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ＴＨＥ ＧＩＦＴ
監督：サム・ライミ
アニー：ケイト・ブランシェット｜バディ：ジョヴァンニ・リビシー｜ウェイン：グレッグ・キニア｜
ヴァレリー：ヒラリー・スワンク｜ドニー：キアヌ・リーブス

いや〜、おもしろかったです〜。主人公が霊能力者でいろなものを見るのですが、その見せ方がうまい。観客をどっきりさせるホラー的見せ方は少なめで、主人公を覆う異世界の空気感を不思議な静けさで描いたのは、サム・ライミ監督のお手柄です。しかも、アメリカ南部（ロケ地はサバナだそうな。）のマングローブだったかなんだったか、『ダウン・バイ・ロー』にも出てきた湿地帯の林や、民家のかたわらの大きな古木などの独特の雰囲気が、背景からこの映画を盛り上げたという感じで見所の一つとなっております。また、殺人事件の真犯人探しという点でも、怪しい人物を適度に散らばせて大変おもしろく見ることが出来ました。

しかーし、何よりもおもしろく感動的だったのは、この映画の要となる人物と主人公アニーの交流です。アニーは霊能力のあるおかげで占い師として皆から頼りにされているけれども、彼女自身は誰も頼る人がおりません。霊能力を授かったことを自分自身が忌み嫌うことは表面上は卒業しているけれど、他人の蔑みの目が、無理解な言葉が、彼女を深く傷つけるのです。この能力のおかげで生計を立てて行けるのに、知りたくなかったことまで知ってしまう、この能力があるおかげで彼女は不安で、自信を持って生きられないのです。
そこへもってきて、要の人物の言葉が彼女の救いとなります。その人物のおかげで、彼女は本当に天賦の才を生かす心が決まります。この場面、感動です〜（涙）。
この映画は、才能を持て余さず有効に使い、人のためになるのが自分のためにもなる、というような教訓めいたお話では断じてありません。救おうとして救えなかった人に救われる、そういう美しい美しいお話です。