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■くりからもんもん>とっておきの青春(1)『冒険者たち』
 

冒険者たち
LES AVENTURIERS

(監督:ロベール・アンリコ/フランス/1967/110分)

『冒険者たち』青春の鎮魂歌。空から写した要塞島が、フランソワ・ド・ルーベの音楽とともに、ゆっくり回りながら遠ざかるラストクレジット(涙)。御伽噺的な美しさと切なさが胸に残る映画です。

複葉機で凱旋門をくぐる野望を持つマヌー(アラン・ドロン)、時速うん百キロ出せるエンジンを開発しようとするローラン(リノ・バンチュラ)、前衛芸術の個展を成功させたいレティシア(ジョアンナ・シムカス)。三人とも夢破れ、新たなる夢に挑戦します。コンゴ沖に沈む財宝を引き上げようというのが新たなる夢ですが、同じく財宝を狙う武装集団に襲われ、レティシアが撃たれてしまいます・・・・!
レティシアの亡骸に潜水服を着せて海に沈める場面、哀切なメロディがよろしいですね〜。甘美であります。(左の画像は、amazon.co.jpから。6月23日DVD発売だそうです。)

この映画を初めて観たのは、小六か中一のときテレビででした。マヌーもローランもレティシアのことが好きで、レティシアはどうやらローランのことが好きらしい。マヌーも二人の様子を見て、うすうすわかっています。
マヌーが撃たれて瀕死のとき、ローランは「レティシアはお前を好きだと言っていたぞ。」と言い、それを聞いてマヌーは嬉しそうに「この大嘘つきめ・・・!」と言って死んで行きます。
これを見て、男の友情っていいなあ!と思いました。そして、アラン・ドロンがカッコイーー!私もああいう風に死にたいと思いました。野沢那智の声も二枚目でねー(素敵)。
アラン・ドロンがカッコいいと思いながらも、レティシアがローランを選んだ気持ちはわかりました。プレボーイ風二枚目より安らげる人柄&体形のローランの方がいいわよね。

高校を卒業した頃、名画座で見たときは、「この大嘘つきめ・・・!」という字幕でなくて残念でした。あいかわらずアラン・ドロンはカッコいいと思いましたが、生き残ったローランの喪失感が伝わってきて何ともいえない気持ちになりました。ローランの青春は、このとき終わったのだと思います。

フランソワ・ド・ルーベの音楽
まだパソコン通信だった頃、niftyの映画フォーラムで教えてもらい、CDを2枚購入しました。『冒険者たち』以外の音楽も入っていたと思いますが、どれもよい曲でしばらく愛聴しておりました。
それ以前に、土佐市のレコード店でアラン・ドロンが歌う「愛しのレティシア」(ドーナツ盤)を見つけておりまして、迷った末買いませんでした。これはしばらく後悔しておりました。
フランソワ・ド・ルーベについては、下記のページが詳しいです。

フランソワ・ド・ルーベについて私が知っているニ、三の事柄
(「『梁塵秘抄』 または"わしふぃーるど"」サイト)
http://plaza.rakuten.co.jp/ekatocato/4025

要塞島
映画に出てくる要塞島は、ボワイヤー砦(Fort Boyard)というそうです。フランスのシャラント地方のラロシェル(La Rochelle:レティシアの故郷)という港町の沖合にあり、年に数人日本人が訪れるそうです。もちろん『冒険者たち』を観た人でしょうね。
1802年に対イギリス海軍用としてナポレオンが作り始めましたが失脚して中断。1860年に完成して1920年頃まではフランス軍が管理。一時は刑務所になったりドイツに占領されたりベルギー人に買われたりしましたが、結局フランスのテレビ局の手に渡り、映画の展開をヒントにした冒険ゲーム番組が作られたそうな。下記のページの『冒険者たち』の欄に詳しく載っています。

好き好きアラン・ドロン映画〜60年代(「はるまき」サイト)
http://www.geocities.jp/kamparimintmint/main_dr/Alain-vi2.htm


「とっておきの青春」とは
NHK総合で1988年1月6日から3月23日まで(全10回)放送されたドラマです。
斎藤由貴と緒形拳が親子役で出演。由貴ちゃんの婚約者に唐沢寿明(デビュー作だそうな)。由貴ちゃんと結婚することになる農業青年に光石研。そして、由貴ちゃんの祖父役で、バイクを乗り回す飛んでる爺さんに小澤栄太郎(遺作だそうな)が扮していました。

この祖父は、子持ちの若い女性に恋をして、いっしょに暮らそうと家出するような冒険家でして、「世の中一寸先は闇。だから、怖くておもしれぇ。」という台詞がたいへん嵌っていました。
青春とは何かというと、この祖父のように怖くても手探りで前へ進もうとする精神ではないかと思いました。それがある限り年齢に関係なく青春と言えるのではないでしょうか。

そんなわけで、お茶屋の「とっておきの青春映画」をピックアップするページのタイトルとして使わせていただきました。

2006/6/18
 
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