『パーフェクト・ストーム』実話というのに騙された


結末をばらしております。
ご注意ください。









実話を基にしているというので、
誰か一人は生き残るはずだ(そうしないと、
映画で描かれた出来事をだれが伝えたの?)
と思って観ていました。
そしたら、一人残らず死んでしまったので、
愕然としました。おめでたい私は、
みんな無事帰還して大漁を祝うのだと、
ほとんど最後まで思い続けていたのです。
結局、アンドレア・ゲイル号との
交信が途絶えてからは、フィクションだったのですね。

だけど、思い返すと、海難事故で亡くなった人の
名前を年毎に刻んだ石碑が冒頭に映されていたので、
この映画がそうした人と遺族に捧げられたものだと
わかってもよさそうなものでした。

アンドレア・ゲイル号の遺族の方々や
海難事故で身内を亡くされた方は、
記憶が甦って、たまらない気持ちになるでしょうね。
でも、この映画は、遺族の方々を念頭に作ら
れたのだということがわかります。
ボビーが浮上してクリスティーナとオーバーラップ
する場面では、うるうるきてしまいました。
あのシーンの寂莫とした感じと、
一方で暖かみのある感じ、何ともいえない
胸がしめつけれれるようなシーンでした。

ただし、あんまり酷なことは言いたくないですが、
いくら冷凍装置が故障して魚が腐らないうちに帰り
たいからといって、嵐に突入してはいけませんよね。
映画の筋運びとしては納得できますが、現実問題として
グロスター魂だとか言って美化するのはよくないと思います。
その点、遅きに失したものの、「海は逃げない。」と言って、
引き返す勇気を見せたビリー船長や、
何度も航海して慢心気味のヨット乗りを
登場させたのはよかったと思います。
遺族を傷つけない範囲で、
判断ミスがあったのではないかと
いっているようにもとれますので。

それにしても、あんな嵐の海で助かった
人がいるのにも驚きました。
海の中って案外、離れ離れにならないものなのね?
水温が低くなくて、なるだけ浮いていられれば、
助かる見込みがあるのですね?



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