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■くりからもんもん>とっておきの青春(2)『ヤング・ゼネレーション』
 

ヤング・ゼネレーション
BREAKING AWAY

(監督:ピーター・イエーツ/脚本:スティーヴ・テシック/アメリカ/1979/101分)

パンフレット『ヤング・ゼネレーション』自転車狂いでイタリアかぶれの青年とその仲間が、高校卒業後、進路に迷う様を瑞々しくユーモアたっぷりに描いた、これぞ青春映画の決定版。恋あり、仲間あり、家族との絆もあれば挫折ありと、大いに青春しております。(画像は3枚ともパンフレットをスキャンしました。)

主人公デイブ(デニス・クリストファー)は自転車レースに夢中。自転車レースの強豪チームはイタリアにありというわけで、イタリアにかぶれております。このかぶれ具合は、血液型Bと見た(笑)。部屋中イタリア、家中イタリア。お父さんは呆れております。
果ては、好きになった女の子にイタリア訛りで話しかけ、イタリア人留学生と誤解させたまま気を引く始末です。夜な夜な大学女子寮の窓辺を見上げ、彼女にイタリアのセレナーデを奉げるのが、とぉーっても可愛いのです〜(はぁと)。ギターを弾ける友だちに無理やり伴奏させるのも青春です(笑)。

『ヤング・ゼネレーション』そのギターを弾ける友だちはシリル(ダニエル・スターン)。それから、スポーツマンのマイク(デニス・クエイド)、ステディな彼女がいるムーチャ(ジャッキー・アール・ヘイリー)。彼らとデイブの4人は、高校卒業後、大学へは行かず、アルバイトも辞めて水のたまった石切り場にたむろして、ダラダラしております。
彼らの父親はカッター(石工)だったのですが、今は石切り場も寂れて石工の仕事はないし、大学生からはカッター(大学行きを断たれた奴ら)とバカにされているのです。
おちこぼれ4人組と言った感じなのですが、私はこの石切り場のシーン(画像)が大好きです。隠れ家的な場所で、仲間と過ごすひととき。心を打ち明けるのに相応しい場所。夏の日差しと石切り場のひっそりしたコントラストが美しい場面でした。

『ヤング・ゼネレーション』いろいろあって、大学主催の自転車レースに4人組が出場するのが最大の山場です。チーム名は「カッターズ」。ブルーカラーと高卒の心意気が込められています。

この大学主催のレースの前に、デイブは憧れのイタリア強豪チームの面々とレースをすることになるのですが、これがねー、イタリア人に手ひどい裏切り行為ありなんです。もー、あれほどのイタリアかぶれでしたから、デイブは嘆く嘆く。そして、あっさりイタリアを捨て(笑)、次はフランスにかぶれそうなんですが、これって絶対(?)B型ですよねー(笑)。最高のオチでした。

左の画像は、左からデニス・クエイド、ダニエル・スターン、デニス・クリストファー、ジャッキー・アール・ヘイリーです。私は、この映画でデニス・クリストファーが好きになり、『IT』あたりまで追っかけをしておりました。その割に見てない作品が多いですが;;;;。
デニス・クエイドもこの頃から好きで、『さよならジョージア』(クリスティ・マクニコル主演)なんかで痺れておりました。年を取って渋くなり、『エデンより彼方に』では意外な役柄で確かな演技力を印象づけられました。主演作が多いのに賞とは無縁ですが、男性にも女性にも人気のあるりっぱな俳優となって、わたくし的には大満足(なんだか自慢)です。
ジャッキー・アール・ヘイリーは、『がんばれ!ベアーズ』で既に人気がありましたが、今はどうしているのでしょう。
ダニエル・スターンは後に『ホーム・アローン』などで注目されるようになりました。息の長い俳優ですね。

受賞歴
1979年アカデミー賞脚本賞
1979年全米批評家協会賞作品賞及び脚本賞
1979年NY批評家協会賞脚本賞
1979年ゴールデングローブ賞作品賞(コメディ・ミュージカル部門)
1979年英国アカデミー賞新人賞(デニス・クリストファー)


デニス・クリストファー
Dennis Christopher

『フェイドTOブラック』 出演作は数えるほどしか観ていませんが、私にとって青春スタアと言えば、この人なんですねー。スレンダーで繊細(神経質)そうで、関節が柔らかそうなのも私にはツボでした。体形が軽そうなら、演技も軽くて、胃にもたれないのがイイのです。

有名な逸話。高校を中退して演技の勉強をするなど、早くから俳優を目指し、ヨーロッパで武者修行中、信奉するフェデリコ・フェリーニ作品のオーデションを受け、『フェリーニのローマ』に出演を果たしたこと。『ヤング・ゼネレーション』で飼い猫を「フェデリーコ」と呼ぶシーンがあるらしいですが、DVDが出ていないので確かめられないのが残念です。

『ヤング・ゼネレーション』で競技用の自転車に乗るのが様になっており、『炎のランナー』でも本物の陸上選手のような走りを見せたデニス君ですが、実は運動はからっきしで金づちでもありました。ファンサイトでは『カリフォルニア・ドリーミング』での溺れる姿は素かもしれんと言われております。

繊細そうな見かけや、運動音痴であることや、マニアックそうなイメージ。その彼の個性を生かしきったのが『フェイドTOブラック』ではないでしょうか。(うえの画像は『フェイドTOブラック』。)
職場の同僚(ミッキー・ローク)にいじめられ、家では育ての伯母から愛情を注いでもらえず、一人寂しく映画の世界に逃避する毎日。やがて映画の世界と日常の区別がつかなくなり、映画の主人公になり切って殺人を犯していくという、可笑しくて哀しいマザコン映画でした。(←私には「マザコン映画」というカテゴリーがありまして;;;;。いつの日かコレクションをご披露したいと思っております;;;;;。)

『フェイドTOブラック』では脇役だったミッキー・ロークの人気が出始めた80年代中頃から、デニス君をとんと見かけなくなり、どうしたのかと思っていたら、数々のホラー映画に出演していたようです。そして、現在はテレビドラマで活躍しているみたいです。
私は、いい俳優の条件に「何を着ても似合う」ということがあると思うのですが(『フェイドTOブラック』では、どんな扮装も似合っていました)、50歳をすぎたデニス君はスレンダーな体形を維持して、まだまだ何を着ても似合いそうで嬉しいです。

主な出演作品
『カリフォルニア・ドリーミング』(1978)
『ウェディング』(1978)
『ヤング・ゼネレーション』(1979)
『フェイドTOブラック』(1980)
『炎のランナー』(1981)

Dennis Christopher Fansite from Japan
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Theater/2233/

Dennis Christopher(IMDb)
http://www.imdb.com/name/nm0160550/

2006/6/30
 
 
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