世の中、真っ暗闇じゃござんせんか『15ミニッツ』


もともと、私はテレビ番組の実録事件ものが
嫌いなんです。
だから、殺人ビデオをテレビで放送するなんて、
イヤな映画ですね〜。
ビデオを売る方も売る方だし、買う方も買う方。
それを指の間から見ている人たちも嫌ですね。
(私も実録事件ものを見てないことはないんですけど(^_^;。
見たくもないのに惰性で見るのが
テレビなものでして(^_^;;;;;;。)
そういう嫌なものを見せてくれたうえに、
その殺人ビデオを撮った男は、
フランク・キャプラ好きが高じて映画作りに憧れ
殺人ビデオを撮ったんだというひねくれた設定。
しかし、この男が一番純粋なような
気がするのが怖い(笑)。


なかなかに毒がきついので、
エドワード・バーンズが殺人犯を撃ち殺し、
テレビ番組の担当者を殴ったところで
私には娯楽映画のカタルシスはありませんでした。


そりゃ、皆がみんな有名になりたいわけじゃないけど、
仕事をしやすくするためとか(デ・ニーロ)、
自分たちの仕事をアピールするためとか(消防署の上司)、
お金儲けのためとか(殺人犯)、
有名になりたい人はたくさんいるだろうし。
罪を見逃してもらってありがたがるどころか
テレビのネタにするなど(気に吊るされた強盗犯)、
有名になるためには手段を選ばずってことがあるだろうし。
テレビは倫理も道徳もないし。
まるで、この世の映し鏡のような映画です。
もうちょっと、希望を持たせてくれてもいいのにねぇ。


この映画は、アメリカは自由の国だというけれど、
自由がとんでもない方向に行っているのではないかと
批判しようとしているし、それと同時に
娯楽映画としても成功させようと
いっぱい詰め込みすぎて失敗した作品のように思えます。


車の間を縫っての追っかけシーンは、
なかなか迫力がありました。
俯瞰でとらえたショット、よかったですね。



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