にやら上映本数が増えた日本映画。これまた熾烈な争いが(笑)。8票獲得の『フィッシュストーリー』、『歩いても歩いても』、7票獲得の『接吻』、『大阪ハムレット』、『クローンは故郷をめざす』の5本が第1位を狙えます。次々とふるいに掛けられて、第1位は『接吻』です。拒否票が入らず逃げ切りました。他の4本の拒否理由は次のとおり。

『フィッシュストーリー』は、「なんとなく拒否」「エピソードは面白いが、作り物めいた世界が好きでない」で暫定第1位から一つ転落。
『歩いても歩いても』は、「ドキュメンタリーと劇映画の中間のような演出が嫌い」「『フィッシュストーリー』よ返り咲け!」で暫定第2位から一つ転落。
『大阪ハムレット』は、「『接吻』より下位でしょう」「コミカルで人情味のあるのはいいが、1位にするのはどうでしょう」で暫定第3位から転落。(『フィッシュストーリー』と『歩いても歩いても』を抜いてホンの一時、第1位でした。)
『クローンは故郷をめざす』は、「10位以内に入れてあげたいが」「こなれてない」「悪寒と吐き気を催すくらい身体が拒否していた。ストーリー展開もセットも演出も自分には合わない。」「『つみきの家』より下位」で、暫定第5位から転落。

拒否票が入り圏外となってしまったのは『山桜』。4票獲得して暫定第10位でしたが、拒否票は3票も入ってしまいました。その理由は「時代劇の素養のある役者にそれなりの演技をしてもらいたい。撮影も時代劇らしくなかった。」「藤沢周平原作の作品中、最悪」「ベストテンに入る作品ではない」「『その木戸を通って』の方がよい」というものでした。
『山桜』が転落したため、旧作ながら2票を獲得していた『王将』が第10位に浮上しました。(ちなみに『その木戸を通って』の方が『山桜』より上位になっています。)

他に拒否票が入り転落したのは『トウキョウソナタ』です。「男の子にピアノの才能があってよかったんだけど、そのため家庭が丸く収まるという結末が好きでない。現実には子どもに特別な才能がない家庭の方が多いから。」お茶屋はこの映画を観ていませんが、妙に納得のいく拒否理由でした。

 

■天真爛漫な参加者と名司会

今回の選考会では、思ったことを気持ちのいいくらいストレートに発言される方(Aさん)がいらっしゃいまして、その邪気のなさに思わず笑いを誘われたりしてとても楽しかったです。
また、そのAさんが、旧作でもどしどし挙手をしてベストテンに推すのを、Aさんと知り合いでもある司会者が、「2009年のベストテンやけど、入れるがやねぇ?」と念を押しても、「他にいいのがないし、新作はあまり観てないし。いいものは、(変わらず)いいもの。」と言って、司会者に「まあ、1票じゃ、ベストテンには入らんけどねぇ」とか言われる、その遣り取りを一同クスクスと聴いておりました。
更には、Aさんが「恋愛映画はいい。女優さんがきれい。」と言って恋愛映画への挙手が続いたときには、司会者「さあ、次は『ローマの休日』やけど、どうかな?恋愛映画でオードリー・ヘップバーンやきねぇ。」と一同の期待をあおる名司会ぶり。みんな、当然挙手するだろうと思っていたところ、Aさんは挙手せず(笑)。これには司会者もガクッとなって、なぜ挙げないのか尋ねると、「『ローマの休日』は王女様だから」。庶民のAさんには、断じてベストテンには推せない作品だそうで、このオチにみんな大受けでした。(ご本人に受けを狙うおつもりはなさそうでしたが。)

■特別賞

2009年の特別賞(僭越ながら当サイトが贈る賞)は、『イントゥ・ザ・ワイルド』です。
お茶屋が40歳を過ぎてやっとわかり始めたことの一つが、人と接することの大切さです。例えば自分の考えを表明せずに自分の中でとどめておくと、その考えが正しいかどうかはわかりません。考えを表明し、その考えに対する意見を聴いたりする中で「知」は鍛えられて行くのだと思います。また、「情」においても、人と接してこそ複雑な感情を濃く経験することができるのだと思います。ところが、この映画の主人公は何せ若いものだから、そのことを知らず、物質文明や両親に嫌気がさして、独りで生きてみたいとアラスカの荒野をめざすのでした。そして、旅の途中で様々な人と出会った後、荒野での深い孤独の中でつかんだのであります。「幸福が現実となるのは、それを誰かと分かち合った時だ」という真実を。
この映画に拒否票を投じた人生の大先輩がおいでますので、お茶屋も齢を重ねたら言うことが変わるかもしれませんが、現時点で言いたいのは、カメラはいいし、ワイドスクリーンを活かせているし、ショーン・ペン監督の最高傑作であり、2009年オフシアター・ベストテンで第1位になることを確信していた作品なのであります。

■選考結果表

(情報提供:高知のオフシアター・ベストテン選考会事務局)
ベスト10及びベスト11以下の得点が一覧になっています。また、選考の対象となった作品(2009年に高知のオフシアターで上映されたほとんどの作品)がわかります。
選考結果表(PDFファイル 175kb)

■2008年オフシアター・ベストテン

 
第55回県民が選ぶ映画ベストテン(2009年12月19日高知新聞より:応募総数375通)
順位日本映画外国映画
1沈まぬ太陽レッド・クリフPART2 未来への最終決戦
2ROOKIES−卒業−スラムドッグ$ミリオネア
3劔岳 点の記2012
4おくりびと(リバイバル)ハリー・ポッターと謎のプリンス
5ゼロの焦点天使と悪魔
6アマルフィ 女神の報酬ベンジャミン・バトン 数奇な人生
7THE HARIMAYA BRIDGE はりまや橋ターミネーター4
8さまよう刃マイケル・ジャクソン THIS IS IT
920世紀少年<最終章>ぼくらの旗7つの贈り物
10余命1ヶ月の花嫁トランスフォーマー:リベンジ


2010/12/31
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