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■かるかん>華氏911|バイオハザードIIアポカリプス |
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華氏911 存在の耐えられない軽さの肖像(未満) |
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Fahrenheit 9/11 監督:マイケル・ムーア(2004年/アメリカ/カラー/2時間2分) |
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『ボウリング・フォー・コロンバイン』は、なぜ、アメリカでは銃の犠牲者が多いのかという謎を、論理的に解いていく構成が大変スッキリとしてわかりやすかったです。ところが、『華氏911』は、ブッシュ大統領を次の選挙で当選させないために、その偽者ぶりを世間(主にアメリカ市民)に知らしめることを目的に、あらゆる情報をごった詰めにした感があります。したがって、雑然とした印象がぬぐえず、映画の出来としては『ボーリング・フォー・コロンバイン』の方がよいように思います。 ただし、傷を負った子供たち、焼かれたうえに滅多打ちにされる兵士、喉元にナイフを突きつけられた日本人人質など、見たことのない映像を見れたことは(見たくなかったけど)よかったと思います。映像には、有無を言わせぬ迫力があります。力のある映像には、感情を掻き立てられるものですね。 9月11日のあの映像に掻き立てられた米国民の感情が、今やっと平静を取り戻そうとしているところなのでしょうか。 それにしても、『ボウリング・フォー・コロンバイン』のチャールトン・ヘストンもそうでしたが、小学校で思考停止状態に陥ったように見えるブッシュ大統領は、ちょっと気の毒なくらいでしたね〜。(いや、それはイラク攻撃で死んだ兵士や市民の方が、比べ物にならないくらい気の毒ですが。) (ブッシュ大統領は、あのとき、字幕どおり「米国が攻撃されています。」と耳打ちされたんですかねえ?耳打ちされたセリフをいろいろ考えると、コントになりそうで困るな〜(汗)。) 誰でも「あなたの家が焼き討ちにあっている」と言われたら、「ええっ!?」と思っても、次には情報収集に走ると思われます。それが国となると、規模が大きすぎて思考停止になる可能性はあります。だれもが思考停止になる可能性がありそうな場面をことさら取り上げられたのが気の毒に思う理由ですが、でも、それは大統領の器ではないということでしょう。 息子が戦死したお母さん。 あのお母さんの言葉の重さと、ブッシュ大統領の言葉の軽さ。私は、この二人の対比に絞った作品を見てみたかったな。と思っていたら、「(このお母さんを)僕だったら映画の入口に使って、彼女と共に現代の戦争のシステムの大きな矛盾を追っていくことを構成の主軸にしたと思う。」という一節を含む『華氏911』評を発見。 キネマ旬報9月下旬号(表紙:香取慎吾)の150ページ、「考えるための道具としての映画」(文:藤原敏史)は、「ドキュメンタリーの撮影とは自分の主観によって現実の一部をキャメラで切り取ることであり、編集と構成も作り手が考え抜くものだ。」というドキュメンタリー論に始まって、『華氏911』のここがダメと具体的に指摘していてとても面白いです。ぜひ、ご一読を。 ちなみに、私は藤原氏のドキュメンタリー論にほぼ同感です。以前書いた『with・・・若き女性美術作家の生涯』の感想を読んでいただけると、お茶屋もなかなかのドキュメンタリー作家になれたかも〜と、思っていただけるかも〜(笑)。 TOHOシネマズ高知 2004/9/1 |
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バイオハザードIIアポカリプス (ゾンビ+ターミネーター+ロボコップ)×ミラ=汚染地帯大脱出 |
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RESIDENT EVIL:APOCALYPSE 監督:アレクサンダー・ウィット|脚本:ポール・W・S・アンダーソン(2004年/アメリカ/カラー/1時間33分) アリス:ミラ・ジョヴォヴィッチ|バレンタイン:? |
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女性がアクション映画の主役になり始めたのはいつ頃からでしょうか。『エイリアン』のシガニー・ウィーバーあたりがハシリでしょうか。『グロリア』のジーナ・ローランズ、『ニキータ』のアンヌ・パリロー、最近では『トゥーム・レーダー』のアンジェリーナ・ジョリーとか。さすがに皆さん、よい俳優ばかり。 そして、『バイオハザードIIアポカリプス』もミラ・ジョヴォヴィッチが、よろしいです〜。この人の演技は、ワンパターンといえばそうなんですが、ワンパターンでも可愛いな〜。私にとって『バイオハザード』は、まず、ミラ・ジョヴォヴィッチありきなのです。 今作もミラの他に女優がアクション(警官役)をやっていますが印象が薄いです。ミラと互角の魅力を発揮できるのは、前作に出ていたような個性的な女優なのではないかな〜。太ももとかお臍とか見せてもらってもね〜、それはミラが見せてくれるから充分なのよね〜。 さて、俳優の話はさておいて、お話は『ニューヨーク1997』みたいに、閉鎖された区域内から時間内に脱出しなければ死んでしまうという単純なもののうえに、プラスアルファーが『バイオハザード』らしく、なかなか面白かったです。ご都合主義もミラに免じて大目に見ます(笑)。それに、前作ではラストの引きの映像が中途半端でしたが、今回は大満足でしたし。 しかーし、演出がダメダメ。始めの方は、怖くもないし、どういうアクションをしているのか分らないくらいカット割が激しく、映像のカッコつけが大して決まりもせず、危うく退屈しかけましたよ。3作目は、ポール・アンダーソンに監督復帰してもらいたいものです。 高知松竹 2004/9/11 |
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