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■かるかん>おばあちゃんの家|シティ・オブ・ゴッド |
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おばあちゃんの家 子どものパワーはあなどれない |
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監督、脚本:イ・ジョンヒャン(2002年 韓国) キム・ウルブン|ユ・スンホ |
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なかなかよかったですね。サンウは、母親の仕事が見つかるまで山奥に住むおばあちゃんに預けられるのですが、それは鮮やかな緑がとてもきれいな季節でした。母親の仕事が見つかってサンウが引き取られるのは、もう秋で背景の紅葉がこれまた大変美しかったです。 すべてのおばあちゃんに捧げられたこの映画は、「おばあちゃん、ありがとう」という思いで作られたのかもしれません。不便な山奥でつつましく、自立して暮らしているおばあちゃんに対する尊敬と、どんなわがままも受け入れてくれるありがたさと、腰は曲がり目が遠くなり身体の自由がきかなくなっていることへの心配など、作り手の思いはそんなところにあるのかなあと想像しました。しかし、私がこの映画から受け取ったものは、子どもの感応力の見事さでした。 通常この種の映画は、おばあちゃんに預けられた子どもは、始め反発して手におえないけれど、おばあちゃんと丁丁発止の交流をするうち打ち解けて、お互い愛情が芽生えた頃に別れのときが来て涙涙という話の展開であることが多いと思います。この映画もだいたいはそうなのですが、違っていたのはおばあちゃんとの交流です。 おばあちゃんは、声が出ないので言葉による交流ができないのです。身振り手ぶりで主張することもしません。淡白なのです。だから、おばあちゃんからサンウへの働きかけはほとんどありません。それなのにサンウは、始めバカにしていたおばあちゃんを気遣うまでになるのです。サンウ自ら、おばあちゃんてどんな人か、孫である自分にどう接しているのか、自発的に気づいていくのです。 生意気で反抗的で子どもらしい残酷さを持ち合わせていて、ピコピコゲームやテレビなしでは何をしてよいのかわからない現代っ子。缶ジュースや缶詰のおかずに慣らされ、現代風の母親にドライに育てられている日本にも五万といそうな普通の男の子。そんな子の瑞々しい感受性に私は感動したのでありました。 サンウを演じた男の子がすごくよかったんですよね〜。サラリとしたもんでベタな芝居をしない。おばあちゃんもサラリとしすぎくらいなもんで(おばあちゃんの役には私は面白味を感じませんでした)、芝居の面では泣かせはないのですが、随所に涙腺を刺激する音楽がうまく使われておりまして、これにうるりとくるのですね〜。 おしまいの別れのシーンなんかも泣かせようと思ったら、サンウの視点でおばあちゃんを映した方がいいと思うのですが、おばあちゃんの視点になっていて、バスに乗ったサンウが遠ざかっていきます。これじゃ私は泣けないのよね。でも、その前の場面で泣いたからよかったですけど。 それにしても、ここ数年、可愛がってもらった祖母に会いに行っていないので、胸がチリリと痛んだ映画でありました。 シネマLTG 県民文化ホール(グリーン) 2003/10/20 |
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シティ・オブ・ゴッド 麻薬と銃は最悪の組み合わせ。 |
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CITY OF GOD Cidade De Deus 監督:フェルナンド・メイレレス|共同監督:カチア・ルンヂ|脚本:ブラウリヲ・マントヴァーニ|原作:パウロ・リンス(2002年 ブラジル 2時間10分) ブスカペ:アレシャンドレ・ロドリゲス|リトル・ゼ:レアンドロ・フィルミノ・ダ・オラ|セヌーラ:マテウス・ナッチェルガリ|ベネ:フィリピ・ハーゲンセン|マネ:セウ・ジョルジ |
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大変見応えがありました。60年代から80年代へと益々状況が悪くなる一方のブラジル貧民区街が描かれていましたが、なぜ、子どもが犯罪に手を染めないと生きていけないのか、どうすれば子どもが子どもらしく生きられる町になるのか。果たして今はどんな様子なのか。そんな思いを喚起させられる映画なのであります。 60年代後半から80年代直前までの十数年を一人の少年のナレーションで綴っているのですが、この語り口が上手い。もちろん、映像テクニックも語り口にあわせて上手に使っています。力と勢いのある映像でわざと荒削りに見せて、この監督はかなりのテクニシャンと思われます。 ただし、私は心を揺さぶられるところは、あんまりありませんでした。感情移入できるような作りではなかったのです。 あ、でも、ベネの送別会でのリトル・ゼの様子には、胸を打たれました。恋人が出来た友達が自分から去っていく寂しさ。リトル・ゼにはベネしかいないのです。そのベネが別の誰かと仲良くしているのを見て嫉妬するリトル・ゼ。そして、ついには友達を失う悲痛。とんでもない悪党に思われたリトル・ゼですが、こんな様子を見せらると、悪党にしかなれなかった彼が不憫に思えてきます。 この映画では、子どもたちが殺しあっても、けして悪者には描かれていません。むしろ、武器の密売や犯罪者を放免して至福を肥やす警官を告発している面がある映画だと思いました。(警官の犯罪は、とうの昔に知られていることで、いまさら「告発」ではないかもしれませんが。) それにしても、『ピショット』とか『セントラル・ステーション』とかたまにブラジル映画が来ると、内容が濃いぃですねえ。 MovieJunky 高知県立美術館ホール 2003/10/21 |
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