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■かるかん>OUT|チョコレート |
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OUT 4人の女性が悲しい日常からOUT |
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監督:平山秀幸|原作:桐野夏生|脚本:鄭義信 雅子:原田美枝子|師匠(ヨシコ):賠償美津子|邦子:室井滋|弥生:西田尚美| 十文字:香川照之|佐竹:間寛平 |
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いいじゃん、いいじゃん、おもしろいじゃん。女性が主人公で女性が見ておもしろい映画を男性が作ったのが、またいいじゃん。それなのにお客さん入ってないね〜。 女の悲しさや、馬鹿さや、割り切りのよさ、描けてましたね〜。原作を読んでないので先が読めませんでした。「人生いろいろ」には泣けました。 死体処理の場面、えぐかったですね。でも、おかしなセリフでずいぶん緩和していただきました。 しかし、許せない女がただ一人。夫を殺したまではよかったけれど、その後はいったいなんなの?死体処理と同じくらい胸が悪くなりました。 彼女たちは、法を踏み外し、いろんなものを捨てて家を出た(アウトした)わけですが、西部劇で見るようなアウトロー(無法者)のカッコよさは私には感じられませんでした。息詰まる日常から飛び出せたのはいいけれど、犯罪がきっかけだし、明日は捕まるかもしれないのです。やっぱり、ちょっと悲しい、そんな複雑な思いのするラストシーンでした。 高知松竹2 2002/11/3 |
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チョコレート 子どもを亡くした心の傷を癒すチョコレートの味 |
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MONSTER’S BALL 監督:マーク・フォスター ハンク:ビリー・ボブ・ソーントン|レティシア:ハル・ベリー|ソニー:ヒース・レジャー |
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世の中に子どもを亡くすことほど辛いことはないでしょう。息子を失ったハンクは、瀕死の子どもを抱えたレティシアに心情的にシンクロします。レティシアは黒人で、ハンクは父親譲りの人種差別者だったにもかかわらず。 この映画は、人種やしがらみを乗り越えて、新たに愛する人を得ることで傷ついた心が癒される、そんな魔法のチョコレートを口にするような作品だと思うのですが、私は少し別の見方をしておりました。 それはハンクの息子ソニー(ヒース・レジャー)のせいなんです。この子がいい子でねぇ(涙)、たちまち気に入ってしまいまして、父子ものとして観たのです。 ●ネタバレ感想 登場したときからソニーには寂し〜い孤独の影がありました。売春婦に出前に来てもらって、コトをすませた後も何か話したい様子だし。 男前でガタイはいいし、まじめに定職(看守)に就いているし、普通ならモテモテだと思うんです。だけど、強権的な父親にすっかり萎縮しており、祖母は自殺、母親もどうやら自殺、で、祖父も父親もそれぞれの妻のことを悪し様に言うので、どうもまともに女性と付き合えないようなのです。それで近所のちびっ子兄弟が友だちなんて泣かせます。 また、若いせいか心が柔らかくて、死刑囚に感情移入したり、死刑執行前に吐いたりします。そして、それを父親に責められても一言も言い返せず、最後の最後に「父さんは僕を憎んでいた。でも、僕は愛していた。」というところは実に痛々しい。いやいや、その前から充分痛々しくて、『エデンの東』のキャル(ジェームズ・ディーン)が甘っちょろく見えるくらいです。 方や父親のハンクは、その父親(ソニーの祖父)に逆らうことなく就職し、父の教えに従い人種差別をします。だけど、それはハンクの本来の姿でないことは明らかです。人種差別にしても、相手の黒人がもっともなことを言っているとタジタジとなってしまう。父親の真似をしているだけなので確信犯じゃないんです。(そういう微妙な弱さを演じてソーントンがうまい!) という父子なのですが、二人の痛々しさがアンバランスで、私はどうしてもソニーに肩入れしてしまうのですよ。そりゃあ、息子に自殺されて、ハンクは息子に対する自分の態度を心底後悔したことでしょう。しかし、ハンクとその父親の間で言えば、息子としてのハンクは、ソニーほどは苦しんでないように見えてしまいます。 なぜなら、大した葛藤もなく父親を老人施設に入れて、自分は愛するレティシアとチョコレートアイスクリームを食べながらしみじみしているんですもの。ソニーがハンクを愛していて、そのために言いたいことも言えず、したいこともできず苦しんでいたのに比べて、あまりに葛藤がなさすぎです。 でもまあ、ハンクは、ソニーよりも長い年月、本来の自分を殺して父親に逆らわず生きてきたわけだから、そういう生き方をやめるということは、ソニーに対しても「もし、お前が生きていたら、お前らしい生き方を認める。」ということであって、道理としては息子の供養になる道を選んだわけです。 息子の死後、ハンクは父親の意に反することを次々としていきます。だから、この映画は、息子ソニーの死をきっかけに、ハンクが父の呪縛を自ら断ち切って行き、自分らしく生き始めた作品とも言えると思います。 で、自分らしく生き始めると、ハンクってソニーそっくり。ハンクはソニーを「母親に似て弱い」となじったけれど、ソニーは父親似だったのですね〜。 高知東宝3 2002/11/3 |
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